議会での質問・答弁

2021年06月24日

2021年第2回 6月定例会 経済観光環境委員会 藤井とし子議員

上安産廃最終処分場について

(仮称)広島西ウインドファームについて

上安産廃最終処分場について

(藤井とし子議員)
 安佐南区にあります上安産廃最終処分場についての質問をさせていただきます。私は昨年12月議会また今年の2月議会に続いてこの問題を質問させて頂いております。そして上安産廃処分場の事業者であるJAB協同組合が昨年5月8日に新たな処分場の容量また面積を拡張するための許可申請を行って、地域住民への十分な説明がされないままま、広島市が12月3日に申請を許可をされたことに対して、地域の住民からはこのままでは土砂災害や河川が汚染される懸念が払拭されないと不安の声が上がっております。
 広島市は申請を許可した以上、住民の要望に真摯に答えていくべきだと考えております。
 そこでいくつかの質疑をしたいと思います。
 まず一つ目は、許可にあたって最初から住民が全く無視されてきたのではないかということであります。今年1月29日に地元の3自治会の会長連名の要望書が市に出されました。昨年1月以来の新型コロナの影響で、外出自粛中ということもあり、今回の許可申請について住民への説明がされないまま、市は12月3日に今は申請許可をされたわけですけれども、住民の方からは、たとえ隣接地域での説明会が困難だとしても、アンケート等の手段も考えられたはずではないか、そして町内会長に簡単な電話連絡のみしかなく、しかも会長が留守だったという証言もあります。
 広島市は、事業者から、町内会には説明したとの電話連絡を受けたということでありますけれども、それで説明は十分終わったと認識されていたのでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 令和2年7月3日に、事業者から地元町内会へ説明したとの報告を受け、本市職員が同年7月13日に地元町内会長に直接電話し、事業者から説明を受けていることを確認しております。

(藤井とし子議員)
 町内会長にはまあ伝えたというところで終わっていたのではないかと思います。実際には地域住民にほとんど知らされてないまま今も事業が進んでおります。そこの受け止め方が私はとても難しいなと思うんですよ。地域の会長さんに事業者が行って説明しても、その会長さんが地域でその通り説明するというのはなかなか難しいわけで、やはり事業者が説明をしていくべきだと思うんです。
 1月に地元で行われた説明会でも、市の方が説明されたんですけれども、その時にも37項目もの要望が出されていて、私も驚いたわけです。今年3月28日に行われた住民への要望に対する回答説明会には、質問については市が責任をもって事業者からの回答をもらうと答弁をされておりました。その後、事業者から地元への説明があったのでしょうか。そこを確認させてください。

(産業廃棄物指導課長)
 地元住民からの要望事項等を本市から事業者へ伝え、事業者からの回答を文書にて4月20日付けで本市から地元町内会長へ回答いたしました。
 地元町内会に対する直接の説明については、事業者から令和3年6月12日に処分場に隣接する二つの町内会長にそれぞれ面会し、緊急事態宣言の解除後に説明会を開催することで現在日程を調整中で、開催案内を作成中であるとの回答がありました。

(藤井とし子議員)
 今検討されているということだと思いますので、事業者の方が地元の方の心配に応えるということ、これは本当にされていくように求めていきたいと思います。
 そしてもう一つ、地元との協定書の問題ですが、本来民民の関係の協定書なので、どこまで市が指導できるかは限界があると思うんですが、事業者が事業をやる上で住民の理解があることはやはりとても重要なことです。地元から、今事業者も変わったことでありますので、新たな協定書を締結したいという意向があると聞いておりますけれども、市は事業者に対してしてどのような指導をされてきたのでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 協定書は、地元住民と事業者が双方の意思で締結するものであり、本市がその内容等に直接関わることはできませんが、このたびの地元住民の意向を事業者に伝えましたところ、地域住民の方のご要望や懸念を理解し、不安を払拭すべく対処することが大事であると認識し、協定書の締結について、誠意を持って対応する考えにあるとの回答がありその旨を地元町内会に説明しております。

