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(近松さと子議員)
皆さんお疲れさまです。日本共産党の近松里子です。会派を代表しまして総括質疑を行わさせていただきます。
私は二つの点,広島南道路と基町地域の活性化計画についてお聞きしたいと思います。
まず,南道路のことについてお伺いいたします。(近松委員,ディスプレーに資料を表示する)一昨年,平成26年に開通しました広島南道路です。この道路の目的は何でしょうか。
(道路計画課長)
広島南道路の事業目的でございます。広島南道路は,臨海部を東西に貫く幹線道路であり,主としてデルタ市街地を通過する東西交通を適切に処理し,渋滞緩和や交通安全の確保を図るとともに,広島広域都市圏の連携強化や臨海部に集積する流通拠点の機能強化を目的としています。
(近松さと子議員)
このたび開通したのは吉島から商工センターのほうまでですが,この広島南道路には高速3号線の高架部分と一般国道の平面部があります。それぞれ事業費は幾らでしょうか。また,この地域で立ち退きをされた,その件数を教えてください。
(道路計画課長)
まず,事業費でございます。平面部が約554億円,それから高架部でございますが503億円で,平面部と高架部を合わせると1057億円となっております。
それから,移転していただいた家屋数ですが,約500件でございます。
(近松さと子議員)
今度の南道路の開通区間は,吉島からこの商工センターでした。この中で,事業費が約1000億円を超えて,そして立ち退き件数が500件,こういう中で,江波の地域では地域のつながり,町を南北に分断するということで反対の声が上がる中で,デルタ地帯の交通量,渋滞緩和のためだということで,この南道路,江波地域の人たちの犠牲の上に成り立っている,そういう道路じゃないかと思うんですが,というのがこの歩行者用の長い陸橋,こういうところを渡らないといけません。こちらが南,こちらが北側です。それから,交差点では渡り切れない高齢者の皆さんのためにベンチも置いてあります。こういう,本当に江波の地域の皆さんの犠牲の上に成り立っている道路なんですが,今回,広島南道路,有効に活用されているのか,そのことをお聞きしたいと思うんです。一般国道の平面部と高速3号の高架部の交通量,昨年の実績はどれぐらいでしょうか。
(道路計画課長)
交通量でございますけど,広島南道路開通半年後ということで26年9月に調査したものでございますけど,江波-観音間の交通量としまして,平面部が1日当たり約1万4900台,高架部は1日当たり7,600台でございます。
(近松さと子議員)
この広島南道路,渋滞解消には役立ってるんでしょうか。
(道路計画課長)
広島南道路開通前後の交通の状況を比較いたしますと,最大2.1キロありました霞庚午線の渋滞がおおむね解消するなど,デルタ南側の交通混雑の緩和に一定の効果がありました。
(近松さと子議員)
国道2号と比べてはどうなんでしょうか。通行時間などは短縮されたんでしょうか。また,渋滞についてはどうでしょうか。
(道路計画課長)
通行時間なんですけど,開通前に国道2号経由で廿日市インターチェンジから海田町日の出町交差点までの間,58分かかっていたところが,この南道路ができた後,西広島バイパスと南道路を併用して通りますと42分ということで,16分の短縮となっております。
それと,国道2号線のほうの渋滞状況でございますけど,庚午北出口のところで,これも南道路開通半年後に調査した結果,開通前4.3キロの渋滞が南道路開通後も4.3キロの渋滞という状況になっております。
(近松さと子議員)
海田から廿日市まで南道路も2号線も同じところを南北で通るんですが,時間としては南道路のほうが少し短くなって,所要時間が2号線よりも短いということですが,渋滞解消には余り役に立ってないと,そういうようなことでした。
そういう中で,その理由をやっぱり考えてみたんです。実は,この平面部の一般国道部分というのは,吉島・光南地域で行きどまりなんです。この上が高速3号線です。これは出島のほうまでつながっています。これが吉島で行きどまるものですから,平面部の一般国道部分はみんな左折をしてしまいます。これについては,どうして行きどまりなんでしょうか。
(道路計画課長)
出島-吉島間の平面部を整備しなかったということでございますが,広島都市圏における東西方向の広域的な幹線道路ネットワークの整備効果を早期に発現させるため,出島-吉島間においては高架部の橋梁を先行して整備いたしたものでございます。平面部の橋梁の整備につきましては,高架道路の整備とあわせてデルタ各島間の地域交通を確保するため,当面の整備としまして吉島-江波間,江波-観音間の橋梁を先行したものでございます。
(近松さと子議員)
