議会での質問・答弁

2020年12月14日

2020年第8回 12月定例会 厚生委員会 きせ康平議員

第105号議案 「令和2年度広島市一般会計補正予算(第7号)」民生委員・児童委員の活動支援について
陳情第127号 「安心して子どもを生み育てられるように広島市の保育予算を増やし保育行政の充実を求めることについて」
付託案件外 こども医療費補助について

第105号議案 「令和2年度広島市一般会計補正予算(第7号)」民生委員・児童委員の活動支援について

(きせ康平議員)
 同じく民生委員・児童委員の活動について、お聞きしたいことが幾つかあるんですけど、今回、国庫補助金というふうになっているんですけど、これは、国からこのために下りてきているものなのか。それとも、特別補助金で、今、コロナ関係で、市が国にお願いして出してもらっているというのもあると思うんですけど、どういったところで下りてきていますか。

(地域福祉課長) 
 この度のコロナの交付金と言いますか、一括して市に渡される部分を充当するという形で考えております。

(きせ康平議員)
 ということは、別にこれに限らず市から国に要望して使えるようなものという認識でいいんですか。

(地域福祉課長)
 地方創生臨時交付金というものですので、その中で自治体が考えて使うものの一つであろうと考えております。
 ちなみに、今回、広島県内、大体同じような形で増額を考えているということで、広島県からお聞きしているんですけれども、広島県の方も、この地方創生臨時交付金を使って行うということで考えているというふうに聞いております。

(きせ康平議員)
 一般質問でもいろいろ要望させてもらって、この交付金を使って直接支援をやるべきだというお話をさせてもらったんですけど、先ほどの回答で、協議会等からの要望は特になかったというか、要は市の判断だということだと思うんですけど、局長はそういった状況もあるということも言われていますが、民生委員から直接的にどういった要望があったのか御説明いただけますか。

(地域福祉課長)
 もともと5月に予算措置を行いまして、この度追加を行うかどうかという点に関しまして、広島県ともいろいろ協議とか御提案があった中で、民生委員・児童委員の理事会の方とかにもお話を伺いました。そういった中で、要望という形ではないんですけれども、活動で非常に苦労されているという実態と、こういった形でいろんなものにお金が掛かっているというような実態も含めてお聴きをしまして、なおかつ、こういった形で支援をしていただけるのであれば励みにもなるし、非常にそういったことに充当したいというふうな声をお聴きしていたところです。

(きせ康平議員)
 今、苦労されているっていう話もあったんですけど、主に何に苦労されているというふうに言われてるのか、具体的にお話できますか。

(地域福祉課長)
 先ほどもちょっと御説明したんですが、一番はなかなか訪問が難しいという点でありまして、訪問する際の自らの感染防止対策、気を遣いながらマスクもするし、消毒もするしという形で訪問せざるを得ないという状況。あるいは頻繁に訪問することが難しい。特に感染が非常に心配されるような所であったりする場合は、LINEとかあるいは電話とか、そういった形での通信費も掛かってくるというようなことはお聴きをしているところです。

(きせ康平議員)
 その辺に関してはいろいろと意見が出ているので、しっかり使われているか、後追いはやっぱりやってもらったらと思います。特にLINEなんか、いろいろと支障がある。もちろん民生委員さんもそうなんですけど、先ほど言われましたが、受手側もというところもあるので、一概に全部が全部というところではないとは思いますが、せっかく使う予定ではあるので、その分検討はしっかりしていただきたいということを要望して終わります。