(藤井とし子議員)
 協定書は、事業を続けるためにも、地元の人たちが安心して暮らすためにも、一つの手がかりということになりますので、引き続きこれがきちっと実行されるようしていただきたいと思います。
 三つ目の問題ですけれども、河川や地下水を汚染しかねないというこの処分場の問題であります。広島県の三原市の産廃最終処分場は、安佐南区の上安産廃処分場と同じJAB協同組合が三原市本郷町で建設に着手していたものですが、この産業廃棄物の最終処分場を巡り、住民517人が水質汚染の恐れがあるとして、昨年6月に建設や操業の差し止めを求めていた件で、広島地裁は原告を9名とし、今年3月25日に差し止めを命じる仮処分の決定を下しました。判決は地下水への汚染防止などの施設がない、これは当然安定型処分場ですから、本来そんな必要はないものなんですけども、この処分場では、過去に環境汚染が発覚した事例が多数あると私も以前にも指摘をし、地域での紛争もあったということもあります。ですから産廃から5品目以外を除去するのは困難だとして、周辺の井戸水や水源でもある沼田川、加茂川水系の水質を汚染する恐れがあるとしていた住民側の主張を認めたものです。
 現在同じJAB協同組合が広島市で操業している、同様の安定型処分場であるこの処分場、野登呂山ですけども三原の判決同様、地質は風化花崗岩で不透水層とは言えない、透水性が高い岩盤であることは地質学者も指摘しています。当然この地域でも地下水汚染が起こらないとは言えないということだと思います。
 そこで伺いますけれども、広島市は上安産廃処分場周辺の地下水は調査しないのか。また、広島市として今年度の水質や採水計画はどのようになっているのか。また、河川水の水質検査の公表、これは以前検討するとされておりましたが、その検討結果はどうなっているのかお答えください。

(産業廃棄物指導課長)
 本市は市域内の他の安定型最終処分場と同様に、水質が安定している10月頃に当該処分場の浸透水の水質検査を行う計画としておりますが、処分場外の地下水の水質検査を行う予定はありません。
 また、地元住民からの要望に基づき、当該処分場周辺の河川水の水質検査を浸透水と同時期に実施し、河川水のその結果は市のホームページで公表する予定としております。

(藤井とし子議員)
 河川水の水質検査をし、公表も市のホームページでするということであれば、周辺住民としても安心できると思います。
 私は6月13日にもう一度現地に行って、いつも見るところの排水の周辺を見に行きました。これも変わらず白い泡水が今もずっと流れているんです。こういう状況が続くわけですので、やはり水質も管理をして頂き、この泡水をなくす方向でやっていただきたい。本来安定処分場で、こういった水質悪化が起こることがあってはならないことです。
 そこで最後に聞きます。市は地域住民から不安等が生じた場合、令和2年12月25日に、市内の産業廃棄物最終処分場の設置者に対して水質検査と調整池の清掃を実施した場合は、その結果を市と地元町内会に情報提供するよう文書で指導していると回答されておりますが、これまで一度も説明されていないと私は聞いているんですけれども、そのことを把握されているのかどうかお聞きいたします。

(産業廃棄物指導課長)
 事業者に確認したところ、地元への情報提供の方法を現在整理中であるとのことでしたので、早期に水質検査結果と地元町内会に情報提供するよう指導しています。

(藤井とし子議員)
 是非地元にきちんと報告をしていただきたい。私も1回行きまして、「なんで入るんだ」とか突然言われたりして、とても困ったこともあるんですけども、そういう態度ではなくて、「見たけりゃ見に来い」言うんじゃなくて、少なくとも協定を結ぶという町内会長に対してはきちんと約束をされたようにしていただきたいことを要望しておきます。
 上安の野登呂山のふもとで農業している方もあります。そして現在井戸も使用されています。飲み水にはされてないようですけれども、太田川の水源でもある河川や地下水の汚染を多くの人が心配をされているわけです。
 汚染されてからでは遅いと思いますが、引き続き地域住民が安心して暮らせるように、事業者の指導を徹底していてしていただくよう要望してこれは終わります。

