議会での質問・答弁

2016年10月18日

2015年度決算特別委員会 経済観光環境関係 中原ひろみ議員

(中原ひろみ議員)
 それでは,80分出しておりますが,端的に進めていきたいというふうに思います。少し質問をはしょったりしますので,よく聞いていただいて御答弁いただきたいと思います。
 最初に,ごみ処理ということで四つの項目を立てました。恵下処分場の整備というところから入らせていただきます。昨年度の平成27年度の主要な施策の成果では,本体工事は9450万円,それから取りつけ道路に7億7000万円,それから環境調査というものに6032万円ということが出ておりますが,昨年度11月30日に行われた事後調査報告書というものがあります。これを見ておりますと,平成27年8月25日に行われた濁水調査というもので,SS濃度という環境基準値の一つでありますが,これが基準値より高い数値が出たということであります。例えば御紹介しますと,国の基準はリッター25ミリグラム,これぐらいだったらいいだろうということのようですが,140とか120とか240というのが出ております。まさに10倍近い基準値超えであります。こういう工事は問題があるんじゃなかったのかというふうに思えてならないわけでありますが,まずSS濃度が高いとどういう環境に影響があるのか。影響があるから調査するんでしょうが,SS濃度とは何か,調査の目的,これに対してどのような対策をされてきたのかお聞きいたします。

(恵下埋立地建設事務所長)
 SS濃度でございますが,これは1リットルの水の中に浮遊している2ミリ以下の微細な不溶解性物質の量をあらわしたものでございます。その数値が高ければ水が濁っていることを意味しておりまして,透明度の悪化やその粒子の吸引で魚や水生生物に影響を与える可能性があります。環境影響評価の事後調査でございますけれども,環境影響評価書作成時における予測の不確実性が大きい調査項目について,環境保全措置の効果を確認するために実施するものでございます。これは河川水のSS濃度についてもその調査項目の一つになりますけれども,この調査に当たっては日常的な降雨時に河川水を採取して測定する計画になっております。事後調査においてこのSS濃度が高かったのは,調査を行った日が想定していた降雨を大幅に超える強い降雨であった,1日143.5ミリであったことが原因であり,取りつけ道路工事以外の影響が強く出ている可能性がございました。このため改めて日常的な降雨時に調査を行った結果,環境基準値以下のSS濃度が測定されております。
 なお,当時実施していた取りつけ道路の工事においては,のり面の緑化や濁水処理設備等に加え路面舗装を行い,濁水の影響を低減するための環境保全対策を講じております。

(中原ひろみ議員)
 工事以外の要因だったというふうにおっしゃいますけれども,そうであればちゃんとホームページに,これは私がホームページからとったものでありますが,それを見ておりまして今のことを発見しましたが,再度,降雨時に濁水調査を実施しますいうて終わっとるんですよ。その後どうだったかいう記録は全くありません。この辺は情報が途中でぶち切れているわけですから,心配だけを抱えるような情報公開になってますから,しっかり正しいものに差しかえていただきたいと思いますが,どうされますか。

(恵下埋立地建設事務所長)
 法的なところの事後調査につきましては,その今載しているものが正しいということでございます。何か予測が大きく超えているということがございましたら,本来であれば改善措置ですね,これが出ることになります。ということで,今回状態がこうであったということが出ておるんですけれども,別個に恵下の埋立地のホームページを立ち上げておりますので,そちらのほうで結果のほうも入れたいと思います。それから,その日,当時ですね,11月に調査したときに,実は恵下谷川のほうもやっております。その辺も含めながら入れていきたいと思っております。

(中原ひろみ議員)
 正しい情報を早期に発信するようにしてください。
 それと,恵下埋立場の整備については環境影響評価審査会というのが開かれることになっております。この審査会の位置づけと目的は何でしょうか。

(恵下埋立地建設事務所長)
 環境影響評価審査会でございますけれども,これは市長の諮問に応じ,事業の実施に伴う環境への影響予測,これを評価する環境影響評価,それから事後調査,その他必要な事項について調査,審議し,市長意見の取りまとめの参考となる意見を提示するため市長の附属機関──市長が意見形成に際して意見を聞くための機関として設置されているものでございます。