早期につなげたいからということではありましたが,これがつながっております。高速3号線は出島と吉島間つながっていますが,この一般国道の平面部というのは吉島から出島までつながっておりません。この高速3号線というのは有料ですから,どうしても利用が限定的になります。ですから,南道路の本来の目的であるこの海田から廿日市までつなげていく,そのことが十分にその機能が活用できていないということじゃないかと思うんです。もし,この海田から商工センターまで無料の道路がつながっていけば,都心部に用のないそういう車は,通過交通は,広島南道路に流れていって,国道2号線の交通量,減っていくんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
(道路計画課長)
広島南道路というのは,デルタ市街地を通過する東西交通の適切な処理と広域連携を支える役割がございます。一方,国道2号線の高架のほうなんですが,広島西部方面から都心部に向かう交通の処理を担う役割があることから,それぞれ役割が異なってございます。このため,広島南道路の平面部がつながったとしましても,国道2号の交通量に大きな変化はないと考えています。
(近松さと子議員)
今回つながった,一部ではありますが,商工センターに出るまでに西広島,ここの南道路へ西方面から入られる車というのは,この西広島バイパスから鈴が峰線でおりて,そしてこの商工センターを通ってこのデルタ地域に入るということに,そういう新しい交通の形態が生まれたというようなことが言われています。しかし,ここの吉島でとまってしまっています。そのために,やっぱり海田に行く,真っすぐに海田に行く南道路の本来の役割が果たされていない。ですから,十分,2号線の渋滞緩和とかが図られてないんじゃないかと思うんですが,改めてここの,元安川の橋をかければつながっていきます。商工センターから海田までつながっていきます。そうしましたら,国道2号の高架延伸というのも必要がなくなるんじゃないかと思うんですが,いかがでしょうか。
(道路部長)
国道2号の高架延伸事業についてですけども,今月5日の市長の記者会見や9月議会の本会議で道路交通局長が御答弁いたしましたとおり,広島西部地域から都心へ向かう交通の渋滞緩和や沿道環境の改善,さらには本市の中枢性の向上のためにも重要な事業であると考えています。昨年6月には事業差しとめ訴訟を棄却する最高裁の決定が下され,その際,都心部に延伸されることにより渋滞が緩和され騒音が軽減する可能性が高いという見解が示されております。
現状見ますと,南道路の供用後も西広島バイパスの庚午北交差点等では,依然として県内屈指の長い渋滞が続いているという状況です。さらには,先ほど課長が答弁いたしましたとおり,国道2号高架と南道路では果たす役割が異なっているため,南道路の平面部がつながったとしても国道2号の交通量に大きな変化はないと考えてます。
こうしたことからも,出島から吉島間の平面部の整備にかかわらず,国道2号高架の延伸事業は本市にとって重要な事業であると考えております。
(近松さと子議員)
今,聞けば,国道2号の大型車の交通量というのがふえているそうですが,15年と比べて現在の交通量の割合を教えてください。
(道路計画課長)
平成15年のときは大型車の割合が約15%だったんですけど,平成26年3月の南道路開通後6カ月後の大型車の割合というのは22%となっております。
(近松さと子議員)
大型車が2号線の中でふえている中で,300億円も使って先ほど防音効果もあると言われましたが,バイパス高架を延伸するよりも今ある広島南道路,それをしっかりと整備をして,これまでも1000億円以上,そして500件の方の立ち退き,そういう犠牲の上に成り立っている道路ですから,こっちを整備していくことが廿日市から海田までのスムーズな道路をつくっていく。そして,これこそ国道2号線の新たなバイパスとしての役割が果たせるんじゃないかと思うんですが,いかがでしょうか。
(道路計画課長)
先ほども申しましたように,国道2号と広島南道路というのは役割が違っておりまして,国道2号は都心部を目的とした交通,それから南道路はデルタを通過する交通及び臨海部を目的とする交通ということをはかすための道路でございますので,なかなか国道2号を利用する大型車を南道路に転換するのは難しいのではないかと考えております。
(近松さと子議員)
そもそもこの国道2号線の渋滞緩和などのために,この広島南道路は一般国道2号線という名前をつけてバイパスの役割も果たすべく南側に道路がつけられとるわけです。ですから,今度2号線高架を延伸されようという,そういう計画を新聞でもその再開をするというようなことが市長の記者会見として表明のほうされているところですが,この高架,国道2号線高架延伸しても黒い橋桁を市内の中心部に新たにつくるというだけで,本当に景観も壊してしまうんじゃないかと思います。国に対して要望するんなら,この南道路の平面部,一般国道の元安川の橋を渡す,この計画こそ実施を求めていくべきだということを言いまして,この問題については終わりたいと思います。
