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【発言内容】
1、被爆地の責任を果たそう
(中原ひろみ議員)
本年7月7日、国連に加盟する193ヵ国の6割以上にあたる122ヵ国の賛成で核兵器禁止条約が採択され、核兵器の禁止が国際的なルールとなりました。広島、長崎への原爆投下から72年、核兵器が違法化され「核兵器のない世界」の実現に大きな一歩を踏み出す歴史の転機を迎えています。
この禁止条約は、アメリカなどの大国が「条約交渉に反対せよ」との恫喝や圧力を跳ね除けて採択されたものです。大国による力の支配でなく、すべての国々による倫理と法に基づき、諸国の政府と市民社会が共同して実現した歴史的成果です。
国連で行われた核兵器禁止条約の交渉会議をボイコットした日本政府と対照的に、日本共産党は日本の政党のなかで唯一交渉会議に参加し条約の実現に積極的な役割を果たしました。
禁止条約により、核兵器はその開発、実験、生産、保有、使用、使用の威嚇も禁止する法的規範を確立しました。さらに、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」と訴えてきた被爆者の声を正面から受け止める禁止条約となったことは画期的です。
松井市長は8月6日の平和宣言で、核兵器禁止条約の採択を受け、各国政府に対し「核兵器のない世界」に向けた取組を前進させようと訴えられました。ところが、被爆国である日本政府は平和式典の挨拶でも条約採択に一切ふれず、広島市が主催した「被爆者代表から要望を聞く会」の場においても、「署名することはない」という驚くべき態度を表明しています。
日本政府は、「核兵器保有国と核兵器を持たない国との橋渡し」をするといいますが、国連会議に参加もせず、禁止条約にも反対する態度は「核兵器にしがみつく国」であるとの表明に等しいものです。日本政府が本気で核兵器廃絶にむけた「橋渡し」の役目を果たすなら、まず、核抑止力論から抜け出すことが必要ではないでしょうか。この点での市長の見解をお尋ねします。
(市民局長)
本市は、被爆者の「こんな思いをほかの誰にもさせてはならない」という訴えを根底に据え、核兵器廃絶、すなわち核抑止や「核の傘」そのものがなくなることを願い、訴え続けています。
日本政府に対しても、国民的な議論により「核の傘」に頼らない安全保障体制の構築に向けた外交努力を続けていくよう要請しています。
(中原ひろみ議員)
さて、市長は6月にニューヨーク市で開催された「核兵器禁止条約」の制定交渉会議に参加され「核兵器廃絶に向けて市民社会の意識を高揚させ、幅広い世論の形成を図ることが必要」とスピーチをされています。とても積極的な発言だと評価するものですが、具体的にどのような取り組みをお考えですか。
(市民局長)
先月開催した平和首長会議総会において、「平和首長会議行動計画」を策定しました。
この計画にも掲げているように、「核兵器のない世界の実現」に向けて、国際世論の醸成・拡大が不可欠となるため、これまでの取り組みに加え、次代を担う若い世代の意識啓発を目指す平和教育に実施、広島・長崎に受け入れる青少年「平和と交流」支援事業等の充実、「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名活動を重点取組事項として掲げ、その取り組みを推進していくこととしています。
(中原ひろみ議員)
市議団として5つの提案をします。
1.核兵器禁止条約は9月20日から、すべての国に対して調印に付され、初日だけで50ヵ国が署名しています。今後、各国で批准手続きが完了すれば90日後に条約が発効されることになっており、来年には発効の見通しです。条約が発効された日を記念して、本庁・議会棟をはじめ、各区役所に「核兵器禁止条約発効」の垂れ幕をかけ市民にアピールすること。
2.世界では禁止条約への調印・批准を求めるヒバクシャ署名など「草の根」の行動をつなぐ世界同時行動(平和の波)が行われています。世界で億単位の署名を目標としている「ヒバクシャ国際署名」のコーナーを各公共施設に整備し、被爆地が署名推進に積極的な役割を果たす。
3.県内23市町の首長で、未だにヒバクシャ署名にサインしておられない福山市長、安芸高田市長に被爆地である広島市から署名を要請する。
4.核兵器禁止条約の内容を広く市民に知らせるパンフレットを作成し、平和教育などに活用する。
5.世界の7,400の都市が参加する平和首長会議で各国政府に条約への参加を働きかけける。
以上が提案です。どのようにされるか伺います。
(市民局長)
核兵器禁止条約の採択を受け、今後は、「核兵器のない世界」に向けた取組をさらに前進させていくことが求められる中、次のステップとしては、この条約の発効があります。