陳情第127号「安心して子どもを生み育てられるように広島市の保育予算を増やし保育行政の充実を求めることについて」

(きせ康平議員)
 陳情第127号「安心して子どもを生み育てられるように広島市の保育予算を増やし保育行政の充実を求めることについて」ということで、ちょっとお聞きしてまいります。
 この陳情ですが、僕自身、実は保護者としていろいろ関わらせていただきまして、今回、4万6,000筆を超える署名が提出されていますけど、このコロナ禍で、保護者の方、先生方が街頭に立ちながら署名活動をされていました。感染しないように、もちろん書くのもそうなんですけど、署名板に除菌シートも置きながら、その都度ペンを拭いたり、また、拭いてもらったりしながら、本当に大変な中で4万筆も集めたという経緯をちょっと御紹介させていただきながら、いろいろ確認していきたいと思います。
 主には職員の配置基準と、あとは処遇改善のところについてお聞きしていきたいと思います。
 職員の配置基準は、昭和23年、1948年に定められて以降、ずっとこれが使われているような状況で、全然変わっていないものになります。0歳児は、子ども3人に対して保育士1人。1歳児、2歳児は、6人に対して保育士1人。3歳児は、20人に対して保育士1人。4歳児以上は、30人に対して保育士1人という形の配置基準になっています。その中で、3歳児に関しては、15人に対して1人にしていると、加算が付いたりいろいろと補助もあるんですけれども。
 この間、自然災害が、豪雨だったり、土砂災害、土石流等も考えられますが、今後、南海トラフなども言われている中で、特に0歳児、産まれてすぐ預けられる方もいらっしゃれば、もう首が据わって生後半年以降で預けられる方、様々いらっしゃるんですけど、そういった子どもを3人も見ないといけない保育士がもし避難する場合には、後ろに背負い、前に2人抱えて逃げなければならないという状況になるんです。じゃあこれが、皆さん首が据わっていなかったらとか、いろいろな状況を考えると、本当にこの配置基準で大丈夫なのかという疑問を持つわけです。そうした中で、これから自然災害がいろいろ想定されるというところで、この配置基準について市の認識として今どのように考えているのか見解をお聞かせください。

(保育企画課長)
 保育園の園児や職員の安全確保というのは極めて重要でありますことから、本市といたしましても、耐震工事等のほか、各保育園におきまして、様々な災害に備えた計画等の整備に取り組んでいただくなど、危機管理対策の推進に努めております。
 例えば、豪雨災害の場合では、各保育園におきまして、土砂災害警戒区域や浸水想定区域等の有無、また、避難場所までの距離ですとか避難経路など、それぞれの施設の立地状況を踏まえた上で、保護者への迎えの要請ですとか避難開始のタイミングなど、避難情報の発令内容ですとか降雨状況等に応じて定めております。
 また、保護者との危機管理意識の共有や地域住民と協力した避難訓練の実施などによって、極力避難人数を少なくしながら、現行の職員体制で安全に避難ができるよう取り組んでおりまして、保護者も早期の迎えですとか、大雨警報等の段階から自主的に登園を控えられるなど、保育園、保護者、地域住民が協力して、安全を確保する意識も高まりつつございます。
 今後とも、地域との協力体制づくりを含めまして、各園が安全な避難方策を確立できるよう、指導、助言等を行っていきたいというふうに考えております。

(きせ康平議員)
 今の配置基準等で問題ないという認識なのかとは思うんですけど。
 この4月、5月は、保育園も登園自粛をという形で言われて、仕事を休める方は子どもを預けないで自宅で見るなんていう環境もあったんですけれども、そういった中で、保育士の方は、子どもが減った状況の中で対応されたというところで、ふだんよりも少ない人数を十分な保育士で見ていたというその環境について、もちろん自粛という期間ではありながらも、しっかりと目が届くような充実した保育ができたという感想がものすごく多く出されているというのをお聞きしました。
 それが、自粛が解除されてちょっとずつ戻って来ると、特に幼児クラス、3歳以上児なんかは、20人ないし30人に対して保育士1人というところで、教室内のやっぱりあちらこちらで何かがあった際にも、片方しか目が届かなかったりっていうのがあって、いつの間にかちょっといざこざがあったり、けがをしていたなんていうこともお聞きします。また、保護者の方からも、自分が迎えに行った受渡しの際に、ちょうど2、3か所いざこざがあって、片方は自分で対応できた、本当に保護者の目があって対応できたなんていうところもお聞きするわけです。そうなってくると、やっぱりこの配置基準というのは、このままじゃ、ふだんの保育からなかなか難しいのじゃないかというところを実感するわけです。今後、この配置基準を、市として変えていくのと併せて、国にしっかり見直していくというようなところを要望していく等、何か行動を考えたりとかされますか。

