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(藤井とし子議員)
日本共産党の藤井敏子ですよろしくお願いいたします。私は学校給食について、一つは学校給食の見直しについて、そして二つめは有機の給食オーガニック給食について、この二つを質問させていただきますまず。
一つ目ですけども、学校給食の見直しについて。中学校給食については30年以上前から、多くの保護者の方から、みんなで一緒に食べられる温かい自校調理の給食をという要望がたくさんあったにも関わらず、やっと実現したのは、家庭からの弁当とデリバリーの選択制となりました。その後20年以上になりますが、デリバリー弁当の申し込み率が約3割台にまで落ち込み、残食率も自校調理校よりも高いのです。また、デリバリー弁当のおかずが冷たくておいしくないことなども認められています。
平成31年に、小学校も含めた給食の提供方式を見直すと議会で答弁されております。それから2年になりますが、私たちは一貫して、中学校給食を教育の一環としてふさわしい自校調理を基本とするよう求めてきました。中学校の給食がどう見直されるのか、大変注目されています。
そこで初めにお伺いします。教育委員会の中で中学校給食のあり方について見直し検討されておりますが、今何をどう検討されているのか、またいつまでにこの方針を決めようとされているのかお答えください。
(健康教育課長)
給食提供体制を見直すにあたりましては、デリバリー給食では十分に対応できておりませんでしたおいしい給食の提供や、食育の充実、より安全でより効率的、かつ持続可能な提供体制の構築、それから、老朽化した自校調理の給食センターへの対応といった様々な課題をトータルで解決することを目指しまして、現在自校調理方式と給食センター方式について、経費面、衛生管理面、アレルギー対応面、食育面などの観点から、比較検証するなど検討を進めているところでございます。
また、この度行おうとしております給食の提供体制の見直しは、デリバリー給食の調理業者のほか、食材を調達供給しております業者などにも影響する可能性がございますので、これら関係業者と丁寧に調整を進めているところでございます。
そうした中で、これらの関係事業者は、新型コロナウイルス感染症に起因する学校の臨時休業に伴う給食提供の中止等により大きな影響を受けましたことから、協議調整などが予定より少し遅れている状況でございますけれども、できるだけ速やかに方針をお示しできるよう検討を進めているところでございます。
(藤井とし子議員)
できるだけ速やかに方針を決定したいということでありますが、その以前の委員会でも私は度々この給食の問題取り上げてきました。全国の学校給食の歴史も紹介してきましたが、一時期、一気に効率化と集約化の行革の流れの中で、全国でも大規模給食センター化が進みました。しかし、今また自校調理型の学校給食に戻す自治体が増えてきていることも紹介してきました。自校調理給食は、大規模センター給食にない良さがあると再評価されているからです。
改めて違いについて見ていきたいと思います。まず一番の違いは、やはり調理施設が学校の敷地内にあるかどうかです。子どもたちが毎日、給食室からおいしいにおいを感じ、自分たちのために一生懸命作ってくれる調理員の皆さんの姿を見ること。そして日常的に児童生徒と交流できる。こういう貴重な教育の場になっています。大規模センターでは、こうした日常的な機会が奪われてしまうことになります。そしてもう一つは、センター給食は配送時間がかかります。調理時間が自校調理よりも短くなるので、どうしても加工食品や冷凍食品が増えることになります。短時間に調理するため、調理に手間がかけられない。自校調理はそのぶん調理に手間がかけられます。また、配送費用もかかりません。学校の行事や子どもの実情に合わせて、きめ細かい対応ができるのが自校給食です。
市は大規模センター給食、最新の設備の五日市給食センターもそうですが、こういったところを安全と言ってます。もちろん安全だと思います。しかし、本当においしい給食の一番の条件は、出来立てを食べることではないでしょうか。調理後、時間を置かずに食べられることは、食中毒防止の面でも一番安全であり、原則的な考えではないでしょうか。この点についてお聞きいたします。
(健康教育課長)