それでは,続きまして,基町住宅地区の活性化計画についてお聞きします。
2013年の平成25年に住民と行政が一緒になって,基町住宅地区の活性化計画をまとめられました。超がつくほどの高齢化が進んでおります。そしてさまざまな課題があるこの地域で起きていることは,これから市内どこでも起こり得ることじゃないかと思うんです。この地域の取り組みを,今活性化する取り組み,これはモデルケースとして位置づけて,これからの広島市の課題に当たっていく一つのケースにしてはどうかと思います。そういう問題意識で今回,基町地区の取り組みについてお聞きしたいと思います。
基町住宅地区ができた経過を聞きたいと思います。
(基町住宅担当課長)
経緯でございますが,基町住宅の位置する地域一帯は,戦後,戦災者のための住宅用地として国から借り受け,県,市などが応急的な公的住宅1,815戸を建設しました。また,社会情勢が混乱する戦後間もない時期であったため,河川敷などの一帯には雨露をしのぐ程度の家──これ不良住宅と通称,呼ばれています──が建てられ,密集し,地区ではしばしば火災が発生したことから,地区の早急な整備が望まれるようになりました。
こうした中,昭和31年には公営住宅の建てかえを実施し,昭和43年までに市営住宅基町アパート中層棟の1号棟から17号棟,630戸の中層住宅団地を建設しています。
しかしながら,この建てかえのみでは不良住宅の解消は困難であったため,土地の高度利用を図り,公共,公益施設を含めて総合的に整備すること,地区内の居住者とともに広く市民の住宅需要に応えることを目途に再開発を進め,昭和44年から昭和53年までに高層棟──これは3棟ありまして,18号棟から20号棟になります──の市営住宅2,964戸を建設しています。現在,平成28年4月1日時点では,計3,419戸の住宅団地となっています。
(近松さと子議員)
戦後,基町の改善なくして広島の戦後は終わらないと言われて,戦後最大の復興事業として国,県,市が一体となって建設した公営団地です。日本の集合住宅史に残る公営の住宅団地として,都市計画の教科書にも掲載されているそうです。
その地区なんですが,今の現状についてちょっと改めてお聞きしたいと思います。人口と,それから65歳以上,75歳以上の割合はどうでしょうか。
(高齢福祉課長)
基町地区の人口については,平成28年9月末現在4,256人で,65歳以上の割合が46.0%,75歳以上の割合が24.4%です。
(近松さと子議員)
ひとり暮らしの割合と介護認定を受けてる高齢者の数を教えてください。
(高齢福祉課長)
基町地区のひとり暮らし高齢者の割合については,平成26年3月の調査によりますと約48%で,要介護認定を受けている高齢者の数は平成28年9月末現在で554人です。
(近松さと子議員)
基町小学校がありますが,この児童数は何人でしょうか。
(計画担当課長)
平成28年5月1日現在の児童数は118名となっております。
(近松さと子議員)
障害者の方もいらっしゃいます。障害者手帳の所持者,また外国人の方の割合も教えてください。
(多文化共生担当課長)
基町小学校区での外国人市民の人口は,2016年,平成28年6月末時点の学区別・年齢別人口集計表によると,学区内総人口4,246人のうち844人であり,割合で申しますと19.9%となっております。
(近松さと子議員)
障害の手帳をお持ちの方をお聞きしたようなんですが,以前の数字では10%ぐらいいらっしゃるということでした。それでは,市営店舗,空き店舗の割合についてお聞きします。
(住宅管理担当課長)
市営店舗の状況についてですが,基町アパートには平成28年4月1日現在で279店舗を設置しておりますが,そのうち108店舗があいており,空き店舗の割合は38.7%となっております。
(近松さと子議員)
このような地区の状況をどのように認識していらっしゃるんでしょうか。
(基町住宅担当課長)
基町住宅地区では,建物の老朽化だけではなく,少子高齢化に伴う地域コミュニティーの活力の低下や空き店舗の増加に伴う商店街の衰退など,多くの問題が顕在化していると認識しています。こうした中,地元においては活性化の取り組みを行うよう機運が高まっていることから,当該住宅地区の現況調査とその結果などの分析,活性化の方向性と活性化に向けた具体策などを住宅のみならず商業や福祉など幅広い観点から検討を行い,平成25年7月に基町住宅地区活性化計画として取りまとめ,これをもとにして地域,民間と行政が協働して活性化に取り組んでいくことにしています。