(仮称)広島西ウインドファームについて

(藤井とし子議員)
 続いて(仮称)広島西ウインドファームについて質問します。一般質問で桑田議員が質問されたことに続きます。
 私は再生可能エネルギーの普及は喫緊の課題だと思っておりますが、どんな事業でも自然や生態系を壊してしまうようなものであってはならないと思いますし、ましてや災害の原因となったり、住民の暮らしや健康に被害をもたらすようなものであってはならないと思いますので、そういう立場で質問します。
 (仮称)広島西ウインドファーム事業の環境影響評価手続きは、市が6月7日に広島県知事に対して、環境保全の見地から意見を提出したところであり、今後県が、関係する3市町、廿日市市、安芸太田町そして広島市の意見を踏まえて経済産業省に対して意見を述べ、経済産業大臣が事業者に対して勧告を行うという方法書の手続きが終了し、次の環境影響評価準備段階に移っていくという段階にあるわけです。
 今回環境アセスメントの方法書について、佐伯区湯来町で2回、安芸太田町で3回、廿日市市吉和では1回の計6回事業者による住民説明会が行われました。私も一回湯来町に行きましたが、湯来町の説明会約50名ぐらいの参加だったそうですが、活断層の記述が無い、名水百選に選ばれた太田川の支流が74ある、上流域の開発で太田川が汚染された場合三菱総研の試算によれば数兆円規模の被害が生じる、白紙撤回をすべきとの意見も出ました。
 参加した住民は、事業反対の意見が出るたびに会場から拍手が出た、80歳を超えた地元の長老のような方が、力を振り絞って反対の発言をされていた、長年にわたり地域を見守ってきたからこその警告に聞こえたと言われました。ところが事業者は、地域社会との共生を目指すならもっと傾聴すべき内容であるはずなのに、通り一遍の回答を繰り返しただけだったと参加された方が語っておられます。
 また、以前もご紹介した地質学者で県の防災アドバイザーの越智秀二氏は、「山頂を開発すれば山の崩落につながるため、植林事業でも山頂は自然林のまま残すのが鉄則だ。だが今の計画は正反対だ。花崗岩がむき出しになっている場所も多く、岩の割れ目に入った水が凍結と解凍を繰り返して岩盤が不安定になっている。木に覆われているから保護されているのに、これを伐採掘削し、巨大な構造物を立てれば一気に崩壊が進む。地質や災害についての知見を持たないから、事業者は平気で説明できるんだ」と言います。実際レッドゾーンだらけであり、36基もの巨大風車は建設すべきではないと住民説明会で断言をされました。
 環境影響評価方法書についての意見の概要と事業者の見解が公表されました。住民説明会では多くの質疑や懸念の声があがり、公告縦覧後の短期間に意見書が1280通も出され、その428項目に関して意見と事業者の見解がまとめてあるものが、今ホームページでも全て見ることができます。(仮称)広島西ウインドファーム事業 環境影響評価方法書についての 意見の概要と事業者の見解
 本会議で、桑田議員の事業者に対して指導をしたのかという質問に対して、事業者に対して住民等の疑問や意見に丁寧かつ十分な説明を行い誠意を持って対応するよう求めていると答弁をされております。私はこの中からいくつかの気になる意見と事業者の見解についてお聞きします。
 まずはじめに、計画地の山林には西日本有数のブナ林があり、安芸太田町のエリアには秘境百選に入るような自然林があるとされています。本市域のブナ林も含め、こうした自然林の保全に対して事業者見解はどうなっていますか。お答えください。
 また、市長意見でもブナ林については意見を述べておられますが、どのようなことを述べたのでしょうか。

(環境保全課長)
 はじめに、本事業について本市の関わりを説明させて頂きます。本市は本事業の直接の許認可権を有しておらず、環境保全の見地からの意見を県知事に対して述べるという形になっており、それは今後の手続きにおいても同様です。
 その上で現状ですが、本市は(仮称)広島西ウィンドファーム事業の環境影響評価方法書手続きにおいて、県知事から環境保全の見地からの意見を求められ、今月7日に意見を述べたところです。
 この方法書に関して、ブナ林を保全すべきとの一般からの意見に対して、事業者は適切に現地調査を行い、必要に応じ専門家等の助言を踏まえる共に、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ適切な環境保全措置や事業計画の見直しを検討し、環境への影響を回避または極力低減できるよう努めるとの見解を示しています。
 また、本市は植生自然度の高いブナ林に対する影響を可能な限り回避低減するため、現地調査を綿密に行った上で、現在のブナ林の分布状況を把握し、事業に伴う影響について適切に予測及び評価を行うことを求めています。

