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【発言内容】
《意見を付して賛成》
2、第82号議案 広島市都市計画関係手数料条例の一部改正について
日本共産党の中森辰一です。日本共産党市議団を代表して議案に対する討論を行います。
第81号議案、第82号議案、第88号議案の3つの議案については、意見を付して賛成とします。その他の議案は賛成です。
まず、第81号議案、広島市一般会計補正予算(第2号)のうち、今年度の初めに、放課後児童クラブで200人を超える待機児を出してしまったことに対応して、来年3月までに放課後児童クラブを21か所増やすための補正予算について意見を述べます。
放課後児童クラブが足りない問題に対して、これを必要と考えられるだけ増やすわけで、大いに賛成です。ただし、そこで毎日働く指導員が必要なだけ確保できるのかたいへん心配しています。それは、実態として指導員の処遇が非常に低いという問題があるからです。公立の施設の場合、初任給で年収207万円余り、32年以上勤務していても238万円です。税金など諸々引かれると、毎月の手取り額は13万円から15万円です。自立して生活するのは大変厳しく、ワーキングプアに等しい収入です。
指導員の処遇問題は、保育士や介護労働者と同様、どうしても改善するべき課題です。この課題について、何ら考慮しようとしない広島市の姿勢は、大事な子どもたちを預かる事業を軽く見ているものと言わねばなりません。
改めて、指導員の処遇の改善を強く求めておきます。
第82号議案は、広島市都市計画関係手数料条例の一部改正ということですが、いわゆる住宅セーフティネット法に基づいて、民間住宅の所有者が、住宅の確保が困難な人たちが円滑に入居できるための住宅として登録する際の手数料を決めようとするものです。
質疑の中で明らかになったのは、形式的に登録手数料を決めておくだけで、実際に低所得の人たちが入居する際に障害となる家賃差を埋めるための補助制度や、高齢者向けなどの住宅改修のための補助制度はやる気がないということです。
本会議での答弁は、それを聞いただけではよくわからないものでしたが、建設委員会で質すと、要するに、広島市市営住宅マネジメント計画に、借り上げ市営住宅制度や家賃補助制度を、市営住宅の目標管理戸数の内数とするとしている、というのが理由でした。
低所得の高齢者の人たちが、民間住宅に円滑に入居が促進されるために、一番必要とされているのは、家賃補助といった経済的支援です。円滑入居の促進を謳いながら、一番肝心な支援方策をやらないというのは矛盾です。ここには、市が行政として責任を負う住宅を増やしたくない、この分野の予算を増やしたくないという考えがあるのではないでしょうか。
市営住宅は、今や高い倍率の抽選に当たらなければ入居することができません。民間住宅の老朽化や建て替えなどで、住んでいる住宅を退去せざるを得ない高齢などの配慮の必要な人たちにとって、いつまでも抽選に当たるのを待っているわけにはいきません。
他方で、市営住宅が高い倍率での抽選になる状況は、現状の市営住宅を減らしてはならないことを示しています。両方を成り立たせることが必要で、そのためには、せっかくの住宅セーフティネット法の趣旨を活かして、市営住宅とは別に、民間住宅を積極的に活用して、配慮の必要な市民が民間の住宅に速やかに入居できて安心の暮らしを続けられるように、そのための経済的支援施策に取り組むべきです。
このことを強く求めておきます。
第88号議案は、ゴミ焼却場の旧中工場の取り壊しその他工事の契約を結ぼうとするものです。
この契約が想定より低い低入札によるものであることについて質疑したのに対して、下請けの労働者の賃金などの問題について、元請けと下請けとの契約を確認しているから大丈夫だと答弁していましたが、日本では建設関係の事業の場合、重層的な下請け構造が特徴ですから、一次下請けだけチェックしても、それだけでは不十分です。
実際に現場で作業に当たる労働者は一次下請けの労働者とは限りません。二次下請け、三次下請けなど、末端の下請け会社までチェックしてはじめて、公共事業で働く労働者の賃金が保障されることを確認できます。
そこまできちんとチェックの目を届かせることが必要だということと、それを保障するためにも、これまで私たちが求めてきた「公契約条例」を設置すべきだということを申し上げておきます。
以上で、討論を終わります。