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(中森辰一議員)
第106号議案に対する付帯決議案について、討論を行う。
質疑でも指摘したように、本議案の最大の焦点は、広島高速道路公社と大林組他2社による建設工事共同企業体が交わした工事契約に関わる談合疑惑です。
いったん締結した、高速5号線シールドトンネル工事の「本体工事一式」の施工を約200億円で請け負うとの契約額を、あとから約87億円も増額することについて、200億円で契約する際に、公社とJV側との間で、その契約額に含まれていないとされる、およそ100億円分の工事費を、契約後に、増額するとの合意があったのではないかとの疑惑です。
この疑惑を放置すれば、いったん契約しても、後から大幅な増額ができるので、世論から疑義を提起されるような大規模な工事は、低めの額で契約しておく、というようなことを繰り返すことになりかねません。
故に、第106号議案を提出した市、県、及び広島高速道路公社は、この疑惑を晴らす必要がありましたが、市当局の答弁は、第三者委員会の判断を錦の御旗にして、肝心の契約前の公社とJV側とでどのようなやり取りがあったかについては、あくまでも隠し通しました。
また、本市議会の答弁で、市は、「本体工事一式」を200億円で請け負うとの契約が正式で有効な契約であることを認めながら、JV側には200億円でシールドトンネル工事を遂行する義務があることを否定できないにもかかわらず、JV側が要求する工事費の増額を行うことに固執する、矛盾した態度をとり続けました。この点は多くの議員の共通の認識ではないかと考えます。
故に、このままで、第106号議案を可決するべきものではなかったと考えます。
しかし、この事業の必要性を強調することによって、疑惑についての十分な検証が行われないまま、本日、議会で可決され、結局、事業推進が優先されることになりました。
その点で、本決議案に述べられていることは、議会での審議及び議決の実態と矛盾するものであり、とりわけ、必要な検証を尽くさずに、事業推進を優先する立場からのものであると考えます。
以上の理由で、本決議案には反対します。
以上、討論とします。
※第106号議案に対する付帯決議案は賛成少数で否決されました。
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