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(藤井とし子議員)
日本共産党の藤井敏子です。党市議団を代表して、今議会に上程された議案について討論を行います。
反対の議案は
第67号議案 広島市証明等手数料条例の一部を改正する条例
第84号議案 契約の締結について(広島駅南口交通広場整備)
第85号議案 契約の締結について(駅前大橋線橋りょう等新設工事)
意見を付して賛成する議案は
第64号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第3号)
第76号議案 広島市学校給食の実施及び、学校給食費の管理に関する条例
第83号議案 契約の締結について(サッカースタジアム等整備事業)
その他の議案は賛成です。
まず反対する議案から理由を述べます。
第67号議案 広島市証明等手数料条例の一部改正についてです。この条例はマイナンバーカードの発行主体が広島市から地方公共団体情報システム機構へと移行することに伴い、市の条例から発行手数料の記載を削除するというものです。
これまで、地方公共団体情報システム機構は、地方公共団体の共同組織として委託を受けてマイナンバーにかかわる事務を行ってきました。先の通常国会で可決したデジタル関連法により、9月に成立したデジタル庁が所管する組織として事実上、国の機関となります。
デジタル技術で行政の業務や手続きが効率化され、国民生活の利便性が高まることは大切です。しかし、国がすすめるデジタル化は行政が個人情報を集積し、本人の同意なく企業などに開放して「利活用」しやすい仕組みにするものです。自治体が持つ教育・健康・介護・子育てなどの個人情報が企業の儲けの種として狙われています。
同時に自治体が先行して守ってきた個人情報保護は国の制度への一元化が迫られます。世界の流れである自分の情報を管理する「自己情報コントロール権」の確立に逆行するものです。プライバシーをはじめ国民の権利を大きく侵害する危険があるデジタル関連法を推進するための条例改正には賛成できません。
次に第84号議案、広島駅南口交通広場整備その他工事の契約及び、第85号議案、駅前大橋線橋りょう等新設工事の契約については一括して反対の理由を述べます。極めて危機的な財政状況にありながら、議会にも説明しないまま、事業費を2.3倍という考えられない規模に膨張させ、しかも議会には突然の発表となったにも関わらず、議会からの縮小要求に一切応じないまま、事業を強行していることに改めて抗議するものです。
今回の議案は、それぞれの工事委託契約の相手企業である、JR西日本と広島電鉄が積算した金額を上限額として契約しようとするもので、広島市が実施する公共工事でありながら、工事費を積算する上での主体性が認めらないため、この契約額でいいのかどうかの妥当性に市が責任を負えないものとなっており、いわばJR西日本と広島電鉄による言い値での契約と言わざるを得ません。
財政を理由に市民生活の施策にメスを入れながら、片方では、このような、いくらでも金はあるかのような、野放図な事業を行うことは容認できないので、この二つの議案には反対します。
意見を付して賛成する議案は第64号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第3号)です。
長引くコロナで格差と貧困が広がっています。市は共助できる中小事業者に限定し新たに始める事業を支援するというが、今日の暮らしに困っている事業者や学生や非正規雇用者への支援が見逃されることがあってはならないと思います。市民の生活の実態をきちんと把握して、必要で公平な直接支援を考えるべきだと思います。また、国や県が始めた月次支援金の対象も内容も拡大されましたが、あまりに手続きが複雑で、制度を利用しきれない事業者が出るのではと心配されています。制度の周知や手続きの支援とともに、国に対し、再度の持続化給付金の実施を求めるよう要望しておきます。
つづいて第76号議案 広島市学校給食の実施及び、学校給食費の管理に関する条例についてです。給食費や教材費、修学旅行等の学校徴収金等の徴収・管理については、基本的には学校・教師の本来の業務ではなく「学校以外が担うべき業務」であり、地方公共団体が担っていくべきでものです。学校給食費の公会計化は公立学校における学校給食費の徴収・管理に係る業務は教員の過重な負担を軽減させることが目的でもあります。ただし、特に滞納した世帯への督促、徴収業務が機械的にならないこと、特別な事情の把握や就学援助制度等の利用につなげるなど配慮が必要です。また、学校は今まで以上に、個々の子どもの生活の実態を把握し、必要な支援につなげるよう求めます。
本来、学校給食は教育の一環であり、義務教育課程においては無償であるべきものです。今後、学校給食費の無償化、保護者の教育費の一層の負担軽減も併せて検討されることも求めておきます。
最後に、第83号議案、サッカースタジアム整備等の契約議案については、県の負担がどうなるかが、未だに宙に浮いたままになっています。事業費の相当部分がどう手当てされるのか決まらないまま事業がスタートすることは、本来あってはならないことです。
市民の強い要望である新たなサッカー場の建設そのものに反対するものはありませんが、早急に県と事業費について詰めること、その結果を市民と議会に丁寧に説明すること、今後、このような事態を決して引き起こさないことを求めておきます。
また、建設予定地の中央公園広場で見つかった旧陸軍の輸送部隊「中國軍管区輜重兵補充隊」施設の被爆遺構については、今後、保存・公開に向けた検討を求める市民意見も踏まえて、来月3月の期限にこだわることなく検討されるよう求めておきます。
以上で討論を終わります。