条約が発効するためには、50ヵ国以上の国がこれを批准する必要があることを含め、同条約の内容を市民に周知することも必要であることから、その概要について、ホームページへ掲載することや、区役所等にチラシを置くこと、また、これを学校の平和教育において活用することなどを検討しているところであり、条約が発効したことに関する垂れ幕をかけるまでもなく、周知は行き届くものと考えています。
平和首長会議では、すでに各区役所・福祉センターなどに署名箱を設置し、核兵器禁止条約に関する市民署名活動を行っているところであるので、同じ目的のヒバクシャ国際署名については、その推進の支援に徹したいと考えています。
本年6月に長崎市長と連名で、県内全市町を含む国内外の平和首長会議加盟自治体に対し、ヒバクシャ国際署名への賛同を呼びかける文書を送付し、各自治体の長の判断を待っているところです。
平和首長会議総会において、核兵器禁止条約が核兵器廃絶を達成しうる重要なステップになるものとの認識の下、「核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議」を採択し、すでに国連事務総長、ニューヨーク及びジュネーブの各国政府代表部等に送付しました。
今後とも、平和首長会議のネットワークを最大限に活用し、加盟都市と力を合わせ、核保有国を含むすべての国が核兵器禁止条約を早期に締結するよう国連・各国政府に要請していきます。
(中原ひろみ議員)
世界が核兵器を「悪魔の兵器」として認識し、禁止条約を採択する流れのなか、北東アジアでは北朝鮮の核・ミサイル発射を巡る緊張が高まっています。
国際社会が強く自制を求めているもとで、北朝鮮が日本列島を飛び越える弾道ミサイルを発射し、6回目の核実験を行ったことは、日本の安全と安定にとって重大な脅威であり、日本共産党は厳しく糾弾し抗議するとともに、ミサイル発射行為の中止を強く求めます。
国際社会が経済制裁の厳格な実施・強化と一体に、対話による解決の道を追求しているなか、安倍首相は国連総会で「必要なのは対話ではない、圧力だ」と演説されました。この発言は、「北朝鮮を完全に破壊する」と戦争をあおっているトランプ大統領と一心胴体であるかのように受け取られかねず、日本が北朝鮮の標的になる危険性を大きくしかねないものです。
国連でのトランプ大統領の発言に対し、北朝鮮は「アメリカ全土をミサイル攻撃する事態となるだろう」と脅しています。
「対話を無力」だとして非難の応酬を繰り返し、軍事力で威嚇し合うことは、一番恐ろしい戦争につながります。絶対に、核戦争にしてはなりません。
そうしたなか、広島市はミサイル発射に対する避難訓練を検討するとしていますが、このような動きは、北朝鮮が日本に実践攻撃をしかけているかのような危機感を煽るものです。
万が一にも、ミサイル攻撃がされれば一番の被害を受けるのは日本と韓国です。多大な犠牲者を出す危険を避難訓練で解消することはできません。米朝両国の軍事的緊張がエスカレートすれば、偶発的事態や誤算による軍事衝突が起こる危険が高まるばかりです。
日本政府に対し、米朝両国の自制と無条件での直接対話に踏み出し、破滅的な事態を招く軍事的衝突を回避するよう求めるべきではありませんか。
また、核保有国も含めた世界の国々が核兵器禁止条約を批准し、核兵器を禁止し、核抑止力論をとらないことを明確にすることこそ、北朝鮮に対し核開発を放棄せよと強く迫ることができると考えます。以上2点について市長の見解をおたずねします。
(市民局長)
核保有国も含む世界の国々が核兵器禁止条約を批准することに寄り、北朝鮮の核開発の放棄につながるかどうかはわかりかねますが、本市としては、核兵器が使用されるような事態が生じることの内容、関係国がしっかりと取り組む必要があると考えているところであり、また、核保有国も含む核兵器禁止条約批准と米朝の軍事的衝突の回避の両方が実現されるよう、日本政府を含めた国際社会が、緊密な連携の下、外交努力を重ねていくべき局面にあると考えております。
(中原ひろみ議員)
市民生活への影響は、北朝鮮のミサイルだけではありません。岩国米軍航空基地は今年1月から沖縄の嘉手納米空軍基地とならぶ極東最大の戦争出撃基地に再編されており、安心・安全な市民生活を脅かす危険性が高まっています。
今年一月には、騒音が激しい米軍最新鋭のステルス戦闘機F35Bが、岩国基地に10機配備されました。この戦闘機は昨年十月にアメリカ・サウスカロライナ州で発生した出火事故の原因究明もされないまま配備されています。