(近松さと子議員)
超高齢化が進んで,若い世帯も少なく,またコミュニティーを維持することが深刻な状況であると思うんですが,また外国の人や障害のある人もいらっしゃる。ともに生きていくというあり方も求められているまちだと思います。
こういう中で,2013年に基町住宅地区活性化計画というのがつくられましたが,何を目指してどのようなことに取り組むものでしょうか,教えてください。
(基町住宅担当課長)
申しわけありません。繰り返しになりますけれども,地元において活性化の取り組みを行うように機運が高まっております。こうした中で,活性化の方向性,活性化に向けた具体策など,住宅のみならず商業や福祉など幅広い観点から検討を行って,これらに対応していくよう考えております。
(近松さと子議員)
済みません,ちょっと質問を間違えました。
そして,この中から私が四つほど上げて聞くということでした。こうした課題の中から幾つか聞きたいということで四つのことを,私の関心を持ってることをちょっとお聞きしたいと思うんです。
まず第一に,外国人や帰国者ですね,この方たちとの共存ということが示されているんですけど,広島市は外国からの観光客というのは大変多いんですが,この住んでらっしゃる外国人の方というのは多いほうなんでしょうか,どうでしょうか。教えてください。
(多文化共生担当課長)
法務省在留外国人統計によりますと,2015年,平成27年12月末現在ですけれども,広島市の総人口119万1030人のうち,外国人市民の人口は1万6664人で,その占める割合は1.4%です。政令指定都市で見ますと,20都市中外国人市民人口は11位,外国人市民の総人口に占める割合は14位となっております。
(近松さと子議員)
広島の市民の中で外国の方の占める割合というのは政令市の中でも14位ということで,多くない,少ないほうだと思いますが,基町地域は外国人の方が先ほども数字を上げられましたように多いんですけど,それはどうして多いんでしょうか。
(多文化共生担当課長)
基町小学校区の住民の住まいは公営住宅がほとんどであること,また都心に近く,通勤,通学の利便性がよいことなどがその理由ではないかと思われます。
(近松さと子議員)
基町にいらっしゃる帰国者の方というのに聞きましたら,帰国者というからにはやはりさきの大戦のときに満州に残留孤児として中国人の養父母に育てられて,そして戦後帰国をされた,そういう残留孤児の方が母国に,日本に帰国された。そういう帰国者の方が日本で住まれるのに公営住宅を提供してきたというそういう歴史もあるというふうに聞いております。その後,2世,3世という方を呼ばれたという,そういう事情もあるというようなことをその経過の中でお聞きしました。
広島市として基町地区でこうした外国人や帰国者の皆さんとの交流というのをどのように図ってこられたんでしょうか。
(多文化共生担当課長)
基町住宅地区活性化計画では,地域活性化の方針の一つとして多様な文化が交流できるまちづくりを掲げ,外国人・帰国者のサポート,交流の仕組みづくりに取り組むこととし,日本語教室の開催,文化・福祉の拠点であるほのぼの文庫基町の活用などに取り組んでいくこととしております。
市民局人権啓発課では,平成26年度,多文化共生の観点から,ほのぼの文庫基町において日本語交流事業として「子育てについて話しましょう」をテーマに,基町小学校の児童の保護者の方を中心として3回交流会を開催しました。そのほか,平成27年度から,広島の防災・減災について外国人市民の視点から考え行動するリーダーを養成するため,外国人市民防災リーダー養成講座を開催してきており,基町地区の外国人市民の方々にも参加していただいているところでございます。
また,基町小学校とその保護者,地域住民,基町地区を拠点に活動している県立広島大学が平和教育や多文化共生などに関した取り組みを行っており,今年度,広島平和文化センターが実施するイベント「国際交流・協力の日」において,その取り組みを紹介することとされております。
(近松さと子議員)
二つ目に,子育てしやすい環境というのも掲げておられます。こういう中で中心になるのが基町小学校じゃないかと思うんですが,先ほども人権啓発のほうで紹介されました多文化共生ということも掲げて取り組みの実践を,地域の課題に取り組んでおられるようです。どのような取り組みをされているのか,ちょっと教えてください。
(指導第一課長)
基町小学校では,外国籍児童等が多数在籍をしており,個々の実態に応じた日本語能力の向上や自尊感情の育成を基盤にして,多文化共生の学び合いの中で確かな学力と豊かな心を備えた基町の子供の育成に取り組んでおります。
具体的には,これらの児童一人一人に対して,日本語能力に応じた個別の指導を行う日本語学習教室や,アジアを中心に外国からの訪問者との交流活動を実施する国際理解学習,さらには児童の保護者を対象とした日本における家庭教育のあり方等に関する講演会,またPTAバザーを通しての交流等,さまざまな活動を行っております。