(中原ひろみ議員)
 市長の附属機関という重い存在でありますが,その審査会の議事録を,これもホームページで入手いたしました。それを読んでおりまして,ああ,なるほど,そういう地域なんだなと思って,私も改めて再認識いたしました。
 委員の皆さんがおっしゃるには,この湯来町いうところは気象庁が出す大雨注意報の多発ベルト地帯に入ってると。浜田,加計,湯来はそういう大雨多発ベルト地帯で,過去には何回も土石流が発生したと。こういう災害がいつどう起こっても不思議でない地域にこの処分場をつくるということですから,これはもう豪雨災害はもちろんのこと,巨大地震に対しても強固な施設整備が必要だということで御意見が並んでおります。
 とりわけ雨水を抜くことに,この専門家の先生たちは随分意識が高くて,ある先生は普通,空港をつくるときには雨水を表面でさっといかに処理するか,地中にしみ込ませない,表面でいかに処理するかっていうのに非常に努力するんだけれども,この恵下処分場は降った雨を表面で処理せずに,とにかく地下へ地下へ浸透させて,一番下でぐっと受けとめて,それをまたポンプで上げていうような,そういう工事になってるけれども,本当にそんなことができるのかっていうふうに疑問を呈していらっしゃるわけですよね。私はこれを見て,改めて専門家の先生がそう言う,できるんだろうかっておっしゃることを広島市はやるわけですけれども,そういう中ですから,地元の一般の市民の人が不安だなって思うのは,これは当然のことだというふうに改めて認識いたしました。
 それで,この評価審査会の意見を市はどう受けとめて,具体的にどんなふうに生かしてらっしゃるのかお聞かせいただきたい。

(恵下埋立地建設事務所長)
 まず,今ありました水をためて受けとめるというところがございましたけれども,これについては埋立地に降った雨っていうのは廃棄物を埋めている箇所ですね,それについてはしみ込ませます。下に浸出水集配水管というのを設けて,速やかにそれで浸出水調整池に流すということで,要は防波堤で受けとめるようなものではございません。ため込むのではなくて速やかに流す,埋立地の中で流す。外へ流すという,浸出水調整池に流すというものでございます。
 それから,先ほどもありましたけれども,事業予定地が大雨の多発地帯であり,過去に豪雨で土石流災害が発生しているということで,防災面について十分検討する必要があるということの意見が出されております。これに対して恵下埋立地の整備に伴う土砂災害防止対策については,基本計画では急傾斜の北側3渓流に砂防堰堤を整備することにしておりましたけれども,審査会での意見等も踏まえまして,埋立地に面する13全ての渓流に砂防堰堤または土砂の流出を抑制する谷どめ工などを,また渓流以外の急傾斜面についても高エネルギー吸収防護柵等を整備するように見直しをしております。さらに平成26年8月に発生した大規模土砂災害を踏まえまして,埋立地南側の比較的緩やかな斜面についても土砂災害の危険性を再調査しておりまして,その結果に基づき必要な対策を講ずることとしております。

(中原ひろみ議員)
 さまざま,審査会の意見を受けとめて対策されてるようでありますけれども,この質疑を見ておりまして,審査会の委員さんがこういうふうにおっしゃいました。万が一,何か不都合が生じたときに責任を問われないように,万全の対策をしているというふうに市は自信を持って言えるようにしておきなさいというのが一つです。
 それから,水質も土壌汚染もこの事業によって地域の住民に心配ありませんよと太鼓判を押せるように市が責任を持って言えるような施設にしなさいよという二つの意見があって,私も同感であります。市の皆さんもそうだというふうに思うわけでありますけれども,ずっと読み進んでいきますと,こういうところが出てまいります。
 地震に対する措置を求められた審査会の意見に対して,市の担当課は震度6,震度7の地震で壊滅的に壊れるものじゃない,ひび割れなどは起こるかもしれないけれども,すぐに修復できる程度になっている,どこまで投資して安全対策をどこまでするかというのは難しいと,こんなふうにおっしゃってる。これはそんな地震に対して何の対策もしてませんということではありません。そりゃ,されるんだろうけど,していらっしゃるんだろうけども,こういう表現は,先ほど万が一,絶対に,この審査会の意見とは少し温度差があるというふうに言わねばなりません。私はこのような構えを地域の人が聞くと,安全性も最優先じゃないんか,何かあったときには,やっぱり何かあるいうこともあるんかなというふうに思うし,やっぱりどこまで投資して安全対策をするかということに対して,そりゃ豪華な施設をつくれって言うんじゃありません。豪華な施設をつくれと言うんじゃありませんが,安全性のためにはお金は惜しみませんというスタンスこそ私は地元住民が一番安心する市の姿勢だと思いますけれど,いかがですか。