(保育企画課長)
 本市では、国の基準に沿った保育士の配置基準を定めつつ、休憩代替ですとか年休代替などの各種加配措置を国より手厚くするとともに、保育補助者の雇用に要する経費の補助等も行いまして、保育中の子どもに対して、より目が行き届き、良好な保育環境の確保に努めております。
 保育士の配置基準の見直しに関しましては、保育の質の向上を図る上で大切な視点であるというふうに認識しておりますが、まずは現行基準の下で保育需要に対応するために必要な保育士を確保、配置し、市全体として適切な保育が提供できる環境を整えていくことが肝要であるというふうに考えております。
 その上で、保育士確保の状況ですとか国の動向を踏まえつつ、配置基準の見直しを行うことも検討課題になるものというふうに思っております。

(きせ康平議員)
 保育士確保の話がありましたけれども、やっぱり今保育士の担い手が少ないというのは、この間、再三言わせていただいているところであります。それは主に全産業平均よりも保育士はやはり賃金が10万円ほど低いという状況があったりして、過去にもお話させていただいたこともありますが、アルバイトをしている御家族の方よりも収入が低かった。それにもう驚がくして、ちょっと保育士はできない。もちろん賃金だけではないとは思いますけれども、なかなか続けられる環境に思えなかったなんていう声も聞く中で、保育士を目指した方、免許を取った方が、一度は保育士をやりながらも、数年で挫折してしまって、違う業種に離れていく方というのが結構多いとお聞きします。そういったところで、もちろん配置基準も上げながら、処遇のことに関しても、両方上げていかないと、やっぱりこの問題って解決できないんじゃないかと思うんです。いろいろと加算はされているということではありますが、このコロナ禍で言うと、慰労金みたいなのも保育士だけは出なかったりというようなところで、保育士に対して、なかなか国も市も冷たいんじゃないかという状況が考えられるんです。
 例えば、配置基準を0歳児2人に対して1人にする、更に加配するなんていうような市独自の支援とかも考えていきながら、処遇と配置基準の変更というのを視野に入れていくべきではないかと思いますけれども、市としてそういったことを検討しているかどうか、お聞きさせていただきます。

(保育指導課長)
 本市といたしましても、委員御指摘のとおり、量的な部分も含めまして、保育士の安定的な確保を図る上では、処遇改善というものは非常に重要なものと考えております。こうしたことから、本市では、従前から、国の公定価格を踏まえた上で、保育士の処遇改善に関する単市補助を行ってきているところでございます。
 なお、国におかれましても、平成29年度から、ニッポン一億総活躍プランに掲げられた一律2%の処遇改善の上で、更にキャリアアップの仕組みを構築し、例えば保育士としての技能や経験に応じて月額4万円、又はちょっと経験の短い方ですと月額5,000円の処遇改善を行うことによりまして、全産業の労働者との賃金差の解消を図っております。また、さらに令和元年度からは1%の処遇改善の拡充も行っておられます。
 本市といたしましては、やはり御指摘のありましたほかの全産業の労働者との賃金差がある、そういった認識におきまして、その賃金差の解消に向けて、今後とも単市補助の継続を図りますとともに、国に対しましては、先ほど慰労金のお話も出ましたが、それも含めて全般的な更なる処遇改善を行うよう引き続き要望してまいりたいと考えております。

(きせ康平議員)
 是非とも、要望はしていただきたいとは思います。
 あと、もう一つお聞きしたいことがあって、この度の陳情の中には、公立保育園の縮小をしないでほしいということと、正規職員も減らさないでほしいということがあるんです。広島市は、今年の3月に広島市幼児教育・保育ビジョンを策定されて、今後子どもが少なくなっていくから、場所によっては、基本的には公立は拠点園としていくというようなことを掲げられていると思います。子どもたちが減っていくということを言われるわけなんですけれども、その一方で、「世界に誇れる『まち』広島」人口ビジョンでは、2025年以降は子どもを増やしていく、そういった目標でやっていくという目標も掲げられています。一方では減っていくということを掲げながら、もう一方では増やすとなっていますけれども、この違いについてちょっと教えていただけますか。