(近松さと子議員)
基町小学校は広島市がこれまで取り組んでこられた小中学校の適正化計画の中で統廃合の対象になっておりました。どのように今,このことについて考えておられるんでしょうか。
(計画担当課長)
平成22年1月に作成した広島市立小・中学校適正配置計画(素案)では,基町小学校を含む五つの小学校が統合の検討対象となりました。五つの小学校の中で小河内小学校は昨年4月に飯室小学校と統合しましたが,基町小学校を含む四つの小学校については,地域の合意が得られておりません。
こうした中,昨年1月に文部科学省が公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引を公表いたしました。この手引では,標準規模を下回る学校について,教育的効果という視点からだけではなく,学校の有する地域コミュニティーの中核機能を重視し,学校を存続する場合も想定し,その対応策について検討する必要があるという新しい視点が示されました。
こうした新たな視点も踏まえ,教育条件の改善が必要な学校に対して,小規模校のメリットを最大限生かす方策やデメリットの解消策,緩和策,まちづくりにおける学校のあり方を検討するなど,現在素案の見直しに取り組んでいるところです。
(近松さと子議員)
国の新たな手引では,小規模校だからといって機械的に統廃合するというよりも,そういうこともあるんでしょうが,小規模校として残す場合の教育的な留意点,こういうことも大事だということを示しているというようなお話ではなかったかと思うんですが,基町小学校のホームページを見ましたら,現在,外国にルーツをもつ児童が全体の約4割を占め日本語指導の専属の教諭や中国語ができる教員も多くインターナショナル的な小学校です,さまざまな文化や価値観をもった児童が増えることは,本校にとりまして大切な友達が世界中に広まる気持ちにさせてくれます,こういうふうにありました。国レベルでも市民間でも,感情的には関係というのは正直よくありません。しかし,子供たちが国同士のかけ橋になってくれるんじゃないか,そういうような希望をやっぱり基町小学校には託していきたいと思います。
それでは,若い世代をふやす取り組みについてちょっとお聞きします。なぜ市営住宅には若い子育て世帯というのが入居が少ないんでしょうか。
(住宅管理担当課長)
市営住宅に若い世代がふえないことについての御質問ですが,市営住宅は住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を図ることを目的に整備されたものであることから,入居や継続居住に当たり所得制限が設けられています。そのため,所得の少ない高齢者世帯の応募が多数あるとともに,若年家族や子育て世帯については所得の増加に伴い退去しなければならないのに対し,所得がふえない高齢者世帯については長年にわたり住み続けておられることが若い世帯がふえない要因となっているものと考えております。
(近松さと子議員)
こういう中で,基町地区では若い世帯の入居促進を図って来られたんですけど,どのような取り組みをされてるんでしょうか。
(基町住宅担当課長)
活性化計画では,高齢化率の高い基町住宅地区において,コミュニティー活動の担い手となる若年世帯や学生世帯の入居に取り組むこととし,公営住宅の目的外使用の柔軟化を受けることができる地域再生計画の認定を平成26年3月に取得しており,平成27年2月から募集を開始しています。若年世帯の応募要件は,夫婦の満年齢の合計が80歳未満であることや,本市の特賃住宅に入居できる中堅所得者と同等の収入であること,また自治会に入会し,自治会活動等に参加することなどとしています。学生の応募要件は,広島市内及びその近郊にある大学に在籍する大学生または大学院生であること,自治会に入会し,自治会活動等に参加すること,基町住宅地区の活性化などを題材とする卒業論文などの執筆または活性化計画の取り組みの企画立案などを行うこととしています。
入居状況でございますが,平成27年度までに若年世帯2世帯が入居し,平成28年度は10月以降に若年世帯1世帯,学生が2人入居する予定になっています。今年度もう一回若年世帯向け1住戸,学生向け2住戸の募集を行う予定としています。
(近松さと子議員)
高齢化で自治会の役員の担い手がいない,そして災害時には援護を必要とする人はたくさんいるけれども,それを支援する人の確保が困難であるなど,他の市営住宅でも同じような課題があるんじゃないかと思います。若い世帯の入居を進めてバランスのいいコミュニティーを維持していくということがこれから必要なんじゃないかと思うんですが,市営住宅全体でも共有していかなくちゃいけない課題だと思います。