(藤井とし子議員)
 可能な限り影響を低減できるよう努めるという事業者からの意見でしたが、いったん山林を伐採すれば、元に戻すのは簡単ではありません。わずか20年余りの発電事業のために、自然を壊してしまっていいのか。これを元に戻すのは私は不可能だと思います。自然林などは100年単位のものです。環境のための再生エネルギーだからといって貴重な自然を壊しては本末転倒です。
 まずは森林保全を厳しくという意見書も出されているので、それは評価をしたいと思っております。そして二つ目は、計画地に存在する山を守るための保安林の指定解除は不適当と考えますとの意見があります。
 これに対して事業者はどのような見解を示しているのかお答えください。

(環境保全課長)
 保安林の指定解除は不適当との一般からの意見に対して、事業者は今後の工事計画の策定においては、森林伐採面積を可能な限り小さくするなど影響の回避及び低減に努める。また関係許認可の対応については関係機関と協議し適切に対応するとの見解を示しております。

(藤井とし子議員)
 可能な限りといいますが、実際どのくらい低減できるのか曖昧でわかりません。25kmもの新たな道路を尾根伝いに作るなかで、どれだけの保安林が解除されて伐採されてしまうのか、まだ分かりません。保安林というのは、災害を防ぐために必要だから保安林としているのですから、引き続ききちんと見ていただきたい。
 そして、災害に関する意見がやはり全体的に多かったです。事業者は、環境影響評価は学術的に重要な地形地質だけを対象としており、現段階では影響が小さいとして調査予測評価を行わないとしています。
 また、環境アセスメントでは、地震や土砂災害による影響は、環境影響評価の範疇外、対象ではないということになっています。これでは災害に対して、住民等から多くの意見が示されている中で、住民の不安や疑問に対して十分納得のいく見解とは言えないと思います。
 そこでお聞きします。山地の災害危険区域における土砂災害への影響については、どこでどのような審査が実際行われるのでしょうか。

(環境保全課長)
 今回のような風力発電事業を実施しようとする場合、まずは一連の環境影響評価手続きにおいて、環境への影響を調査予測及び評価することとなっており、この手続き終了後、土砂災害など事業の安全性に関する具体的な審査については、各種許認可手続きにおいて実施されることになります。

