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(中森辰一議員)
お疲れさまです。財政のことにつきまして質問いたします。
来年度から4年間の財政運営方針という文書が出されております。この財政運営方針では、4年間に110億円の財源不足になるという見通しを立てて、それを補うために歳入で29億円を増やす取組を行う。歳出で66億円分の抑制、削減を進める。その他、土地の売却や資産の活用で15億円の収入を確保するというふうにしております。
来年度予算でも明らかなように、この期間中は大規模プロジェクトが並行して進められる計画になっております。大規模プロジェクトに必要な財源というのは、今よりもどれだけ増えると見込んでいるのか、また歳出額はどれだけ増えると見込んでいるのか、お答えください。
(財政課長)
大規模プロジェクトの事業費ということで申し上げます。令和元年度の大規模プロジェクトの事業費は約280億円でございますけども、これに対しまして、令和2年度が約40億円減の約240億円、3年度が約120億円増の約400億円、4年度が約70億円増の約350億円、5年度が約40億円増の約320億円となっております。
(中森辰一議員)
これは歳出全体ということ、全体の事業費、総額で答えていただいたということでよろしいんですね。
(財政課長)
大規模プロジェクトの事業費ということでお答えしたものでございます。
(中森辰一議員)
はい、分かりました。
この文書では、投資的経費の見直しで4年間で30億円分の減額を見込んでおります。具体的に数字があるということは、削減する事業がある程度見通せているということではないかというふうに思うんですけれども、具体的に見直す事業というのはどういうものがあるのか、お答えください。
(財政課長)
投資的経費の推計につきましては、各プロジェクトの現時点での想定スケジュールや概算の事業費などをベースに行っておりますけども、例年、当初予算の編成過程におきまして、事業の進度調整や事業費の見直しなどを行っていることを踏まえまして、全体として1割程度の削減は可能であると考えて、30億円の取組効果額を見込んだものでございます。
(中森辰一議員)
年度で調整可能というふうな判断があるのかなというふうに思うんですけども、その見直しの結果として、財政収支見通しでは投資的経費が令和2年度に対して令和5年度は135億円減少するということになっておりますけども、どういうふうな見立てでこういうふうな減額を見込んでいるのか、お答えください。
(財政課長)
令和5年度は、災害復旧事業が終了しておりまして、約64億円の減となること、下水道事業会計への繰り出しが企業債残高の減少等から、約27億円の減となること、恵下埋立地の整備完了によりまして約24億円の減となること、こういったものが主な要因でございます。
(中森辰一議員)
そうすると、こんだけ減額が出るという見通しは立つということなんだと思います。
それで、事務事業の見直しで16億円を見込んでおりますけども、具体的に事業費が削減できると考えているのはどういった事業であるのか、主なものを挙げてみていただきたいと思います。
(財政課長)
事務事業の見直しによる効果額16億円でございますけども、具体的取組項目の縮減額や近年の削減の実績を基に見込んでおります。
具体的には、道路照明施設のLED化による光熱水費等の維持管理経費の縮減額と、高齢者いきいき活動ポイント事業の創設に伴う高齢者公共交通機関利用助成経費の削減額に、過去の実績を勘案した一定の削減目標額を加算して設定したものでございます。
(中森辰一議員)
この文書では、この事務事業の見直しのところで、要するに削減目標を掲げているところですけれども、唯一就学援助制度という項目が上げられておるわけですけども、これはどの程度の削減を見込まれているのか、お答えください。
(財政課長)
就学援助制度につきましては、広島市行政経営改革推進プランに掲載し、その適正化を図ることにしていますが、現段階では、その具体的な内容が定まっていないため、取組効果額としては計上しておりません。
(中森辰一議員)
私はこの項目は、削減をする項目の一つとして上げられているということが問題だというふうに思っているわけですけども、この点について、また機会を改めて議論をしていきたいというふうに思います。
それから、歳入ですけれども、財政運営方針では市税収入等を27億円増やせるというふうに見込んでおります。この内訳を大きいものから3点お示しください。
(財政課長)
27億円は市税収入全体の収納率の向上による効果額を積算したものでございます。
具体的には、収支不足に対応する前は、令和元年度当初予算における収納率の97.8%を用いて推計しておりましたけども、収納率向上に取り組むことで、計画期間の最終年度である令和5年度に広島市が政令指定都市移行後では最高となります平成元年度の98%と同値となるよう、毎年度0.1%ずつ向上させることを目標といたしまして、取組効果額を積算したものでございます。
(中森辰一議員)
収納率向上という、それはやっていく必要があることではあると思いますけれども、あまり無理な集め方も問題があるかなというふうに思います。
それから、市税は4年間で年額77億円増える見込みになっています。つまり今年度分の補正後の額と比べると77億円増えるという見込みになっておるわけですけども、この増える根拠というのは何なんでしょうか。
(財政課長)
令和元年度と比べますと82億円増えるという形になりますけども、その増える根拠でございますけども、市税のうち主なものについて説明いたしますと、まず市民税につきましては法人市民税に係る税制改正による減収を見込んだほか、令和2年度予算をベースといたしまして、内閣府の中長期の経済財政に関する試算のベースラインケースで見込まれます名目経済成長率を踏まえて増収を見込んだものでございます。