それでは,最後に,高齢者の方が安心して生き生きと暮らせるまちづくりについて,ちょっとお聞きしたいと思います。
自治会の加入率もこの辺,ここは大変高くて,住民主体のまちづくりというのにも取り組んできたモデル地区的な事業も行われてきました。これまでどのような事業を行ってきたのか,教えてください。
(基町住宅担当課長)
地区住民の取り組みによって高齢者が気軽に立ち寄ることができるとともに,地域に関する情報提供を行う場所として,平成19年9月に高齢者立ち寄り所,「ふれあいサロンほのぼの基町」が基町ショッピングセンター内に設置されています。また,地域の住民や各団体などが高齢者に対して行う声かけ訪問などを通じて,高齢者の安否確認などを行う見守り活動を行っています。
(近松さと子議員)
他の地域に先駆けて見守りなどもやられてきた,そういう地域なんですけど,住民主体のまちづくりいうのを進めてこられました。こういう中では,行政としてはどのようにこうした問題に取り組んでこられたんでしょうか。
(基町住宅担当課長)
本市では,高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として,介護だけではなく福祉,健康,医療などさまざまな分野に関する地域の窓口となる基町地域包括支援センターを,平成18年4月に基町ショッピングセンター内に設置しています。また,平成17年度から行っている高層アパートの住戸改善事業により,住戸内の段差解消や手すりの設置,玄関ドアのレバーハンドル化のバリアフリー化を行っています。
(近松さと子議員)
この地域は広島市の平均よりも2倍ぐらい高齢化が進んでいて,今,2016年ですけれども,これが日本の人口の推移ですが,基町地区の高齢化率は40%,40年後ぐらいの姿になっております。こういう中で,この地域,住みなれた地域で最後まで過ごす,その人らしく生きていくという,私たちは地域包括ケアというのは括弧つきで思ってるんですが,国が,今の介護保険の財源を減らすためにやるんだ,というような目的なら大きな間違いだと思うんですけれども,今言いましたように,本当にその人がその人らしく地域で当たり前に暮らせる,高齢者が生き生きと暮らせる,そういう地域をつくっていくためのシステムとして考えていくことは必要だと思っております。この地域で地域包括ケア,どのように進めようとお考えでしょうか。
(基町住宅担当課長)
活性化計画では,先ほど答弁した取り組みの継続,拡充のほかに,高齢者等の技術・技能の活用,屋上庭園・基町農園づくり,それと委員おっしゃられる地区内での通所介護サービスなどの確保,超高齢化社会に対応した居住の仕組みづくりなどを掲げて取り組もうとしております。
(近松さと子議員)
この活性化計画の中では,市営店舗がありますショッピングセンターの中に介護保険制度の中の通所施設,デイサービス,小規模多機能居宅などを整備してほしいという具体的な要望が上がっております。この通所施設が欲しい,そういうふうに求められたのはなぜだと思われていますか。
(高齢福祉課長)
先ほども申し上げましたが,基町地区におきましては高齢化率やひとり暮らし高齢者の割合が高いということがございますので,そうしたところで介護が必要な状態になっても安心して暮らせるようにということで,こういった施設が求められたものと考えております。
(近松さと子議員)
ちょっとこの高齢者施策推進プランを持ってきたんですが,基町地域は,日常生活圏域では幟町中学校区なんですが,基町には包括支援センターがあります。単独であるんです。この基町地域だけ限ってみましたら,サービスつき高齢者住宅,養護老人ホーム,軽費老人ホーム,ケアハウス,一切ありません。その下の老人福祉施設・保健施設もありません。療養型もありません。認知症のグループホームも小規模多機能居宅介護,複合型サービス,介護つき有料老人ホーム,こうしたものがこれだけの高齢化率でありながら一切ないという状況なんです。
もし今,地域の皆さん望んでおられるような福祉の介護拠点の通所型のサービス施設,こんなものが整備されたら,どのような効果が見込まれると思いますか。
(高齢福祉課長)
デイサービスなどの通所施設は,機能訓練に加えまして,生活支援やレクリエーション,交流の場を提供するものであります。したがいまして,先ほども申し上げたのですけれど,高齢化率やひとり暮らし高齢者の割合が高い基町地区において,身近な場所にこうした施設が整備されるということは,基町地区の高齢者が,介護が必要な状態になっても地域で安心して暮らせることにつながるものと考えております。
(近松さと子議員)
それでは,地区の活性化計画に基づいて,この高齢者の皆さんが安心して暮らせるまちづくりの福祉,介護の拠点づくり,これに向けてどのように取り組んでこられたんでしょうか。
