議会での質問・答弁

2018年06月28日

2018年第2回 6月定例会 議案討論 中原ひろみ議員

日本共産党広島市会議員団の中原ひろみです。会派を代表して、平成30年度第2回広島市議会定例会に上程された議案について討論を行います。

 第83号議案に反対します。第74号議案は意見を付して賛成します。残りの16の議案は賛成です。
 第83号議案 温品二葉の里線 中山高架橋(仮称)上部工事(その2)の契約の締結について、反対する理由を述べます。
 この契約は、高速5号線二葉山トンネルに直結する道路の施工ですから、本来なら広島高速道路公社が有料道路事業としてやるべき事業です。にもかかわらず、有料道路だけでは高速5号線の採算性がとれないため、広島市が公共事業として税金をつぎ込み、合併施工の関連道路として整備しようとするものです。このような税金の使い方は問題です。よって賛成できません。

 次に、意見を付して賛成する第74号議案について意見を述べます。
 この議案は、広島高速5号線の新設に係るトンネル工事に伴う損害についての調整調停に応じることで、地域住民の安全・安心を確保し、トンネル工事を円滑に進めようとするものです。
 7名の地域住民が広島県・広島市・広島高速道路公社に対し、トンネル工事を着工する根拠として、住民が十分に納得できる具体的な対策の約束と、誠実な説明責任を求めて、調停の申し立てをされたことによるものです。
 そもそも高速5号線のトンネル工事に関しては、トンネル掘削工事による地盤沈下と家屋被害、災害発生などの危険性を危惧した102名の地域住民が工事の差し止め裁判を起こすなど、住民の大きな不安をぬぐい切れないまま事業再開の判断がされてきました。地域住民が同じ事業に関して裁判や調停に訴えるというのは、異常なことです。
 広島高速1号線福木トンネルで想定された12倍もの地盤沈下と家屋被害の体験が二葉山トンネル事業への大きな不安と、市・県・公社に対する不信を増幅させてきました。
 そのような住民の不安が、今回の調停でぬぐえるかは疑問ですが、調停内容を見ると、最も地表面沈下の抑制に優れたシールド工法の採用、万全の調査・計測管理体制の整備、影響が発生した場合の誠実で適切な補償対応を講じることを約束するものになっています。
 この調停が市議会で議決されれば、調停内容を誠実に実行していくことになります。調停では、被害が発生した場合、トンネル工事を一旦停止して対策を実施することになっていますが、対策が実施されることを前提として公社はトンネル掘削を再開できるとされています。
 この調停の目的は、地域住民の安全・安心の確保であり、住民の納得を得る対策が講じられるまでは、工事を再開しないことを求めます。

 さらに、予測沈下量がシールド工法の約5倍にもなるナトム工法を採用する中山地区においては、すでに家屋の塀に被害が発生しています。工法は違っても二葉山トンネル工事に対する地盤沈下や災害発生への住民の不安は同じです。
 安心・安全な工事を行うという点で差があってはいけません。ナトム工法で掘削が行われる中山地区についても、調停内容に記されたと同じ緻密・精緻な計測、対策、補償をされるよう求めておきます。
 以上で討論を終わります。