(藤井とし子議員)
 災害については環境アセスメントでは実際には評価されないということであります。学術的に重要というのは、例えば秋吉台のような貴重な地域が配慮されるんだそうです。ですから一般的に災害というのは評価されないということです。災害危険区域について調査されるのは環境アセスメントが全て終わった後だということで、別の林地開発許可制度の枠組みでは審理されるということですが、この審理は非公開であるため住民は傍聴もできません。これでは住民の土砂災害の懸念は何も解消されません。この点はこれから明らかにしていかなければいけません。
 そして住民からのもう一つの不安は、20年間の事業期間の終了後、事業者が撤退した後、誰が復旧に責任を持つのかという問題です。これもはっきり説明がありません。災害により風力発電が破損した場合、対応どうなるのか。故障や破損、倒壊等により撤去が必要になった場合、建設時以上の自然破壊が考えられます。撤去の対応や、その後の植林や山の整備まで事業者が責任を持つという誓約をしていただけるのかという意見がありました。
 これに対して事業者は、20年間の事業期間を全うし、許されるのであれば再度風力発電機を建て替えて事業を継続したいと考えているが、万が一風力発電の故障、破壊、倒壊、撤去作業後の復旧等についても事業者の責務であるとは認識しているとは答えています。
 しかし住民からの不安は、不測の事態で事業者が途中で変わった場合はどうなるのかということだと思います。もし事業者と地権者の間の契約が、売買や賃貸ではなく区分地上権の設定などの方法であった場合どうなるのか。事業者は、20年、35年から50年にわたってその土地を自由にでき、地権者は契約解除はできないが、事業者は、採算がとれなくなれば一方的に解除できる。また、事業の転売や譲渡も可能になります。しかも風車撤去費用は地権者や地元自治体に押し付けることができることになる。大規模風力発電事業ではほとんどがこうした地上権の設定契約になっていることが今全国でも大変な問題になっております。 特に、地上権設定契約書の中に、倒産隔離という情報が入っている場合があるそうです。例えば台風で風車が壊れ、修繕費用がかさんで事業の採算が取れなくなった場合、事業者は勝手に撤退できて、風車の撤去費用は地権者や地元に押し付けるということになります。今風車一基あたりが現状復帰費用は約3億円と言われております。30基あれば90億円にものぼり、地上権特約ではこの費用を地権者が負うことになり、それが不可能になるので、市や県が税金で負担しなければならなくなるわけです。
 ですから、このことについて一般意見の中に、契約の形態を聞いたものがありました。意見の中でも、事業用地の取得は買い上げ、賃貸、区分地上権の設定など、どのような方法でするのかと質問がありました。これに対して事業者は、契約形態についての回答は差し控えさせていただきたいとのことです。これでは不安は解消されません。
 この地上権設定契約について、ある弁護士は、事業者のリスクを減らすこと、倒産隔離を目的にしているんだと言います。発電事業は収支を計算して、事業性を見込んで行うものです。想定外のリスクを事業者以外に負わせることで初めて成り立つ側面があると。そのため地権者がそのリスクを負わされるということを弁護士の方は指摘しています。
 つまり外国資本家、大企業はFIT(固定買取制度)によって、20年間高額買取価格を保証された上に、地上権設定契約を挟むことによってリスクは全て住民に転嫁できるわけです。契約する当事者の地権者は、その多くが山間地の限界集落の高齢者で、地上権設定のリスクなど説明も受けてないし、受けてもわからない場合が多い。
 高齢者をだましてでも、ハンコを押させてしまえば、外資が日本の数千数万ヘクタールの山林を何十年も所有して、やりたい放題ということが現実にも起こっているわけです。国土保全や国の安全保障をも損なうような動きが日本中で起こっており、これは専門家が警鐘を乱打しております。
 つまり巨大風力建設には地元住民や自治体の同意が必要です。今これがないから、やりたい放題で今大変な状況になっています。外資や大企業を規制する法整備が遅れているということが、この事態をもたらしていると専門家も言っています。
 環境アセスメント自体は事業者が行うもので、何を評価するかも事業者が判断するわけです。ですからこれは「合わすメント」とはよく言われますが、何の歯止めにもなっていません。こうした抜け穴だらけの法律の盲点をついて、再生エネルギービジネスで儲けたい会社、大企業が火事場泥棒的に好き放題やって、まさに後は野となれ山となれという現実の中で、今このウィンドファーム事業自体をどうするのか、一般的な話として言わせて頂いております。
 そこでお聞きいたします。安芸太田町議会が、町有林の活用に反対する決議をあげられたと報じられております。この広島西ウィンドファーム事業について反対する決議を上げられたとのことです。その内容についてお答えください。

(環境保全課長)
 安芸太田町議会において、本年3月10日、大規模風力発電施設に対する町有地利活用の不同意決議が可決されました。安芸太田町では、風力発電機が町有地に立地するとされていることから、協議会で検討及び調査等を重ねられた結果、本件計画に伴う町有地の譲渡、貸付、交換等の利活用については、いかなる条件下においても一切不同意であるということが決議されたものと承知しております。

(藤井とし子議員)
 関係自治体のひとつである安芸太田町が、町有林を利活用させないという意思表示をされました。広島市は湯来町が実際には関係してくるわけですが、私は風力発電事業で自然災害によるリスクから、住民の命と財産を将来にわたって守るためにも、事業計画に対する自治体や周辺住民の合意を認可の条件にすることが必要だと考えております。
 そのために新たな法整備も必要です。この広島西ウインドファーム事業計画については、県や関係市町と一緒に、事業を中止撤回するよう働きかけるべきだと思います。
 今後、環境影響評価手続きが今度は準備書になっていくと思うんですけれども、市は今後どのように対応していくのかお答えください。

(環境保全課長)
 現在行われている環境影響評価方法書手続きが終了し、事業者において現地調査等が実施された後に、次の段階である環境影響評価準備書手続きが開始されることになります。この準備書手続きにおいても、本市は県知事から意見を求められますので、引き続き住民等からの意見も踏まえ、本事業に係る安全性を確保した上で、事業の特性や地域特性に応じた適切な環境保全措置が検討され、事業の実施に伴う環境影響が可能な限り回避低減されたものとなるよう求めていきたいと考えています。

(藤井とし子議員)
 環境影響評価が終わればもう市は知らないという関係ではないと思っていただきたい。自治体の責任は、市民の命と暮らし、財産を守るということであります。自然環境を守るのも大きな仕事です。そういう立場で市としてこの問題に引き続きあたっていただくことをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

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