(調整担当課長)
 人口ビジョンは、人口減少に歯止めを掛け、将来にわたって活力ある地域社会の維持を目指す施策を展開し、出生率の向上と若い世代の人口の確保を実現することで、本市が広島広域都市圏、ひいては中国地方の発展をけん引していく中枢都市であり続けたときの人口の将来展望を示したものです。このため、人口ビジョンに掲げる人口の将来展望の達成を目指し、人口維持のための様々な施策を進めることは重要なことと認識しております。
 一方で、幼児教育・保育ビジョンは、少子化の進展という現状を見据え、今後、保育需要が減少した場合には私立園の事業の継続が困難になることも想定され、現在の提供体制やサービスの維持が難しくなることが懸念されることから、その対応も視野に入れて策定したものです。
 このように二つのビジョンは課題設定が異なるものですが、人口ビジョンに基づく人口維持のための施策を進めつつ、幼児教育・保育ビジョンに基づく少子化の進展と保育需要の減少を踏まえた対応を検討していくことは必要なことと認識しております。

(きせ康平議員)
 目標を掲げつつ、それに満たなかったら、その対応だということなんですけど。基本的には目標を達成するためにいろいろな施策を進めていくという認識でよろしいですか。

(調整担当課長)
 先ほども申しましたように、人口ビジョンに掲げる人口の将来展望の達成を目指しまして、人口維持のための様々な施策を進めることは重要なことと認識しております。

(きせ康平議員)
 では、その人口ビジョンが達成できるようにいろいろ活動していく中で、減少に歯止めを掛けたとなってくると、今掲げている幼児教育・保育ビジョンについては、改めて見直していく、改定していくということになるという認識でよろしいですか。

(調整担当課長)
 幼児教育・保育ビジョンでは、需要減少については、地域の将来を含めた需給状況の実情等を考慮した上で、公立園の定員削減、統廃合を基本とする一方で、待機児童がいる地域においては、需要の拡大に対応した私立園による受入枠の拡大に取り組むこととしております。今後、推計等を見直していく中で、地域の実情に応じた対応を行ってまいりたいと考えております。

(きせ康平議員)
 需要がない所は統合していく、ある所は増やしていくということだとは思うんですけど、基本的には、どこも保育園というのは、今、まだまだ需要があるというところで言うと、まだこの幼児教育・保育ビジョンに関係してくる所でもなかなか手が出しづらいと言いますか、まだ統合等を進めていくところにはなっていかないかと思います。今年度から始まっていることではありますが、例えば2025年から減っていくというふうに人口ビジョンがなっている中で、この幼児教育・保育ビジョンでも、ずっと下がっていくということになりますが、2025年以降のところから対応していくのか。もちろん今の現状がどうなっていくのかもあるとは思うんですけど、統合というところで言うと、どの辺りから検討されていく御予定ですか。

(調整担当課長)
 確かに、本市全体で見たときには、現在まだ待機児童が発生している状況ではあるんですけれども、本市の地域ごとに見ていったときに、既に待機が発生している所がある一方で、定員を大きく下回っているような状況の所もありますので、いつからということではなくて、既に市全体を見たときには、待機が発生している所、あとは需要が定員を下回っている所、様々な地域があるという状況になっております。

(きせ康平議員)
 様々な状況になっているから、その状況に合わせて並行してやっていくという話でよろしいですか。

(調整担当課長)
 ですから、地域の状況に応じた対応を行ってまいりたいと考えております。

(きせ康平議員)
 今後どれぐらい増やしていくかという市のビジョンがある中で、どこを重点的に増やしていくかということなどもあるとは思うんです。今減っているけれども、数年後に増えていくことも考えられるわけで、その先も見越したような対応が必要になってくるかと思いますので、現状が少ないからすぐ統合というよりは、よく状況を見ながら検討いただきたいというところをお願いします。