(埋立地整備担当部長)
 その審査会での委員の皆さんの御意見につきましては,市の本来の設計基準で考えたときに通常の震度の測定のレベルでの答弁をさせていただいたものです。その後,今回,今設計している内容につきましては地元の皆さんのそういう不安の声もございまして,現在は広島市の地震被害想定震度6弱ですか,それを上回るような施設という形で末端堰堤をつくっておりまして,そういう形で地震に対しても十分備えのあるものということで整備を進めているものでございます。

(中原ひろみ議員)
 だから繰り返しますが,万が一ということがあってはいけませんが,それに備えた安全対策は,そういう点ではお金に糸目をつけずに施工するんだということで理解してよろしいですね。
 そういうことで,次に,戸山地区の安心・安全についてに移りますけれども,戸山地区では突然,浸出水の放流管がやってくるというので,ええっというふうに地元の人が声を上げられて,説明会を何回もされたようでありますが,この戸山地区で浸出水排水ルートが確定した後に行われた説明会は何回あって,参加者はどれぐらいで,どんな意見があったのかというのを教えてください。

(恵下埋立地建設事務所長)
 浸出水排水ルート決定後,現行のルートが決定後の説明会でよろしいですか。(「全部言ってくれ」と呼ぶ者あり)最初のルートのところからちょっと行かせてもらいます。
 戸山地区で初めて住民説明会を開催いたしましたのは,環境影響評価に着手いたしました平成20年11月であります。この説明会では,事業計画の内容や環境影響評価の実施計画について説明をいたしました。当時,浸出水放流管については戸山地区を通すことは決まっておりましたけれども,具体的な敷設ルートが決まっていなかったことから,住民の皆様に対しましては放流管の具体的なルートは決まってはいないが,戸山地区の道路内に敷設し,公共下水道に接続する計画であるとの旨,説明をいたしております。
 浸出水放流管の敷設ルートが最終的に決定いたしましたのは平成22年度でありまして,戸山地区の皆様には平成22年7月に開催した住民説明会で阿戸地区内の県道広島湯来線から久地伏谷線の道路内に放流管を敷設し,安佐町久地幸の神の公共下水道に接続する現行のルートに決定したことを説明しております。
 次に,戸山地区での住民説明会の回数,それから参加者数についてでございますけれども,説明会は敷設ルートが決定するまでに3回開催しておりまして,延べ約220名が参加されております。ルートが決定した平成22年7月以降は計10回開催し,延べ約760名の方が参加されております。また,住民説明会以外にも町内会連合会の役員の皆様と協議しておりますが,これについては平成22年7月以降で27回協議を行っております。

(中原ひろみ議員)
 もう一つ聞いとったんですがね。説明会で出た意見の主なものを,済みません。

(恵下埋立地建設事務所長)
 説明会での住民からの御意見についてでございますけれども,工事関係車両等の通行に伴う環境への影響や安全性への不安,それから環境調査や地元対策事業の実施要望,放流管からの浸出水の漏水による地下水への影響の懸念,それから浸出水放流ルートの変更を求めるものなどがございました。