おいしい給食の条件の一つと致しましては、温かいことは重要な要素であると考えておりまして、その為、協力できるだけ速やかの提供に努めているところでございます。食中毒の防止のためにも、調理後できるだけ速やかに、温かいものは温かい状態で、冷たいものは冷たい状態で提供することが求められていると認識しております。
また、提供までの時間だけではなく、調理過程におきましては、食中毒菌を極力排除することが重要であると考えておりまして、HACCPに沿った衛生管理を徹底することも必要であると考えております。
(藤井とし子議員)
大規模センターでも自校調理でも、安全な給食が当然で、最善の努力をされることが前提なんですけども、作ったものをできるだけ早く食べてもらう、これがおいしさと安全の条件だということを私は言いたかったのです。
もう一つお聞きしたいのは、食品ロスをなくそうという運動が今大きく広がっておりますが、自校調理、デリバリー給食、センター給食の残食率なども調査をされてると思うんですけれども、直近のその比較はどうなっているのかお聞きいたします。
(健康教育課長)
平成31年度におきます残食率につきましては、小学校では自校調理校が1.4%。給食センター受配校が2.6%。中学校では自校調理校が1.2%。給食センター受配校が5.8%。それからデリバリー給食受配校が22.8%となっております。
(藤井とし子議員)
デリバリー給食が残食率が高いということは、私たちも以前から訴えて参りました。22.8%。自校とセンターはそんなに変わらないかと思ったんですけども、今のお答えでは中学校の残食率が、センターは自校の約4倍高いということでした。いろんな理由があるかと思いますけれども、センター給食は実際に残食率でも大きな違いがあるということです。大規模センターでは事故が起これば影響は大変広範囲に広がります。そして、調理場が地域にあれば、災害時に避難所を開設した時などに有効だということも、全国的にも言われております。
中学校の給食について、大規模センター方式と自校調理方式のそれぞれの比較検討を出して、早く議論を進めるべきだと思いますが、これについてはどうされますか。
(健康教育課長)
現在自校調理方式と、給食センター方式につきまして様々な観点から検証を行っているところでございます。方向性が決まり次第、議会でもご説明を行いまして、ご意見などお聞きする必要があると考えております。
(藤井とし子議員)
ぜひ、市民・保護者に具体的な判断材料を出して頂きたいということを申し上げます。私たち共産党議員団も、小学校の自校調理を廃止してセンター化するのはやめてほしいという思いで教育委員会に要望書を出しました。
それに対する答えから、本市の自校調理方式は、長年にわたって児童生徒に安全でおいしい給食を提供しているとともに、約半分では、地場産物を取り入れた独自献立を実施するなど、給食を活用した食育にも取り組んでいるものと認識しています。そしてもう一方では、調理場の老朽化で改修・建て替えが必要になりますが、これを合わせて検討していくということも言われております。
ですから、自校調理給食については、十分評価もされているということを私は指摘したいと思います。
改めて聞きますけれども、教育としての学校給食を目指せば、大規模センター給食より自校調理給食が明らかに有利だと思いますが、どのように認識されているのでしょうか。
(健康教育課長)
学校における食の指導、食育等を通じまして、教職員の連携・協働により教育活動全体を通じて、組織的に計画的に食育等を推進しているところでございます。
学校給食を活用した食育については、児童数の多い自校調理校のほか、一部の給食センター受配校に栄養教諭を配置するとともに、未配置校においては、中学校区を基盤とするグループごとに、配置校の栄養教諭がサポートする体制を整備するといったことによりまして、栄養教諭が中心となって、食育の資料や各教科における食に関する指導計画など活用いたしまして、各校において食育を推進する取り組みを進めているところでございます。
現時点で、自校調理校それからセンター給食受配校それぞれにおきまして、そういった食育の取り組みを並行して進めているところでございます。
今後比較検討する中で、どちらが優れているかということを判断してまいりたいと考えております。
(藤井とし子議員)