さらに年末までに厚木基地から移駐される、原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機61機と併せると、岩国基地の米軍機はほぼ倍増し130機を超えます。沖縄の嘉手納基地の約100機を超す、極東・アジア最大の航空軍事基地へと肥大化します。
事故も多発しています。昨年からだけでも、沖縄でのハリアーとオスプレイの墜落事故、高知沖でのFA18ホーネットの墜落事故、先日9月8日には、オスプレイがエンジントラブルで大分空港に緊急着陸するなど、岩国基地所属または関連機の事故が相次いでいます。私たちが住む町、訓練空域でもない瀬戸内海の上空、あるいは広島市内の上空を、こうした空中給油機が飛び回り、訓練することは、絶対にあってはならないと思います。
これまで、広島市は安全保障上の問題は、国政の場で議論されるべきものであるとし、市民生活に影響を及ぼすような事態が想定されれば、市民の安心・安全を守る立場から、国に対し適切な対応を求めたいと答弁されてきましたが、万が一にも、北朝鮮とアメリカとの軍事衝突になれば、安保法制のもと日本がアメリカの戦争に自動的に参戦することになります。文字通り、海兵隊の軍事基地へと変貌した岩国基地から戦闘機が飛び立つことになるでしょう。米軍機による騒音問題や事件・事故の発生だけでなく、市民生活の危険性は高まらざるを得ませんが、広島市には、そのような認識はないのか伺います。
(市民局長)
岩国基地の機能増強については、低空飛行訓練の増加や事故発生の危険性の増大など、市民生活への影響が懸念されます。このため、本市としては、関係自治体が連携して取り組むべき問題として、広島県を通じ、市民の安全・安心な生活を確保するための必要な措置がなされるよう日米両政府に要請してきているところです。
(中原ひろみ議員)
防衛省が1月に改定した騒音予測図では、世界遺産「宮島」が騒音の影響をうける範囲に入ることがあきらかとなりました。宮島のある廿日市市議会は、これまで以上に騒音被害や低空飛行が増加し、市民生活に影響がでるとして今年3月「米海軍空母艦載機部隊及び、夜間離着陸訓練施設の岩国基地移転に反対する意見書」を賛成多数で採択しています。
広島市も他人ごとではありません。上空からみればわずか60キロの広島湾のなかに岩国基地も廿日市市も広島市も位置しています。
低空飛行など従来と同様の訓練が行われれば、騒音などによって訓練直下の住民の負担が増すことは火を見るより明らかであり、被害が出てから対応するのでなく、市民生活の安寧の確保 周辺の平和を脅かさせないという立場に立ち、岩国基地の増強に反対すべきではありませんか。
市の見解をお聞きします。
(市民局長)
本市としては、我が国との米国の安全保障上の問題は、基本的には、国家間の問題として、国民世論を踏まえ、国政の場で議論されるべきものと考えています。しかしながら、市民の安全・安心を守る立場から、基地の増強に伴い、市民生活に影響を及ぼすような事態が発生しないよう、引き続き広島県等と連携を図りつつ、日米両政府に対し適切な対応を求めてまいりたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
広島市は比治山「平和の丘」構想を契機に、放射線影響研究所移転の調査費を国に要求されていますが、単に場所さえ移動すれば良い施設ではありません。
放射線影響研究所の設立70周年の式典で、理事長は「調査はしても治療はしない」と批判されたことについて、「心苦しく残念」との反省の言葉を述べられました。が、その一方で、研究の成果が医療現場や原発事故を起こしたフクシマで放射線から人々を守る政策や規制に役立っているとして、ヒバクシャや被爆二世に感謝されたと報道されています。
しかし、2006年5月の大阪地裁判決を皮切りに全国で40件の原爆症認定を命じる判決の根拠になったのは、長崎の研究室に保存されていた被爆者の内臓から70年経った今もアルファ線が出ていることが確認されたからです。
放射線被ばくの影響は一生続くだけでなく、死後も続くことが確認されたにもかかわらず、放射線影響研究所が行ってきた放射線の人体影響は、体外被曝が中心の調査研究です。
その為、原爆症の認定は爆心地からの距離が認定基準にされています。しかし、皮膚被爆線量は爆心地からの距離に必ずしも比例しないということが、フクシマから飛び散った放射性物質の線量が同心円ではなくホットスポットとして特定地域で高線量を示すことで実証されています。
広島・長崎でも直接被爆しなかった人が家族を探して爆心地に入市し、残留放射線に被爆する「残留放射線被爆」や放射線を浴びた食料や水を飲んで、身体の内部から常時、放射線を浴び続ける「内部被爆」の被害がでているのに、国は黒い雨の降雨地域の拡大を認めようとしていません。
フクシマの子どもを中心に甲状腺ガンや機能低下症のあるなしも論争になっています。