(中原ひろみ議員)
 そうですね,そういうさまざまな意見があったわけでありますけれども,やっぱり13キロの長い放流管ルートがうねうねと山坂あるという,そういうところに地下水の放流管を埋めるような工事は全国的にもないというふうに私は受けとめておりますけれども,地元の皆さんも勾配がきついのでポンプで圧縮しても底にたまる,底いうのは,ポンプの山坂ありますから,この坂の一番下のところへ浸出水がたまってしまうんではないかというようなさまざまな不安を持たれているようであります。道路の下に埋めてしまいますので,漏れを発見することは難しいんじゃないかと。何かセンサーみたいなのをつけるんじゃろうかと。どこに設置するんだろうかというようなことをいろいろお聞きになった方もあったと私は聞いておりますけれども,まさにこの今の工事車両,安全性,漏水による地下水への影響,ルート変更,さまざまありますが,これらの意見に対して市は何をどう改善されようとしているのか,されてきたのかお伺いいたします。

(恵下埋立地建設事務所長)
 恵下埋立地を整備,運営していく上で地元の皆様の不安を払拭することは重要なことであるというふうに考えております。こうした考えのもと,浸出水の放流計画を含め,恵下埋立地の整備に当たっては廃棄物工学,地質工学,土木工学等の学識経験者の御意見だけでなく,住民説明会での住民の皆様からの御意見や御要望を踏まえ,最新技術の導入を図るとともに国の基準を上回る安全対策を講ずるなど,周辺環境の保全と安全確保に万全を期して進めております。
 特に不安の声が大きい浸出水の安全な放流を継続するための対策といたしましては,点検,維持管理が適宜行えるよう圧送管の2系統の整備,停電時でも圧送ポンプが稼働できる自家発電設備の設置,放流管とマンホールの接続部分の漏水対策の強化等を当初実施することにしておりましたけれども,住民の皆様の御意見を受けまして,さらなる安全対策として,万一自然災害や事故等により放流管から浸出水が漏出したとしても,周辺環境に悪影響を与えないよう埋立地内の処理施設で浸出水を河川や海などの公共水域に流せるレベルまで浄化した上で,放流管を通じて公共下水道に送水するという対策を講じることといたしました。こうしたさまざまな対策により,生活環境に支障を来すようなことにはならないというふうに考えております。

(中原ひろみ議員)
 地元の声を受けとめていただいて,当初の計画からさまざまな見直しをされて,より安全性の高いものになっていきつつあるんだと思うんですけれども,改めてお願いしたいのは,地下水で生活をしている地域だっていうふうにすごい地元の人は戸山の人は本当に力をこめておっしゃるんですよ。もうこの戸山の地下水に何かあったときには,自分たちはもうここには住めない,ふるさとを捨てなければいけないぐらいの強い思いを地下水に持ってらっしゃる。
 広島市も中山間地域の活性化ということでさまざま取り組んでいらっしゃって,この27年度も戸山地域に予算をつけていらっしゃいます。例えば戸山地域にありますのは中山間地域お宝資源掘り起こし事業いうのがあったり,中山間地域等直接支払事業,ちょっとよく意味がわかりませんが,多面的機能支払交付金事業,農業祭事業補助,ふるさと農村活性化支援事業,農村ツーリズムモデル事業とさまざま六つぐらいの事業を重ね合わせて戸山の活性化に市が予算をかけて,国も予算をかけて戸山地域の活性化のために力を尽くしているわけです。その金額は2430万円に上りました,27年度は。全体の農村の活性化の3分の1を戸山が占めております。これが悪いとかって言ってるんじゃないんです。非常にいい取り組みで,これが生きていくことを願うわけですが,今の一方ではこういうふうに予算をかけて活性化しようって頑張ってる。
 その一方で,この恵下の浸出水のために万が一そういう汚染水といいましょうか,漏れで地下水が何か,漏れたらしいねって風評被害がばあっと広がれば,このような市の事業で農村を活性化して戸山のまちづくりに支援している事業もやはり冷水を浴びせることになるということなんで,改めてこの戸山の人だけが何か異常にこの心配してとかいうんじゃなくて,市としても戸山地域の活性化に力を入れているわけですから,それをやっぱり踏まえた上で,しっかり浸出水の放流管の手配をまたしていただきたいと思うわけですが,改めて市の認識をお尋ねします。この戸山住民にとって,地下水が地域の存続にかかわる重要性があるという認識はお持ちかどうか。いかがでしょうか。