付託案件外 こども医療費補助について

(きせ康平議員)
 こども医療費補助について、一般質問でも行わせていただきましたが、幾つかまたお聞きしたいこともありますので、行わせていただきます。
 まず初めに、この度小学6年生までしか引き上げられなかった理由として、先日の一般質問においては、2017年8月に行われた子どもの健康・医療等実態調査で、実質8割の保護者の方が、一部負担金の引上げを理由に通院の抑制をしたことがないということを挙げられ、また、窓口での一部負担金に差があっても受診率に大きな差がなかったというのも言われました。また、国の調査において、4歳児未満の慢性疾患率が高いということで、この度は未就学時の初診料算定時の改定を行われたと思うんですけれども、先ほどの理由に関しては、所得基準のところに関しても検討されたのかと思います。その中で、未就学児から小学6年生までの保護者に対しての子ども・子育て支援に関するニーズ調査ということで、6割の保護者から経済的支援へのニーズが高まっているということも挙げられつつ、総合的に検討した結果、まずは小学6年生までということを先日言われたんですけれども、一般質問でも紹介しました2017年の子どもの生活に関する実態調査においては、中学校卒業までやっぱり引き上げてほしいという意見もあった中で、この度は引き上げなかったということですけれども、改めてその引き上げなかった理由を御説明いただけますか。

(福祉医療担当課長)
 本会議の方でも答弁しているところでございますけれども、小学生と中学生を比較しますと、小学生の方が傷病にり患しやすく医療費の負担が大きいこと、また、本市が平成30年度に未就学児から小学6年生までの子どものいる世帯を対象に実施した子ども・子育て支援に関するニーズ調査により、小学生の保護者の経済的支援に対するニーズが高いことなどが明らかになりました。
 また、加えて、委員御指摘の本市が小学5年生と中学2年生の保護者を対象に実施しました子どもの生活に関する実態調査では、子どもを医療機関で受診させた方がよいと思ったが実際には受診させなかった経験があったと回答した保護者のうち、その理由を医療機関で自己負担金を支払うことができないと思ったと回答した生活困難層の保護者の割合は、中学2年生が10.7%であるのに対しまして、小学5年生は21.9%と約2倍になっていました。こうしたことから、まずは通院の補助対象年齢を小学6年生まで拡大することとしたものです。

(きせ康平議員)
 中学生のところに関して、2分の1だったからと言われましたけれども、ニーズ調査は未就学児から小学校6年生までにとどまって、中学生までは行われていない状況ではあるんですけど、中学生の保護者にもニーズ調査を行ったら、やはり同じような意見も出るんじゃないかと思われるんですが、その辺りはどう考えられるか、お答えいただけますか。

(福祉医療担当課長)
 繰り返しになりますけれども、小学生と中学生を比較しますと、やはり小学生の方が傷病にり患しやすく医療費の負担が大きいということもございまして、この度、まずは小学6年生まで拡大することとさせていただいたものです。

(きせ康平議員)
 本会議の答弁では、医師会とも協議したというふうに言われたんですけれども、どういった協議をされたか御説明いただけますか。

(福祉医療担当課長)
 こども医療費補助制度について、医師会とは意見交換を重ねてきておりましたけれども、先ほど委員がおっしゃいました子どもの受診率に差があったとか、なかったとか、そういった実態調査の内容等につきまして、医師会と意見交換を重ねる中で、小児科医会の方から、アレルギー疾患を含む慢性疾患を患う子どもの医療費の負担が重くなっているのではないかという御意見を頂きました。
 本市におきまして、厚生労働省が3年に一度実施している患者調査を調べましたところ、近年では、4歳以下の子どもについて、継続的な通院治療を必要とするぜん息等のアレルギー疾患の患者数が急激に増加していることが分かりました。
 こうしたことから、継続的な通院治療を必要とする未就学児の医療費の負担軽減を図るため、この度の見直しを行うこととしたものです。そういった形で協議をしております。