今、放射能影響研究所に求められるのは、被爆線量や被爆距離に関係なく、一生続く放射線被爆の実態を明らかにすることです。放影研の前大久保理事長は、原爆症認定裁判のなかで放射線被爆の人体への影響で分かっていることはまだ5%に過ぎず、疫学調査はまだ研究途上にあると発言されています。
黒い雨降雨地域の拡大、被爆二世への遺伝的な影響、フクシマの子どもたちに甲状腺異常が多発している問題など、内部被爆の影響を調査研究することこそ求められます。
そうした研究は、核実験被害を受けているマーシャル諸島など世界の被爆者や、原発で働く労働者の健康被害をも明らかにすることにつながります。まさに、内部被爆の研究は被爆地と日本政府が行うべき人類的な責務です。
1947年に放射線影響研究所が設立された当初、広島、長崎で生まれた被爆者の子ども 死産の赤ちゃんも含む 被爆2世77,000人を調査したことをアメリカの調査担当部長が明らかにしています。
はだしのゲンの作者である中沢啓二さんは、被爆から21年後に亡くなったお母さんの「内臓をくれ」と言ってABCCが来たことを、TBSの報道特集で語っておられます。
2011年には13,000件の「黒い雨」データが保有されていることもわかりました。
加害者責任を明確にした核兵器禁止条約が採択された今こそ、被爆者から強引に収集したデータを全部公開させ、兵器の直接的な殺傷能力を研究するアメリカの国家機関から切り放し、 内部被爆や低線量被爆の研究へと切り替え、真にヒバクシャのための被爆の研究組織へと改編すべきです。市の考えをお聞きします。
(健康福祉局長)
公益財団法人放射線影響研究所(放影研)は、長年にわたり、被爆者の寿命等に関する疫学的調査を行うなど、被爆実態に関する調査研究の上で重要な役割を担ってきており、その研究成果は公表され、国際的に放射線被曝の線量限度を決める上でも貢献をしているものと考えています。
また、放影研の組織の在り方については、日米両国政府の支援により設立された研究所であることを踏まえ、政府によって適切に判断されるべきものと考えています。
本市としては、放影研の移転は市民の長年にわたる宿願であり、今回各方面のご支援により、厚生労働省が調査費を概算要求する段階になりましたが、今後、円滑に移転が行われることが重要な課題であると考えており、引き続き関係機関との調整を鋭意進めるとともに、国に対し、しっかりと要望してまいります。
(中原ひろみ議員)
広島市は被爆100周年の先導的事業として、比治山を3つの期間に分けて再整備する「平和の丘」構想を表明されました。比治山を安心・安全な公園として維持する対策や予算が必要であることは、言うまでもありません。
しかし、平成31~33年度の2期工事で計画しているエレベーターやペデストリアンデッキ、ディキャンプ場など、3期工事で整備する放射線影響研究所跡地への音楽イベントや演劇等に利用できるステージ、レストランなどの開発を「市民は本当に望んでいるのか」との疑問がぬぐえず、市民の意見を聞くアンケートを日本共産党市議団として実施し、比治山周辺にお住まいの方にご協力いただきました。
アンケートでは新たな開発の必要性について尋ねましたが、市の計画の再検討、中止を求める声が圧倒的でした。寄せられた意見を紹介します。
・新しく近代的なものを作るよりも、今の自然を大切にしてほしい。
・今ある施設で十分。現代美術館などの展示を充実させていくほうがよい。
・平和という言葉を利用して形ばかりのものをつくっても無駄になる。スカイウォークは全くの無駄であった。未来の人づくりが重要であり、子どもや市民が不安なく生きていくことが平和なのであり、そのためにこそ財源を使ってほしい。
・比治山の地質は非常にもろく、豪雨時の土砂崩れが心配。安全対策を優先してほしい。
・放射能影響研究所は、被爆者を研究材料としてきた歴史の遺産として建物を残すことに意義があるのではないか。被爆の研究成果を正しく学べる資料館として整備すべきではないか。
などです。これらの声をしっかり受け止めるならば、計画の再検討が必要だと思いますが、どのようにお考えですか。
(企画総務局長)
比治山公園「平和の丘」基本計画は、構想の実現に向けたアイデア等の募集、公園利用者へのヒアリング調査、ワークショップによるアイデア募集、地元住民の方々への説明会、基本計画(素案)に対する市民意見募集といった様々な手段によって、広く市民の皆様から頂いた662件という多くの意見等を集約して策定したものです。
比治山公園の再整備にあたっては、今後も機会を捉えて、市民の皆様の意見等をうかがいながら、基本計画に盛り込んだ様々な取組を着実に進めていきたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