(埋立地整備担当部長)
 先ほども所長が答弁しましたけど,戸山地区の住民の皆様が浸出水の漏水に対する地下水の影響に強い不安を感じていらっしゃること,またその地下水がすごい重要なものであるということを考えられてるかということについては重々承知しております。

(中原ひろみ議員)
 承知していらっしゃるんであれば,これ以上申し上げることはありませんが,承知されているんであれば承知しているような行動を今後ともおとりいただきたいということでありますが,私は出島処分場の建設に,議員になりましてからずっとかかわるようなことになってまいりました。そもそも出島の埋立地というのは廃棄物処分場にしようと思ってやったんじゃないですよね。皆さんもよく心得ておってくださいよ。もともとここは,安全な土で埋め立てるということになってたわけです。県のメッセ・コンベンション事業でしたか,ちょっと事業名があやふやで申しわけありませんが,とにかくこの第3工区にはモノレールを通してみたいな,タワーをつけてみたいな非常にびっくりぽんな,できもしないような計画を進めよういうんで埋立工事が始まった。そのときにちょうど埋め立てしよるんなら,ごみにしたらいいんじゃないかいうようなことで,突然計画変更されてごみの処分場になったわけであります。
 それがちょうど私が初当選したときでありましたから,私の議員生活の半分は出島処分場のことで質疑をさせていただいたなというふうに思っておりますけれども,出島でもやっぱり地元の皆さんが大変,大変心配されました。出島はすぐケーソンを向こうに挟んだら海なんですよね。山の中だったらいいというわけじゃありません。しかし,人間の感性からして,目の前に海があるところに廃棄物を捨てる,それも管理型の産業廃棄物。もう毒素がいっぱい来る。それが,何かあったときに瀬戸内海の魚どうするのと,それこそ風評被害。安芸の小魚なんて言ってる場合じゃなくなる。そういうときに海を守れっていうんで地元の皆さんの本当に真摯な粘り強い対応がありまして,県のほうも,これは県の施設でありますけれども,やっぱりこの声に応えるということで,当初370億円だったと思います。それを地元がケーソンが倒れたらどうするんか,遮水シート,一重じゃ心配じゃないかとか,いろいろなことをおっしゃいまして,県もなるほど,なるほどということで受けとめてくれて,結局施設整備は470億円に約100億円膨らんだわけであります。
 その100億円膨らんだのが悪いかっていったら,私は悪くないと思うんですよ。出島処分場はこの470億円かけてつくらなければつくれなかった施設なんですよ。安全性最優先でつくった施設ですから,私はこれは無駄遣いではないということを改めてここで申し上げつつ,この恵下埋め立てにおいても地元戸山の地区の人が大変不安に思っていらっしゃいます。やはりここでルートを変えてくれとか,いろんな声があるようですけれども,それができるかどうか,私はここで言う資格も知識もありませんけれども,やはり出島でも,ええっ,そんなことを言うてええんかいねと思うようなことでも地元の人は言いました。それはもう不安だからです。その声を県は受けとめました。そして専門家を連れてきました。広大の工学部のほうの先生を連れてきて,ケーソンとはこんなものでありますとか,ケーソンは60年もつんです,じゃあ61年目からどうするんですかみたいな議論もありましたよ。
 そういう専門家を連れてきて,皆さんに少しでも安心してもらう,不安を解消する,そのために協議会というものをつくりました。これは平成18年度が第1回目の出島処分場の連絡調整会議ということでありますが,地元の町内会長さんや一番直近のベイサイドパレスマンションの自治会の皆さんも,真下に処分場が見えるわけですから,風光明媚なとこだいうてマンション買うたら突然そこへごみ処分場が来てから,えっ,約束違反というようなこともありましたけれども,そういう地元の直近の皆さん,一番不安に思っている皆さんも入れて協議会も立ち上げて,そこでももんで,もんで,もう心配なことはみんな言うてくださいと。もう模型もつくらせました,県に。わからんって,県の説明は。どういうんにしよるんかわからんけん模型つくれ言うたら,県も渋々だったと思いますよ,そんな喜んで,はい,つくりますってつくったんじゃないんですよ。もう地元のこの不安をどうかして解消しなければつくらせてもらえない思うから,一生懸命にやりました。そういう一生懸命さが私は広島市には少し欠けているのではないか,ということを指摘させていただきたいと思います。
 それで,先ほど聞いたらいろいろ説明会もされてきて,参加者もだんだんふえて,この恵下処分場のことがだんだん戸山の人にも知れ渡って,どういうことって。地下水は大丈夫なのっていう人がふえてきているんだと思うんですけれども,だからこそ私は出島のようなこういう連絡調整会議をおつくりになって,県はきちっと要綱というものをつくって対応しました。環境保全の対策に関すること,不測の事態に対する対応,情報の公開,地元要望に関すること,その他事業の推進に関する事項,この五つの主な協議会の任務を明記して地元の人と事を進めようと思うときには集めてもらって,こんなことをしよう思うんですけど心配事ありませんかいうことでやりとりがあって,これは全て議事録はホームページに載っております。そういうものをやはりこの恵下の処分場についても,戸山地区の皆さんを入れておつくりになったらいかがかなと思うんですけれども,どのようにお考えでしょうか。