(きせ康平議員)
 市内の各医師会、安芸地区医師会、安佐医師会、広島市医師会の連名で、この8月に広島市に対して要望書が提出されておりまして、その中で子どもの医療費に関しての要望というのも言われております。ここで言われているのは、従来は初診料算定時500円、再診は無料だったものが、1日の窓口での一部負担金が1,000円、月2回まで、現状のことを言われておりまして、改定によって増額となった対象児が25%も生じているということも説明されて、市が掲げる今の広島型・福祉ビジョンに逆行しているんではないかということと併せて、子育て支援の対策として大きく後退となる制度だと言われております。また、一部負担金を1,000円、1,500円とされているところも、全国的に例のないレベルで高額だということも言われている。
 こうしたことを言われているんですけれども、これらに関しては、その協議の中で指摘されていないですか。

(福祉医療担当課長)
 もちろん医師会の方からそういった御意見は頂いておりますけれども、本市としましては、こども医療費補助制度は、本来国の責任におきまして統一的に実施されるべきものであるとして、国に対しこども医療費補助に係る統一的な制度を創設するよう、指定都市市長会などを通じ要請していることについて、医師会の方にも説明をしておりまして、より多くの子どもの健全な発育を更に促進したいという思いは、本市も医師会も同じだと考えております。このため、こども医療費補助制度が、安心して子どもを産み育てる環境を整え、長期的に安定した制度となるよう、医師会からも国に対して統一的なこども医療費補助制度の創設を要望していただくよう提案したところでございます。
 今後も、医師会と対立するのではなく、可能な限り歩調を合わせ、国に対して統一的なこども医療費補助制度の創設を要望しつつ、丁寧に説明を行いながら、理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。

(きせ康平議員)
 医師会からの意見もこの度反映されて、未就学児の一部負担金は、1,000円ではありますけれども、初診料算定時に限ると決まったということであります。この初診料算定時については、国の調査において、4歳以下の発症率が高いということではあるんですけれども、発症して、未就学児の間ずっと通院して、じゃあ、就学児になったら治るかというと、そうでもないんじゃないかと思うんです。そういうところで言うと、未就学児だけではなくて、就学児も引き続きそこは支援する必要があるんじゃないかとは思うんですけれども、その辺りについては検討されたのか、改めてお聞きします。

(福祉医療担当課長)
 就学児と未就学児を比較しますと、未就学児の方が傷病にり患しやすく通院日数が多いこと、また、先ほど委員の方からお話もありましたけれども、本市が実施しました子ども・子育て支援に関するニーズ調査においても、未就学児の保護者の方が経済的支援に対するニーズが高いことが分かりました。さらに言えば、繰り返しになりますけれども、小児期は継続的な通院治療を必要とするぜん息などのアレルギー疾患の患者数が多い状況にありますが、特に4歳以下の子どもについて、近年急激に増加しています。こうしたことを踏まえまして、特に未就学児の医療費について一層の負担軽減を図る必要があると判断し、一部負担金の見直しを行うこととしたものです。

(きせ康平議員)
 4歳以下が多いというところでありますけれども、成長するにつれてそこから外れるわけで、じゃあ、家の収入が増えるのかといっても、そこは余り変わらないんじゃないかとは思うんです。
 未就学児から就学児に上がった結果、更に子どもに対しての支払が多くなってくるし、学校に関しての支払も多くなる中で、ここの子どもの医療費という分野も更に負担を大きくせざるを得ないというのは、なかなか保護者に対しては厳しいんじゃないかとは思います。なので、やはり就学児に関しても同じく検討していく必要があるとは思うので、そこは要望しておきます。
 この度6億2,000万円という予算で、中学校卒業まで含めるとなると、一般質問で4億円と話をさせてもらいましたけど、後々聞いたら約5億円ということですが、この約5億円がなぜ出せないのかということを改めてお聞きします。