次に、比治山に関する具体的な改善要望です。
・個人がゴミを持ち込んで捨てている状況がある。ゴミのない比治山にしてほしい。
・カラスや野良猫が多数おり雰囲気が悪く、子どもを遊ばせることもできない。
野良猫の対策をしてほしい。
・トイレを洋式にしてほしい。
との要望です。どのように対策されるのか伺っておきます。
(都市整備局長)
比治山公園では、これまで人目のつかない遠路沿いののり面等でごみの不法投棄が行われたことがあったことから、不法投棄防止の啓発看板の設置を行うとともに、職員や警備員による巡回により、不法投棄を発見した場合には、その都度、回収・処分を行っているところです。
今後とも、引き続き、関係部署と連携を図りながら、不法投棄防止の啓発を行うとともに、公園の環境美化に努めてまいります。
次に、野良猫の対策については、現在、比治山公園では、地元やボランティアの方々と行政が連携し、地域住民が主体となって「地域猫活動」が行われています。
この活動は、野良猫の不妊・去勢手術や適正なえさやりなどにより、野良猫を適切に管理していくものです。
こうした活動を地域住民の方々と継続していくことで、今後、徐々に比治山公園の野良猫が減少していくものと考えています。
次にトイレの洋式化については、現在、比治山公園にはトイレが6か所あり、このすべてに洋式便器を備えた多目的トイレブースを設置しているところですが、多目的トイレブース以外では洋式便器を備えたトイレは1か所しかありません。
残る5か所については、今後、「平和の丘」構想を進めていく中で、公園利用者の意見を聞きながら、トイレの更新等に合わせて洋式化を検討していきたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
次に、比治山に対する市民の想い、被爆100周年にむけた取組に関しての意見を紹介します。
・被爆による魂がたくさん眠っている比治山を、他の観光地と同じようにしないでほしい。
・段原地区は比治山のお陰で、家屋の倒壊を免れた。比治山の存在が多くの市民の命を守ったことも大切にしてほしい。
・広島市の被爆の事実と併せて、加害の視点から学習ができる糧秣支廠、被服支廠などを巡るツアーを計画し、そのなかに、比治山公園の山陽台と放影研前の二か所の広場から市内を眺望するコースを設ける。
などの意見が届いています。これらの貴重な市民意見を、きちんと受け止めて生かしていただくよう求めておきます。
(中原ひろみ議員)
9月からスタートしたいきいきポイント事業に、多くの高齢者が積極的に参加され、地域のボランティア活動や介護予防・健康増進へとつながることが期待されます。
しかし、このポイント事業は、比較的 元気な高齢者だけを対象とする制度であり、病弱な方や介護が必要な高齢者を排除してしまう不公平感を抱かせる制度になっていることを指摘しなければなりません。
宇品に住む高齢者から私宛に手紙が届きました。その内容を紹介します。
「高齢者の楽しみを奪わないでください。パスピー、タクシーチケット補助が削減されると聞きました。
本当に6,000円のチケットを頂いて感謝しておりました。が、廃止理由として、買い物や通院は社会参加ではない、社会参加の目的に沿った利用確認ができない。ということですが、社会参加したくても人間関係の難しさ、身体の調子の悪さから公の社会参加ができない者への大きな嫌がらせとしか思えません。残念です。
人は誰でも同じ様にはなれません。いろいろの事情があり活動されている皆さんと一緒にはできないこともあるのです。
ボランティア活動にポイントを付けるという制度は、活動的な元気な高齢者には利益があり、そうでない者には何もないですよ。ということになるのでしょうか。
年金暮らしであり、病院の治療費もなかなか出せない高齢者の助けになっていた補助制度を減らさないでほしいとおもいます」という内容です。
この手紙は「ボランティアなどに参加したくてもできない高齢者がいることを忘れないでほしい」と訴えています。市は6月議会で「半額でも高齢者公共交通費助成を残し、生き生きポイント事業と併用させる移行期間を設けて配慮した」と答弁されましたが、病弱な高齢者から見れば「配慮」どころか元気な高齢者との「差別」と受け止められているのです。悲しみが伝わり、切なくなります。
市は、この手紙をどのように受けとめられますか。
(健康福祉局長)
高齢者公共交通機関利用助成制度を見直した理由は、高齢者の社会参加の促進という制度本来の目的に沿った利用がなされているかどうか検証できないという問題があったためです。