(恵下埋立地建設事務所長)
 恵下埋立地の整備に当たりまして,埋立地を建設する湯来町水内地区においては,既に町内会連合会から選出された委員による建設運営協議会を設置し,意見交換を行いながら整備を進めているところでございます。また,埋立地供用後はこの協議会を管理運営についての御意見を伺う協議会に移行しまして,地元の皆様との協議の場を継続していくこととしております。
 一方,戸山地区については,今後本市と戸山学区町内会連合会との合意書締結に向けた協議を進めることにしておりまして,それに合わせて水内地区と同様の協議会の設置についても協議していくことになると考えております。

(中原ひろみ議員)
 ぜひ戸山の地域の町内会長さんは地域を代表される方ではあるんですが,やはりさまざま,戸山にはいろんな会ができておりますね。この間,9月議会でも六つの請願も出たようでありますが,そういう代表の方もきちっと入れた,しゃんしゃん手拍子で進むようなものではなくて,本当に心配されている方こそ入ってもらう,そういう協議会にしていただきたいということを改めてお願いをして,次の出島処分場の活用についてに入ります。
 最近は廃プラスチックをわっと焼却できるような,中工場ではそういう能力を有したようでありますけれども,戸山の皆さんからも焼却灰が非常に心配だという声を聞いておりますが,生ごみだけを燃やすときと,この廃プラを燃やせるときの焼却灰とは何か変化があるんでしょうか。

(埋立地管理担当課長)
 プラスチックを焼却する場合であっても,安定した高温状態で燃焼することによりダイオキシン類等の生成を抑制することは可能です。また,各焼却工場において焼却灰から重金属等が溶け出さないよう薬剤処理を行った上で埋立地に搬入しています。
 なお,この薬剤処理を行った焼却灰については,定期的に専門の分析業者に委託して検査し,有害物質の濃度が法令の基準に適合していることを確認しています。このように焼却する廃棄物が生ごみであるか,プラスチックであるかにかかわらず,埋立地に搬入される焼却灰の安全性については十分に確保できているものと考えています。

(中原ひろみ議員)
 今のお聞きすれば,ダイオキシンというのは心配をよく聞くんですが,薬剤処理で大丈夫だということでありますから,これは信じるしかないのかなと思ったりもしますが,焼却灰というものは例えば玖谷の埋立場のごみ総量のうちのどれぐらいの部分を焼却灰が今,占めているんでしょうか。

(埋立地管理担当課長)
 昨年度の実績で申し上げますと,焼却灰の処分実績が年間全体で5万6000トン,そのうち焼却灰が3万トンを占めております。

(中原ひろみ議員)
 ということは,5万6000トンに対して3万トンですから,55%ぐらいのごみの約半分は焼却灰だということであります。この焼却灰が今まで議論がありますように,出島は焼却灰は埋められる処分場でありますから,埋めることができるわけですから,ここに少しでも持っていけば,灰が出島に行けば,その分玖谷の灰の量が少なくなりますし,より地元の皆さんの不安に,灰が少なくなりましたということで安心いただけることにもならないのかなと思うわけでありますが,出島処分場の活用のメリットいうのは何にもないんでしょうか。