(福祉医療担当課長)
 本会議でも御答弁しましたけれども、本市は、増加し続ける社会保障費を賄うと同時に、健全な財政運営を目指す取組を進めている中で、令和元年度に行われました幼児教育・保育の無償化により軽減された自主財源を、社会保障の分野を中心とする本市として行うべき裁量的な施策にようやく充当できるようになったものと考えています。
 こうした中、こども医療費補助制度につきましては、引き続き国に対し、国の責任においてこども医療費補助に係る統一的な制度を創設するよう要請することを前提にしつつ、本会議の一般質問でも御答弁しましたとおり、まずは通院の補助対象年齢を小学6年生までに拡大するとともに、継続的な通院治療を必要とする未就学児の医療費の負担軽減を図る必要があると判断し、今回の見直しを実施することとしたものです。

(きせ康平議員)
 まずはということではあるんですけれども、この度、制度を見直すに当たって、一旦中学校卒業まで見直して、財政局に上げて、結果、いや、この予算じゃできませんという話になったのか、もうはなから小学6年生にとどめたのか、どういった検討をされたのか教えていただけますか。

(福祉医療担当課長)
 先ほども申し上げましたけれども、小学生と中学生を比較しますと、小学生の方が傷病にり患しやすく医療費の負担が大きいこと、また、本市が実施しました子ども・子育て支援に関するニーズ調査によりましても、小学生の保護者の経済的支援に対するニーズが高いことなどが明らかになったことから、まずは小学6年生まで拡大することとしたものです。

(きせ康平議員)
 じゃあ、はなからもう小学6年生にとどめたという話になってくると思うんですけど。
 一般質問でも言いましたが、全国平均で言えば、中学校卒業、さらにはそれより上、18歳まで補助しているところが多くなる中で、この度の見直しをしても平均以下、さらに政令市を確認しても、今小学3年生まで見ているところが、来年の4月でしたか、小学6年生まで上げる自治体があるということで、現状広島市が一番下のレベルにある中で、拡大しても同じく小学6年生で、来年1年間も一番下の範囲というような形になるわけです。
 過去に制度改正する際に、議会で他の自治体と遜色ないようにというふうに上げられていると思いますけれども、明らかに遜色あると判断できると思うんですが、なぜ拡大しても一番下のところでとどめたのか、ちょっと御説明いただけますか。

(福祉医療担当課長)
 子育て施策を含めました行政サービスの展開は、自治体により財政状況や少子化などの社会的事情が異なるため、他都市と一律に比較することは難しいと考えております。そういった中で、繰り返しになりますけれども、子ども・子育て世帯の実態やニーズを踏まえまして、今回の見直しを図ることとしたものです。

(きせ康平議員)
 広島市の認識として、保護者のニーズは小学6年生までだというところと、あとは、他都市に遜色ないというのも、一番低くても問題ないという認識でよろしいですか。

(福祉医療担当課長)
 繰り返しになりますけれども、子育て施策を含めました行政サービスの展開は、自治体により社会的事情が異なるため、一律に比較するということは難しいと考えております。
 しかしながら、本市としましては、今後も子ども・子育て支援施策を全体として充実するとともに、将来にわたって安定的に運用していく中で、可能な限り子どもの医療を充実させていきたいと考えております。

(きせ康平議員)
 今後も検討していくということですが、いろいろ質問しても同じ答弁になるんであれなんですけど、今後も検討していくのであれば、まずは上げて、国へしっかり要望していくことが必要ではなかったかとは思います。
 よく言われるのが、他都市から広島市に来た際に、ここまで補助してくれないだとか、やはり、子育て世代から枠を広げるような要望というのはよく聞かれるわけで、この辺りを実現していかないと、先ほどの話になりますけれども、人口ビジョンというところで、子どもの人口を増やしていくというふうに広島市は目標を掲げられていますけれども、そういったところにも悪い方での影響が出てくるんじゃないかと思います。現に、市外に出られた方で、広島市は子育てしにくいから戻りたくないという声も聞きます。そういった意味では、本当に他都市の動向を見ていきながら、まずはせめて同じ、そしてそれよりも良くしていかなければ、掲げる目標というのも達成できないとは思います。
 是非とも、このこども医療費は、遜色ないようにと決議されているものですから、それに応えていただいて、まずは小学6年生というよりは、まずは中学3年生というふうに言えるような市になっていただきたいということも要望させていただいて、質問を終わります。

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