また、固定資産税や都市計画税につきましては、令和2年度予算をベースといたしまして、評価替えの影響や過去の実績の傾向を勘案して推計を行ったものでございます。
(中森辰一議員)
私が77億円というふうに言ったのは、元年度と2年度の2月補正後と当初予算を比べますと来年度が減るということになっておりますよね。そういう点で、今年度、2月補正後から比べると77億円増えるというふうに申し上げているわけで、あくまでも名目経済成長率等が基本になっているということだと思います。
昨年10月から消費税が増税されまして、この昨年の10月から12月の第3四半期では年率換算で6.3%の景気後退というふうに言われておりますし、もう少し精査すると7%を超えるのではないかというふうにも言われております。
そういう中で、今回のは新型コロナウイルス問題での影響を除いても、こうした景気後退が折り込めるタイミングでこれは出された方針なわけですけれども、この市税収入の増収見込みっていうのは、ちょっとこれは多過ぎるんではないかなと、むしろマイナスというふうなことも考えられるんではないかと思いますが、その点についてはどうお考えでしょう。
(財政課長)
まず、市税、地方譲与税、地方交付税、臨時財政対策債、いわゆる一般財源の推計方法について御説明させていただきます。
国は経済財政運営と改革の基本方針2019の中で、令和3年度までの地方の一般財源総額につきまして、平成30年度地方財政計画と同水準を実質的に確保するといたしております。その考えに基づきまして、市税、地方譲与税等、地方交付税、臨時財政対策債の合計額が、令和元年度並みに確保されることを基本に、各収入を推計いたしております。つまり、市税の増収相当額は地方交付税から減額するという考え方で一般財源を積算しておりまして、仮に市税が減収になったとしましても、地方交付税で措置されることから、財政運営上、支障は生じないものと考えております。
(中森辰一議員)
ただ、やっぱり税収が増えるというふうなことが示されているわけでありまして、そこら辺はもっときちんとした説明をしないと、一体この財政運営方針が的確なのかどうかというのはなかなか見極めるのが難しいんではないかなというふうに思います。
そういう点では、もう一段、どっかでやっぱりこの修正っていうのも必要になってくるんではないかなというふうに思いますけども、それはどうでしょう。
(財政課長)
仮に市税が減収になったといたしましても、先ほど申し上げましたように、地方交付税で措置されるということから、財政運営方針の見直しの必要はないというふうに考えております。
(中森辰一議員)
その地方交付税なんですけれども、これは全部答弁していただく時間はないと思いますが、来年度予算の一般会計の歳入の欄を見ますと、地方消費税交付金が285億円となっておりまして、今年度よりも60億円余り増えるということになっております。それがこの一般会計の歳入のところに書いてあるわけですね。この地方消費税交付金というのは、基準財政収入額に算入をされることになっておりますけれども、この60億円余り増えるといううち、どれだけがこれ算入されることになりますか。
(財政課長)
60億円につきましてでございますけども、まず基準財政収入額の算定におきましては、地方消費税というのは1%の税率のところがもともとございまして、それから順次引き上げられて、現状の2.2%となっておるところでございます。今回引き上げられた部分につきましては、これ基準財政収入額の算定におきましては100%算入されるという形になっておりますので、基準財政収入額としては60億円増える形になろうかと思います。
(中森辰一議員)
ですから、この60億円分に関しては全額基準財政収入額に吸収されてしまうので、増えたように見えるけれども、実質の歳入はゼロだということになると思います。
今説明されましたけれども、この地方消費税の交付金に関しては、どうも地方消費税が増えるとどんどん増えるみたいな、そういう錯覚を与えてしまうんですけれども、実際はこの285億円、このうちの実際の実質の収入となる部分というのは、この1%分の4分の1、基準財政収入額に勘定されない部分だけしかないということです。ですから、いつまでたっても、この地方消費税の税率が幾ら上がっても、実際は1%分の0.25分と、つまり0.25%分しか地方の収入にはならないということになっているわけです。だから、見た目とは全く違うということになります。
消費税の増税っていうのは、市民生活にも地域経済に対しても非常に打撃となっておりまして、これからまた景気が後退していく原因にもなっているわけですけども、その影響っていうのは当然市税収入にも及んでまいります。ですから、消費税の増税っていうのは、実際には広島市にとって一つもいいことはないということだというふうに思いますので、そういう点ではやっぱり市としても、このあたりの政府の増税方針に対してはきちんと声を上げていく必要があるということを申し上げておきたいと思います。
(財政課長)
確かに今申し上げましたように、基準財政収入額に60億円のこの大半につきましても100%算入されるということでございますけども、その分、そういった関係で普通交付税が同額減額されるという形になりますけども、一方で基準財政需要額に幼保無償化の経費、あるいは社会保障の伸長分など必要な追加的経費が計上されまして、その分、普通交付税としては増額することになりますので、広島市全体の収支といたしましては、その増額分だけ実質的な歳入が増えるという形になろうかと思います。
(中森辰一議員)
一言だけ言いますけども、でも地域の経済と暮らしを痛めつけるわけですから、そこは考えないといけないということです。