(施設部長)
 まず,メリット,デメリットという観点からよりも,本市では焼却灰を一般廃棄物として埋立処分を行っております。平成31年度までは玖谷埋立地,平成32年度以降は現在整備中の恵下埋立地で全量処分する体制を整え,長期的に安定した焼却灰の処理体制を確保するという観点でおります。こういう観点から,出島処分場を利用しなくとも本市の焼却灰は十分に処分が可能であると考えております。

(中原ひろみ議員)
 それはようわかるんですよ,それはもう重々承知。その上で,今の戸山の皆さんの焼却灰を少しでもなくして,少なくしてほしいなという気持ちに応えようと思ったら,出島に,出島も10年間という上限がありますので,ずっと使い続けることはできないという協定になっております。だから,平成26年度から供用開始しましたから,平成36年度にぱっとふたを閉めるのが出島ですから,ずっと使い続けることはできませんけれども,やはり出島のそういう地元の不安解消という一つの切り口から,私は検討やコスト比較,されてみたらいかがかなというふうに思っております。
 ということは,今の答弁でいくと,これまでもいろいろ一般質問にも出ておりますから,恵下埋立地の管理体制が未定だからコスト比較もできんというような答弁でありましたので,コストが幾らかといっても答えられんのんでしょうが,私は試算ぐらいしたっていいんじゃないかと思うんですよ。恵下処分場はできておりませんけど,例えばごみトラックの搬送距離はわかっております,燃料も大体わかりますわね。だから,恵下に行くごみトラックが中工場や南工場から出島に行ったときにはどれぐらいトラックの燃料費が安くなるんかなと。使用料取られますから,県に,その辺との相殺でどうなるのか,その辺の試算ぐらいはしても別に机の上の話ですから,できるんじゃないかと思いますけれども,全くその気がないということなんでしょうか。それとも今後,地元のいろんな話し合いで,やはり焼却灰はどうしても,少しでも減らしてほしいと,出島に入れてほしいということを受けとめるんであれば,私は県とやっぱり調整をすべきだと思うんですが,まず試算の検討もする気なしということなんでしょうか。

(環境局長)
 ただいまの出島の活用の件について,少し整理して御説明をさせていただきます。
 まず,先ほどのメリット,デメリットというお話がございました。仮にメリットがあるとするならば,コストが安くつくかどうかというところが一つの判断材料がある。それともう一つ確実に言えるのは,委員がおっしゃるように出島へ焼却灰を持っていくことで,恵下に運搬される焼却灰なりの量が減ることで車の量も減るんではないか,いわゆる戸山地区の皆さんの負荷低減につながるのではないか,そういうメリットが考えられるのではないか,それはそのとおりだと思います。
 こうした中で,先ほど担当部長が申し上げましたように,基本的な考え方は,私どもは恵下埋立地を整備することで,みずからこの恵下埋立地で全てを処理する,これが最も合理的で望ましい姿だとは思っています。しかしながら,先般の本会議でも馬庭議員からの御質問に答弁しましたように,今若干の条件変更というか,変化が起こっております。それはもともと整備する予定であった県道広島湯来線の改良工事,これにおくれが生じておって,当面狭い現道を使わざるを得ないという状況が発生していると。こうした状況を踏まえて,現在申し入れをいただいている戸山学区連合町内会との今後の基本協定書の締結に向けた協議の中で,当然この連合会のほうからも住民の皆様の総意としてのさまざまな声をまたいただける。そういう声を踏まえて,市としてどういった対応が可能か,それはしっかり検討してまいりたいと思いますいうことで御答弁申し上げましたし,今もその気持ちです。