交通費助成を利用して外出できる方であれば、高齢者いきいき活動ポイント事業を利用して、引き続き、健康づくりや介護予防など、少しでも活動の機会を広げていただくことにより、これまでの活動を維持・充実していただけると考えています。
また、グラウンドゴルフやラジオ体操などの体を動かす活動だけでなく、囲碁や将棋、手芸など文科系の活動もポイント付与の対象とし、より多くの高齢者が事業に参加できるようにしています。
さらに、高齢者がより近くで、地域活動に参加していただけるよう、地域に開かれた住民運営の介護予防拠点の整備や高齢者地域交流サロンの運営など、地域における活動の立ち上げや運営に対する人的支援・補助を行っており、引き続き、活動の受け皿を増やすなどの環境整備に努めてまいります。
したがって、議員の「差別」とのご指摘は当たりません。
(中原ひろみ議員)
本来、行政が事務・事業を構築するうえで、考えなければならない基本は、弱者をどう支援するかということではないでしょうか。
高齢者公共交通利用助成制度を縮小・廃止して、いきいきポイントへと改変するのでなく、長年、社会に貢献されてきた高齢者に「敬老」の祝いを込めた「敬老パス」事業として、いきいきポイント事業とは事業目的を切り離し、独自の事業として継続すべきではありませんか。市の考えをお聞きします。
このさい、いきいき事業の活動団体登録数と高齢者公共交通機関利用助成の助成決定者数を聞いておきます。
(健康福祉局長)
少子高齢化の進展等に対応し、地域福祉を再構築していくためには、高齢者の社会参加をより的確かつ効果的に促進することこそが重要であり、敬老の祝いを込めた事業の創設については、その必要性、効果の観点から慎重に考える必要があります。
なお、8月末現在の医療機関を含む活動団体登録数は、約7,000件、高齢者公共交通機関利用助成制度の助成決定者数は、約14万4,000人となっております。
(中原ひろみ議員)
厚生労働省は、2025年には認知症の人が約700万人、65歳以上の高齢者の5人に1人になるとの見通しを発表し、認知症の人と家族の意志が尊重され、できる限り住み慣れた地域の、よい環境で自分らしく暮らし続けることができる優しい地域づくりの実現を目指す新オレンジプランを進めています。 広島市も平成30年度~32年度の第7期高齢者施策推進プランで、認知症の施策を重点施策として推進するとされています。この推進プランを充実させる立場から、質問と提案をします。
(市長)
中原議員からのご質問にお答えします。「認知症の方への支援」についてご質問がございました。
高齢化の進展と75歳以上の高齢者人口の増加とともに、本市の認知症の方の数門増え続けることが見込まれており、要支援・要介護認定を受けている認知症の方の数は、2016年の約3.3万人から、2025年には約4.4万人に達すると推計されています。認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、認知症施策を総合的かつ体系的に推進していくことが重要となっております。
認知症の方には、なじみのある環境での生活の継続が特に重要となります。そのためには、早期診断・早期対応をはじめ、認知症の容体等に応じた適切な医療・介護サービスが提供できる体制、地域社会全体で認知症の方とその家族を支える仕組みの構築が求められていると考えています。
こうしたことから、本市では今年度、東区と西区に「認知症初期集中支援チーム」をモデル的に設置し、医療・保健・福祉の専門職が、認知症が疑われる方や認知症の方及びその家族を訪問し、早い段階での支援を包括的・集中的に行い、速やかに医療・介護サービスに安定的につなげる取り組みを開始するとともに、従来のかかりつけ医、認知症サポートイに加え、病院勤務の医療従事者、歯科医師、看護師、薬剤師といった医療関係者に向けた研修などを実施することで、医療・介護関係者が連携して認知症への対応力を向上していくこととしています。
また、地域での支援体制の充実に向けては、認知症地域支援推進員を中心として、認知症の方や家族、地域住民、専門職が気軽に集い、交流できる「認知症カフェ」の取り組みの普及、定着を図るとともに、認知症に関する正しい知識を身につけた認知症サポーターが、さらに一歩踏み出して、見守り活動や認知症カフェの運営ボランティア等、認知症の方と家族を支える活動に取り組むことができるよう、ステップアップのための講座などを実施することにしております。
認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる地域を気付くことは、本市が構築している地域包括ケアシステムにおいても必要不可欠な取組であると考えています。ただいま、申し上げた取り組みをさらに充実していくなど、今後とも、認知症施策を総合的かつ体系的に推進することで、認知症の方とその家族等にやさしい地域づくりを進めていきたいと考えています。
