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広島高速5号線二葉山トンネル工事費増額問題について、第三者委員会による調査報告と公社の会見を受け、日本共産党広島市会議員団は見解を発表しました。(特集ページはこちら)
2019年3月19日
日本共産党広島市会議員団
去る3月16日に、第三者委員会が工事契約の増額問題についての調査報告書を発表しました。また、公社は18日に記者会見をして陳謝したが、JVとの工事費増額協議に応じる構えです。
公社と大林組を筆頭とする3社のJV(共同企業体)が約200億円で契約したにもかかわらず、トンネルの掘削を始めた後、工事費増額問題があることを公社が公表しました。その事態を受けて、公社が設置した第三者委員会が調査報告書をまとめたものです。
報告書では、JVが出した3回の見積もりのうち2回は300億円かかるとしていましたが、公社との交渉の中で3回目は200億円となり、200億円で契約が行われたとなっています。しかし、JVの方では、後日300億円に増額されるものと考えていたが、そこに公社とJVとの認識のずれがあったとされています。また、公社とJVとの間で事実上の価格交渉が行われていたということが明らかにされています。
私たちは、この報告書を読んで、JV側と公社との間で、いったんは200億円で契約しておいて、掘削工事を始めてから増額の変更契約を行うとの密約があったのではないかという疑念を持ちます。
シーリング工法によるトンネル掘削工事費が200億円で実施されることを前提に、この高速道路建設事業の費用対効果の比率(費用便益比率)は1.01(昨年の答弁)であるとしていました。ぎりぎりで便益の方がわずかに費用を上回っていましたが、300億円となると1以下に落ち込んでしまって高速道路を建設する必要性がないことが明らかです。
工事費を少なく見せて工事を始め、後に引けない既成事実をつくってから、増額を発表するなど、議会と市民をだます手法は許されません。そもそも、広島駅から広島空港までの車での到達時間をわずか3分(当初は7分)短縮するために1200億円近くもつぎ込むこと自体、必要のない大規模事業であることを示していました。二葉山トンネルは、地下水位の低下で土石流災害を引き起こす可能性や、急カーブのある対面通行のトンネルであるということによる交通事故の危険性なども指摘してきましたが、必要性のない、採算性のない、危険な道路建設は中止するべきであることを、改めて強調します。
なお、第三者委員会は、再発防止策を提言していますが、市民が期待する第三者委員会の役割は、いったん200億円で契約しておいて、工事が始まってから増額を行うという密約があったのではないかという疑惑について調査し明らかにすることです。
また、専門家が、官製談合の疑いがあると指摘しています。この問題は、増額協議に応じる前に、談合の疑いについて公社が、それこそ第三者委員会を設置して調査し事実を明らかにする責任があります。
日本共産党は、改めてこの事業は中止するべきであると考えますし、今後、官製談合について議会で追及してまいります。