今から比較をされると言うんですけども、私が言ってきたように、自校調理が食育の点で明らかに優位性があるということははっきりしていると思います。給食施設が老朽化しているのであれば、計画的に立て替えていただければと思います。コストがかかるからという理由で、今まで積み上げてきた自校調理給食そのものをなくすということは、絶対にやっていただきたくないと思います。
自校調理をなくし、大規模センターに集約しようというのはあまりに乱暴な議論です。ですから、ぜひよりよい中学校の給食をどうすれば早急に実現できるのか、市民参加で議論できるような場も設けていただけるよう求めておきます。
次に、有機給食についてです。これは食材を農薬と化学肥料を使わない農業で作った野菜を給食に生かしていくという、これが有機給食と言います。今、発がん性物質が認められた除草農薬グリホサート、世界中で禁止されているのに、日本だけが残留農薬基準を大幅に緩和して、輸入小麦がどんどん日本に入って、それを私たちは食べさせられているわけですが、そうした中で、私はグリホサート始め残留農薬基準の問題を議会で取り上げてきました。
けれども、学校給食で使われているパンも、国の基準値内だから問題ないと答弁されてきました。これではとても子どもたちの健康を教育委員会に任せられないと、不安な思いであります。
そこで給食を考えるときに重要になってくるのが、設備の安全はもちろんですけれども、農薬や化学肥料、遺伝子組み換え農産物をできるだけ使わない食材をどれだけ使われるかということです。
食材の安全性が問われるわけですけれども、市は、給食の安全とはどういう認識をされているのでしょうか。
(健康教育課長)
学校給食を実施するにあたりましては、安全な給食を提供するということが基本であると考えております。このため、厚生労働省が定めました農薬の残留基準や、食品添加物の使用基準に適合した食材を本市においても使用しておりますし、必要に応じて本市が定めた、遺伝子組み換え原料使用していないとか、不必要な食品添加物を使用していないといった、基準を満たした食材のみを使用することなどによりまして、安全安心な給食の提供に努めておるところでございます。
(藤井とし子議員)
遺伝子組み換え食品を入れないとか、添加物をできるだけ少なくするとか、そういう努力はされているということは私も承知しています。給食のパンについては、グリホサートの残留農薬の問題を取り上げてきましたけれども、国の基準内だから大丈夫だというのは通らないと思います。
千葉県いすみ市では、市民と協力して、4年かけてお米を100%有機米に変えたそうです。その後、少しずつほかの野菜にも広げています。また、東京都世田谷区でも、センター給食から自校調理に転換し、子どもたちに最善の給食をと学校給食の有機化に取り組んでいます。また、愛媛県今治市では、30年も前にセンター方式から自校調理給食に変更し、地産地消の学校給食を始めました。
自分たちが作った安全でおいしい食べ物を子どもや孫に食べさせたいから、学校給食に地元産野菜や有機農産物を導入してほしいという市民からの要望を受けて、市が有機農業に力を入れてきて、このやり方が今全国でも有機農業を柱としたまちづくりとして大変注目を集めています。
今治市では、米の有機化を実現し、輸入小麦のパンではなく、自分たちで小麦も作って給食用にしたそうです。地産地消も有機農業も食育も、学校給食を仲立ちとして広まっています。
そこでお聞きします。広島市も地産地消を進めていると思いますが、23市町の連携もされています。地場産野菜の学校給食への活用はどの程度進んでいるのか伺いいたします。
(健康教育課長)
本市の学校給食における地産地消の取り組みにつきましては、平成28年度の連携中枢都市圏の形成を踏まえまして、国の食育推進基本計画に基づく県内産の産物に加えまして、広島広域都市圏産の農産物も対象として取り組みを進めておりまして、その積極的な活用を図っているところでございます。
現在本市におきましては、本年度を目標年度として、学校給食における地場農産物の使用割合を国食育推進基本計画における目標値30%を上回ります40%以上を目標値として取り組みを進めているところでございまして、平成31年度の実績は37.1%でございました。
(藤井とし子議員)
もう一つ、広島市では「ひろしま育ち」というものがあるんですけども、これはどれぐらい活用されているんでしょうか。
(健康教育課長)
