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【発言内容】
【反対】
第284号議案 広島圏都市計画(広島平和記念都市建設計画)地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について
【意見を付して賛成】
第274号議案 平成29年度広島市一般会計補正予算(第5号)
【発言動画】
YouTube 広島市議会動画チャンネル 平成30年広島市議会第1回定例会(2月27日(火))
日本共産党の中森辰一です。日本共産党広島市議団を代表して議案に対する討論を行います。
反対の議案は、第284号議案と第289号議案です。第294号議案には意見を付して賛成とします。また、第274号議案、一般会計補正予算(第5号)の修正案を共同提出しております。他の11の議案は賛成です。
以下、理由と意見を述べます。
まず、第284号議案、広島圏都市計画地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例は、平和大通り地区ほか2地区の地区計画の区域を再編成した上で、それぞれのうちA地区について、高層ビルの建設を誘導するために建築物の敷地及び構造に関する制限を改める等を行おうとするものです。
私たちは、建物の老朽化に伴い、その耐震性向上など災害への対応力を高めることや、高齢者や障がいのある人たちにとって利用しやすいものにしていくことは必要なことだと考えますが、いたずらに高層化を図り、広島のまちを高層ビル群にしていくことには必ずしも賛成するものではありません。
その上で、今回の高層化を進めようとする案のなかには、平和大通りの平和大橋より東の部分がまるまる入っていますが、そのうちの西の端部分は、世界遺産「原爆ドーム」のバッファゾーンと重なっています。ここは、市の方針として世界遺産の価値を守るために景観上の制限をかけており、その中には高さ制限もあります。
そこを、敢えて高層ビルの建設を誘導する区域に入れることは、市の方針としては矛盾です。この二つの問題は、いずれも都市整備局が担当しているものであり、同一局の中で矛盾する施策を提案するというのは理解できず、広島市の行政というものが、バッファゾーンの扱いについて、極めて理解が薄く、世界遺産「原爆ドーム」に対する責任感にかけているのではないかという、強い不信感さえ感じます。
最低限、「バッファゾーンの区域は除く」との文言をきちんと入れるべきで、そのことを強く求めるものですが、本条例案ではそうなっていないため反対とします。
次に、第289号議案は、広島市の永安館、可部火葬場、湯来火葬場、五日市火葬場、西風館の五つの火葬場と高天原納骨堂の指定管理者を、株式会社合人社計画研究所と株式会社日本斎苑の2社による「まごころサービスグループ」に指定しようとするものです。
この議案に関しては本会議で2人の議員から質疑が行われましたが、この会社が指定管理者に指定されることに強い疑問があります。
質疑で明らかにされたように、この議案が昨年12月議会に提出された折、馬庭議員があえてこの「まごころサービスグループ」の2社について調べたところ、日本斎苑の広島支店は実態のないバーチャルオフィスだということがわかり、公募で行われた審査結果に重大な疑義があることが同議員から伝えられ、あわてて議案を取り下げた経緯があります。
しかし、広島市がこの会社の支店がバーチャルオフィスであることを訪問して確認した上で、改めて審査をしたところ、結局、「まごころサービスグループ」が一番高い点をとったということになりました。しかし、その差はわずか1点余りです。
問題は、この「まごころサービスグループ」が広島市内に本店や支店があるかどうかで加点を行う趣旨を知っていたにも関わらず、バーチャルオフィスで加点を得ようとした、つまり、明らかに広島市行政を欺いて加点を得ようとしたということです。
このようなことが分かった時点で、広島市が実施した公募という形の競争入札を妨害して不当な利益をあげようとしたとして、この「まごころサービスグループ」には公募に参加する資格が消滅したと言わねばなりません。あるいは、それでも公募への参加を認めたにしても、広島市行政を欺こうとした点を重視して、減点を行うべきです。
ところが、広島市行政は、「まごころサービスグループ」の欺瞞行為によって、12月議会への議案の提出を撤回しなければならなくなったことや、そのために余計な業務を行わねばならなかった、つまり広島市行政が相当の被害を受けたにも拘らず、さらに、いわば不当に競争入札を妨害したに等しいことが行われたにも拘わらず、この問題一切を不問に付し、そのまま審査をやり直すだけにしました。
厚生委員会での質疑で、こんな会社を信用できるのかと聞いたのに対して、法違反を行ったわけではないので信用できると答えました。法律に書いてあることに対して違反していたかどうかと、市を欺くような企業を信用できるかどうかは別問題です。実態として広島市が被害を及ぼされているにも関わらず、そんな企業を信用できるとは、何をかいわんやです。
これは極めて、特別な扱いだと言わねばなりません。
この「まごころサービスグループ」の筆頭会社である合人社計画研究所については、元安橋東詰めの世界遺産「原爆ドーム」のバッファゾーン内に設置されたオープンカフェの営業についても、長期間にわたって市との契約条件に違反していたにも拘わらず、その違反状態を追認する契約変更の申請を直ちに認めたという問題も、特別扱いだと言わねばなりません。広島市行政は、特定の企業をこれからも特別扱いするのでしょうか。本議案は到底納得できず、反対です。
同じ理由で、第274号議案の内、第289号議案に伴う予算を削除する修正案の共同提案者になりました。
次に、意見を付して賛成の議案について意見を述べます。
第294号議案、変更契約の締結についてですが、これは、恵下埋立地の建設工事について、鉛に係る土壌汚染調査等の追加のため、請負金額を増額するよう契約を変更しようとするものです。
建設工事がおよそ1年半遅延するため、工事の遅れを取り戻す努力をするにしても、恵下埋立地の使用開始は最長で1年半遅れる可能性があり、その分、いま使用している玖谷埋立地の使用延長が必要になります。地域のみなさんへの負担を少しでも軽くするために、出島の産廃処分場の活用が以前から提起されていましたが、本会議での答弁は、水に浮くゴミと浮かないゴミを仕分けする手立てがないため使用できないということでした。
出島埋め立て地は市も相当な負担金を出して県が約500億円もの巨額の税金を投入してつくったものですが、地元と約束した10年間では使いきれない、現状では、半分以上を使い残しかねない状況にあります。しかし、行政の信頼性を確保するために地元との10年間の供用期間は絶対守らねばなりません。ならば、広島市の水に浮くゴミも含めて、できるだけ出島処分場の活用を検討するのは当然です。
水に浮くゴミはダメのひとことで、片づけられるようなことではないと考えます。もちろん、新たに何百億円もかかるようなことでは困りますが、日本のあらゆる分野での世界に冠たる技術力を発揮すれば、水に浮くゴミも含めて投入が可能になるような工夫ができるのではないでしょうか。それが実現できれば、長年にわたって負担をかけ続けてきた玖谷埋立地周辺の方々にさらに負担を延長することも必要なくなり、もしかしたらもっと早く玖谷の使用を終了する可能が出てくるかもしれません。
これは積極的に取り組むべきことではないかと思います。
以上の意見を申し上げて、討論とします。
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