(基町住宅担当課長)
デイサービスや小規模多機能などの通所施設の整備については,庁内の関係する各部局で問題の共通認識を持つとともに,地区内の空き店舗などの情報交換を行いつつ,実現に向けて取り組んでまいりました。
(近松さと子議員)
しかしまだできていないんですけど,課題はどんなところにあるんでしょうか。
(基町住宅担当課長)
具体化に当たってまず検討しなければいけない課題となる項目としては,市営住宅の利用基準への適合,施設規模や設備などを踏まえた建築基準法とか消防法との調整,担い手となる事業者の選定などがあると考えています。また,通所施設として活用するためには,一定規模以上のまとまった空き店舗の確保が必要になると考えています。
(近松さと子議員)
今後,どういうふうにこれらの課題を解決されていこうとしてるんでしょうか。
(基町住宅担当課長)
通所施設の整備を実現するため,より一層庁内関係課で連携を図り,適切な施設の位置,規模,事業内容や事業者の選定方法などを検討するなど,事業化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
(近松さと子議員)
実は,この活性化計画の中では平成25年から3年間でこの福祉,介護の拠点づくりを進めるというふうにありました。ですから,本来でしたらことしには皆さんが喜ばれるような何かそういう事業が始まっていないといけないんですけど,しかしまだそれが実現できていません。私もこの高齢者の皆さんの様子を聞きに基町の地域包括支援センターのほうにお邪魔をいたしました。本当に大変なお仕事です。80歳以上の半分の方は認知症があるということで,ひとり暮らしも多い,そういう地域ですので,リモコンの操作がわからない,こういうことでも相談があるそうです。夏なのに操作がわからなくて暖房がついていた。また,テレビのつけ方がちょっともうわからなくなったとか,そんなような相談もあるようです。それから,バスカードからパスピーになって,高齢者の交通費助成の仕組みがかわりましたよね。そのときの申請も大変な相談者が押し寄せたというようなこともお聞きしています。今はそれから住戸改善で引っ越しもされています。その引っ越しをされたら,もう自分がどこに行けばいいのかわからなくなった。こんな,もう迷子になられた高齢者が包括支援センターのほうに近所の人と一緒に駆け込まれるというようなことも多々あったようです。
そういうようなお世話もされているんですが,私が行きましたときに,車椅子ですとか歩行器につかまった高齢者の方が3人ほどセンターの中におられたんです。聞けば,この方たちは相談に来られたんじゃない。そこで時間を過ごすんだと言われるんです。朝から夕方,もう家には寝に帰るだけ。デイサービスなんかにもそこから,その包括支援センターから行かれる。それぐらいやっぱり体のほうも御不自由だし,認知症もあるし,そのためにやっぱり家で1人ではおれない。少しでも家で1人でいる時間を減らすために,包括支援センターで託老所というんですか,そんなようなこともされておりました。こうした状況,市のほうでは御存じだったんでしょうか,ちょっとお伺いしたいと思うんですが。
(基町住宅担当課長)
住戸改善事業の説明会等でそのような生活の不自由な方というのがたくさんやっぱりいらっしゃいまして,地域包括支援センターのセンター長さんとかいろいろお伺いして,対応したのが事情でございます。これまでも十分認識しておりますし,今からも市民の立場に立って対応していきたいと考えております。
(近松さと子議員)
それは包括支援センターの相談の一環だと思うんですけど,今みたいに高齢者の人が家ではおれないから包括支援センターのほうで託老所のようにいらっしゃるというような,もうちょっと車椅子の方ですから,トイレの介護もしなくちゃいけない。本来の相談業務も十分にできないようなぐらいそういう高齢者の方の対応に当たってらっしゃるということなんですよね。ヘルパーステーションが隣にもあるんですけど,これは包括支援センターの業務の中に入ってるんでしょうか。ちょっとお伺いします。
(地域包括ケア推進課長)
地域包括支援センターの基本的な業務といたしまして,包括的相談支援といったものがございます。つまり,地域にお住まいの高齢者の方に対して,いわばよろず相談窓口のような形で機能しておりまして,日常生活上の困り事,特に要支援ですとかそういったことの御相談,サポートといったものをさせていただいております。
(近松さと子議員)
それでは,今の業務というのは包括支援センターの本来業務じゃないというふうに理解したらよろしいんでしょうか。
(地域包括ケア推進課長)