給食におきましては、市内で生産された農産物でございます「ひろしま育ち」の使用を経済観光局と連携しながら進めておるところでございまして、平成31年度におきましては、給食で使用した広島菜、春菊、水菜、もやしは全てが、小松菜は99.9%が、それから、ほうれん草につきましては79%がひろしま育ちでございました。
今後とも、ひろしま育ちを給食で使用するために必要な量から供給時期に係る経済観光局からの情報提供を得まして、積極的に使用したいと考えているところでございます。
(藤井とし子議員)
まだまだ割合としては少ないと思います。それ以外は県外とか輸入の食材もあるのかなとい思うんですけども、地域の農業と学校給食を結びつけていくというのは非常に重要な取り組みです。しかし、地場産野菜も広島育ちも、有機の野菜ではありません。有機の野菜というのは、有機農業自体がまだまだこれからということで、すぐに活用するのは難しいとは私もそう思います。
ただ、成長期の子どもたちの健康を考えて、海外ではもう、イタリア、フランス、アメリカ、韓国など今有機の給食がどんどん広がっているんです。それは有機農業そのものが広がっているからなんです。持続可能な農業というのが、有機農業なんです。農薬や化学肥料を使わない、これが持続可能な農業であり、有機野菜を使った有機給食がもっともっと広がっていくはずです。日本でも先ほど紹介しましたように、今治市のように、地道に、子どもたちのためにと自治体をあげて有機農業を進めて、学校給食に使っているということをぜひ知っていただきたいと思います。
日本も遅ればせながら有機農業に力を入れ始めています。有機農業推進法は2006年に成立しています。2007年に施行されましたけれども、実際にはまだ広がっていないのです。しかし今、学校給食に有機農産物の活用を進める国の予算が、来年度で昨年度の1.5倍となりました。国民の働きかけで大きく広げてきたのかなと思います。
そして政府も、ついに有機農業を2050年までに25%増やしていきたいと、こういうことも脱炭素化の中で打ち出しています。ですから、今から有機農業がどんどん広がるということは明らかです。
今治市で、30年にわたって有機農業と食育のまちづくりを進めてきた職員の安井孝さんという方が言われていることを紹介します。「有機農業は、近代農業が抱える矛盾や課題だけではなく、福祉や教育をはじめ、地域の多くの課題を解決する力を秘めている。その技術は、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らずに、安全で良質な農産物を作り出すのだから、近代農業よりもレベルが高い。こうした高い技術や考え方を応用していけば、持続可能な農業と、楽しい地域づくりが可能になる」このように言われております。学校給食を中心に持続可能な農業を発展させていく考え方には大いに学ぶべきではないでしょうか。
最後に改めてもう一度聞きますけれども、将来的にも、地産地消、有機の推進、安全な食材の確保を見通した時に、自校調理給食は食教育の豊かな可能性を秘めていると思いますがいかがでしょうか。
(健康教育課長)
本市の学校給食におきましては、自校調理方式、それから給食センター方式のいずれにおきましても、統一献立により実施をいたしておりまして、食材につきましては、良質で安価なものを安定的かつ効率的に調達する必要がございますことから、調理方式を問わず、原則として広島市学校給食会が一括して購入しておるところでございます。
こうした中で、地産地消の推進や、安全な食材の確保等にも取り組んでいるところでございまして、調理方式の違いによる差はないと考えております。
(藤井とし子議員)
大量の食材を一斉に集めるのは大変ではあります。学校ごとの調理場を使って、学校ごとに献立を立てたり、食材もそこで購入するというやり方は、本来の自校調理方式の理想の形であると思います。しかしもし広島市がすぐにやると言っても、栄養士や施設等含めて色々ありますけれども、やはりどこを大事にするのかということを、教育委員会・広島市挙げてしっかり考えて頂きたいんです。
調理室の老朽化が進んでいます。これを大きなものにまとめて一つにと、安易にそういう方向に流れることではなくて、今あるものを必要なら建て替える、改修するということをしっかりやっていくことが、子どもたちにとっての最善の教育教育につながるということを申し上げたいと思います。ぜひ将来を見据え、未来を担う子どもたちにとって最良の給の検討を進めていただくことを再度求めまして、私の質問を終わります。