その他のご質問については、関係局長から答弁いたします。
(中原ひろみ議員)
現在、広島市には認知症の方はどの程度おられるでしょうか。認知症により日常生活に支障があれば、精神障害者保健福祉手帳を取得することができますが、認知症で精神障害者保健福祉手帳を取得している方はどの程度おられるか、人数と比率をお答えください。
(健康福祉局長)
平成29年3月末現在、本市において要支援・要介護認定を受けている認知症の方は3万2962人です。一方、アルツハイマー型などの認知症を主たる精神障害として精神障害者保健福祉手帳を取得している方は、471人となっており、その比率は、約1.5%となっています。
(中原ひろみ議員)
障害者手帳を取得すると、様々な制度が適用され認知症の方の福祉に大きく貢献します。
例えば、65歳以上の年金受給者の場合、公的年金等控除額120万円を除いた年間の所得が125万円以下であれば所得税、住民税などが非課税になり、介護保険料や利用料の負担や、高額療養費の負担限度額が下がります。また、精神の通院医療費の公費負担が適用され、公共料金などの割引や助成など障害者手帳取得者と同様の制度も利用できます。
このように、認知症の方の暮らしが大きく改善されるにもかかわらず、ほとんどの市民に、認知症で障害者手帳が取得できることが知られていないのではないでしょうか。
市のホームページを見ても、認知症が手帳取得の対象の一つであることがわかりにくく、医療機関でも、「医者が知らなかった」などの相談もありました。せっかくの制度が、市民生活の役に立っていない状況は改善が必要です。
年金暮らしで所得の低い方の場合、手帳を取得することで、日常生活の質も経済生活の水準も改善できるのですから、この制度の活用はたいへん重要です。市は、この点についてどのようにお考えでしょうか。
これまで、認知症の方の手帳取得について、どのように取り組んでこられたのですか。
(健康福祉局長)
精神障害者保健福祉手帳の取得に寄り、税負担の軽減や上下水道料の減免等の経済的な負担の軽減が図れることから、認知症の方やその家族等に対し、精神障害者福祉制度の周知と必要な申請を促すことは大切であると考えています。
このため、本市では、認知症を含む精神疾患に関する支援制度や精神科医療機関等の相談支援窓口をまとめた「心のケアガイドブック」を作成し、区の窓口に相談に来られた市民に配布するほか、精神科病院や訪問看護ステーション、障害者の相談支援事業所等に配布しています。
また、認知症の方の在宅支援に携わるケアマネジャーの自主勉強会等において、精神障害者支援制度の周知を図っており、認知症の方の在宅支援等に際し、ケアマネジャーが手帳申請等の支援を行うなど、確実に支援制度につないでもらうようにしています。
(中原ひろみ議員)
認知症の方が精神障害者保健福祉手帳を取得するメリット、取得方法、相談場所など、対象世帯をはじめ、精神科の医療機関や地域の開業医、ケアマネージャーや介護事業所にも丁寧にわかりやすく周知し、その取得を積極的に支援されることを提案します。どうされるか、お答えください。
(健康福祉局長)
認知症の人が、住み慣れた地域で安心して住み続けるためには、ご本人とその家族等に対し、その容体等に応じた切れ目のない適切な支援が求められますが、その前提として、適切な相談支援と助言を行う体制の構築と充実が重要であると考えています。
特に、若年性認知症の人については、就労や生活費等の経済的な問題が大きいうえ、配偶者が主たる介護者となる場合が覆う、時に本人や配偶者のお野党の介護と重なってフック数介護に直面するなどの特徴があることから、生活等に係る相談や就労の継続に加え、精神障害者保健福祉手帳の取得や障害福祉サービスである就労継続支援事業の利用、障害年金の受給など、様々な制度の活用が必要となることが想定されます。
現在、本市では、認知症の容態の変化に応じて、切れ目なく良質な医療、介護、生活支援等が提供されるよう、議員ご指摘の点も含め、利用できる支援策やサービス等の整理をしつつ、標準的な流れを示した「認知症ケアパス」の整備を進めており、そのうえで、今後、相談支援を担う関係機関への周知等を通じて、相談支援体制の更なる充実を図っていきたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
認知症の方をお世話する家族にとって、苦労されている一つに排泄の問題があります。足腰は丈夫だか、認知症は進んでいるケースでは、家族が付きっ切りで見守りをしなければなりません。