(中原ひろみ議員)
 そういうさまざまな事情の変更もあって,今後地元と協議をして出島の処分場の活用についても全く蚊帳の外ではないと,使う場合もあるかもしれないということだったというふうに思います。とにかく今は,県と市は廃棄物というのは自治体で処理するというのが基本ですから,広島市も金かけて体制をつくって玖谷や恵下の処分場を整備するわけですから,自分でつくったところを使わずによそを使うてどうするんかいう声もあるかもしれませんけれど,ごみ行政もそういう枠を超えて,やはり県市連携さまざまなところでしていますが,やっぱりごみ問題も県市連携できるとこは連携すればいいと思います。そのことをお願いをして,この問題を終わって,4時半には終わりますよ。
 最後は,もう東日本大震災で発生しました瓦れきの処理について聞きたいというふうに思うわけであります。この問題については,広島市議会がこれは平成24年3月22日に決議案第3号というもので,瓦れきの受け入れに関する決議案というものを出しておりまして,言ってることは三つです。一つは科学的な知見により放射能の影響を検証し,二つ目,放射線量の測定など十分な体制を整える。それによってクリアしたときには結論として有害物質が除去されているだろうから受け入れなさいということでありますので,言いかえれば有害物質が含まれている瓦れきは受け入れませんよということだと思うわけでありますが,広島市は決議を広島市議会がしたいうことで,ほいじゃあ受け入れにゃいけんのかいないうて,受け入れをされてきたのかどうか,教えてください。

(埋立地管理担当課長)
 東日本大震災により生じた災害廃棄物について,膨大な量の廃棄物を適正かつ迅速に処理するためには全国の自治体の広域処理の受け入れ協力が不可欠なことから,平成23年8月に環境省において広域処理における安全性の考え方について整理したガイドラインを作成し,全国の自治体に通知しております。
 また,平成24年3月には環境大臣から各自治体に対し広域処理への協力の要請がありました。この要請を受けて本市では,平成24年4月,環境大臣に対し,被災地の復興支援に取り組むことの重要性と市民の安全性の確保の必要性に配慮した対応方針を検討していきたい旨を回答しております。その後,東京都を初め1都1府16県の自治体での広域処理が行われ,現在ほぼその処理が完了したと聞いており,これまで東日本大震災で発生した瓦れきが広島県内の廃棄物処理施設に搬入されたことはありません。

(中原ひろみ議員)
 入れてないということではありますけれども,国のほうはこの8,000ベクレル以上を特定に指定して,そこは国がやる東電がやるということにしてきたんですが,その指定廃棄物ですか,それ以外のものを決めました。8,000ベクレル以下のものは指定解除して,何と一般ごみとしての扱いができるということで,他都市ではそういう例えば廃棄物を公共工事,どういうものがあるんですかね,公共工事でも使えるとか,そんなことしていいのかなと思うわけでありますけれども,今後そういう国の8,000ベクレル以下の放射性廃棄物を地方自治体の廃棄物処分場で埋め立てることができるという流れになってきたわけですが,これをああ,そうですかいうわけにはいかないのでありますけれども,市はどんなふうにしよう思うとってんかお聞きしたいということと,万が一,万が一,万が一ですよ,市が受け入れるとなった場合にはどのような手続になるのか。この広島市議会というものはそれに待ったをかけるようなことができるのか,聞かせていただいて終わりたいと思うんですが,いかがでしょうか。

(施設部長)
 先ほど委員のほうから御紹介がございましたが,平成24年1月に東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法が施行され,東日本大震災で発生した廃棄物のうち放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり,これは8,000ベクレルでございますが,8,000ベクレルを超える廃棄物については指定廃棄物として国が責任を持って処理することになっております。その後,本年4月にこの特別措置法の施行規則が改正され,指定廃棄物のうち時間の経過とともに放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり8,000ベクレル以下まで減衰した廃棄物については,環境大臣が一時保管している市町村と協議の上でこの指定を解除し,一時保管している自治体が一般廃棄物として処理することとされました。
 現在こうした廃棄物を一時保管している自治体では,基本的に今後国の費用負担により各自治体内で適切な処理をしていこうという方針であると伺っております。このため,本市に放射性廃棄物の指定が解除された一般廃棄物が搬入されるような状況は発生しないものと考えております。また,本市の廃棄物処理施設への廃棄物の搬入に当たりましては,先ほどの市議会の決議にもありますように,市民の安心・安全を確保することが大前提になると考えております。
 また,周辺住民や市議会の御理解が得られないような廃棄物を搬入することはできないものと考えておりますので,そういうような要請がありましたときには,またしっかりと検討の上,またいろいろ地元や市議会にも説明をさせていただきたいと思います。

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