委員御質問の今の業務っていうのがどこまでの範囲を指しておるのか,済みません,私が十分に理解できていないのですが,地域にお住まいの高齢者の方が日々生活の中で苦労されていることについての御相談を受けとめるという意味では,地域包括支援センターの本来の業務でもあるというふうには思っています。ただし,日常生活の大半をデイサービスのように過ごす場としては,本来,地域包括支援センターが想定している業務ではございません。
(近松さと子議員)
あなたね,今,私が言ったことをちゃんと聞いていなかったということですか。わかりませんがというような答弁はおかしいんじゃないですか。あなたは高齢者の皆さんの地域包括ケアの責任者でしょう。そういう方がここで高齢者の方,行き場がなくて困ってらっしゃるんですよ。そこちょっと真剣に考えてください。
そういう包括支援センターがこんなような役目まで果たさなくちゃいけなくなってるのは,やっぱり地域の崩壊もあるんです。今までは市営店舗の前に高齢者の皆さん,椅子が置いてあったりして,そこで店舗の人たちと話をしながら過ごしたりできたんだそうですが,もう半分ぐらい空き店舗になってしまいまして,そしてもう行き場がなくなった。どんどん高齢化もする,認知症も進んでくるというんで,この包括支援センターのほうに寄ってくるようになった,集まってくるようになった,そういうような状況が今生まれているんです。
ですから,どんなに重い介護度であっても,ひとり暮らしであろうと,在宅で最後まで暮らせることを,国が言う地域包括ケアシステムというのはうたってますよね,課長さん。ですから,そういう意味では,これから市内全部でこのシステム機能させていこうというのに,基町地域だけでもできないというようじゃ,本当に心配になってまいります。この基町の地域の中でのこうした福祉や介護の拠点づくり,待ったなしというふうに思うんですが,その認識,ちょっと最後に聞かせてください。
(地域包括ケア推進課長)
今,委員御指摘のように,特に市内においても基町地区においては高齢化率の面でかなり高いという状況でございまして,地域包括ケアシステムの構築に向けて課題の先進地域という言い方もできるかと思います。すなわち,より早急に地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みといったものを加速させていく必要があるというふうに考えております。
(近松さと子議員)
先ほど私もちょっとかっと来まして言葉がきつくなりましたが,今の言葉を聞きまして,本当にぜひ実現,実行していただきたいと思います。
それでは,最後にもうちょっと,認識2点ほど聞きたいことがありますが,私は今,超高齢化の中で高齢者の皆さんが安心して住み続けられるまち,それから多文化共生,そして少子化の中でともに生きるコミュニティー,そして市営住宅の今後のモデルケースにもなるんじゃないかと思います。そのためにこういう三つの観点からこの地域の活性化に取り組んでいただきたいと思ってお聞きしたんですが,今のこの地域の取り組みについて,その三つの観点,その認識についてどうでしょうか,市長。こういう認識で活性化,進めていただけるでしょうか。
(都市整備局指導担当局長)
先ほどから御説明いろいろさせていただきました。基町住宅地区の活性化ということで,さまざまな問題があるということで,これを先取りしたような形でこの計画をつくってまいったと思っております。今,委員,いろいろとお話しされたこと,これらを深く考えながらこの計画もつくっておりますし,これからもそのようにやってまいりたいと考えております。
(近松さと子議員)
最後にお聞きしたいんですが,最後,最後と言って何度も言いますが,いよいよ最後です。基町地区住宅の前にある中央公園がサッカー場の建設候補地としてにわかに再浮上いたしました。にぎわいが欲しいという声もありますが,夜の照明や騒音などが懸念されております。先日は連合自治会の会議に経過を説明に行かれたということでした。住民の賛否というのはいろいろあるかと思います。しかし,ここが先ほども御紹介ありました3,000戸余りの住宅団地であるということを忘れてもらっては困ります。基町の住宅の設置者として,住民の皆さんの住環境を守る,このことについては市に責任があると認識されておるでしょうか。市長さん,お願いします。
(市民局長)
候補地の一つとして中央公園広場を検討していくということになりまして,その中では委員御指摘のように,騒音問題,あるいは人の流れといったアクセス,車の流れの面も含めてということで,地元の方々に対して理解を得ていけるような形でなければ検討が進まないというふうに認識しておりますので,その辺は地元住民の方ともしっかり御意見をお伺いしながらというふうに考えております。
(近松さと子議員)
住宅団地ですから,住環境を守っていただきたい。これはもう賛否にかかわらず皆さんの願いじゃないかと思いますので,このことを要望して終わります。