家族の負担を軽減し、認知症の方の尊厳を守るためにも、介護度4・5に関係なく精神障碍者手帳が交付された時点で、紙おむつを支給できるようにすべきではありせんか。市の考えをお聞きします。
(健康福祉局長)
本市で実施している高齢者在宅介護用品支給事業は、介護を必要とする人またはその人を介護している家族であって、その介護にかかる経済的・精神的負担が重いと認められる人について、その軽減を図ることを目的とするものです。
そのため、紙おむつ等の介護用品の支給について、「常時介護を必要とする」状態であることを支給要件とし、適正に運営されているものと考えているところです。したがって、精神障害者保健福祉手帳の交付をもって支給対象とすることは考えておりません。
(中原ひろみ議員)
また、広島市は各区、一か所の地域包括支援センターに、1人の認知症地域支援推進員を配置し、若年性認知症の人と家族の情報交換や交流の場を実施する認知症カフェを実施されています。
支援員から実情をお聞きすると、認知症の人とその家族に「人としての尊厳」を大切しながら「認知症カフェ」などの事業を実施することに大変なご苦労をされています。「とても、区に1人では対応できない」と訴えられました。
人口に応じた支援員の配置基準を作り、支援員を増員することが必要だと考えますが、いかがですか。
(健康福祉局長)
認知症地域支援推進員については、現在、各区1か所の地域包括支援センターに1名ずつ配置し、認知症疾患医療センター等の専門医療機関や医師会等と連携し、認知症に関する医療・介護連携の推進や地域包括支援センター、介護支援専門員等に対する技術的支援、若年性認知症の人や家族に対する相談支援等を実施しています。
本市においては、区単位で認知症に関する連携体制の構築を図っていくため、平成23年度に認知症地域支援推進員1眼を配置した後、順次、増員してきました。平成27年10月には、現在の各区1名ずつの体制を確立し、地域包括支援センターの他の業務との兼務ではなく、専任とするなど、比較的手厚い体制をとることで、認知症の人とその家族を支える地域づくりに一定の成果をあげていると考えています。
一方、今後、認知症の人は大幅に増加していくことが予想されており、それに伴って、認知症地域支援推進員が担うべき役割もさらに増していくことが想定されることから、今後に向けて、業務内容の充実と合わせ、体制の更なる拡充についても研究していきたいと考えています。
(中原ひろみ議員)
77名の犠牲者、全壊、半壊など585戸の住宅被害を出した2014年の8・20豪雨土砂災害から3年が過ぎました。
追悼式では、土砂災害にすべてを奪われた悲しみの中でも、前向きに生きたいと語られる被災者の姿は感動的でしたが、いまも多くの方が、生活再建の道半ばにあることを忘れてはなりません。
被災者のなかには、安全面の不安から改修や建替えを断念したり、土砂災害の危険性が高い特別警戒区域に指定され、民間への売却を諦めた世帯もあります。こうした被災者の土地が今も荒地のままになっていることに心が痛みます。
現在、被災地では「まちづくり協議会」の場において、これらの土地を、山と住宅の間の緩衝地帯や、一時待機所など地域の安全や防災、行事など地域の共有の場として使えないかなどの検討がされており、年度末には一定の結論が出ると聞いています。
協議会で出された結論を尊重し、市が土地を買い上げる必要があるような場合には、きちんと予算を確保し、被災地の復興を前に進めるために市がその役割を果たしていただくよう要望しておきします。
(中原ひろみ議員)
来年4月からは、中学校に入学する新入生の就学援助金を入学前の3月に支給できるようになり、喜ばれています。長年の市民の願いが実現しましたが、小学校も入学前に支給してほしいとの強い要望があり、実現にむけて提案します。
毎年11月には、小学校に入学する児童の就学前健診が行われます。この機会を活用して、就学援助制度申請書を配布し、事前に就学援助申請を受け付ければ、来年春の入学式に間に合うように新入学学用品費が支給できるのではないでしょうか。市の考えをうかがいます。
(教育長)
就学援助費のうち、新入学学用品費の支給については、入学準備にかかる保護者の経済的負担を考慮し、入学前に支給できるようにしていきたいと考えています。
このため、まずは、小学校在学中に就学援助の手続きをしていることで対象者が容易に把握できるなど、早期の実施が可能な中学校の新入生分について、来年春の入学前に支給が開始できるよう、平成29年度当初予算で措置をしたところです。
小学校の新入生分については、未就学児が対象となることから、ご提案のあった受付方法等のほかにも、入学前に就学援助の認定審査を行うための人員体制の確保や、事務処理に用いるシステムの改修などの課題があり、現在、その対応策について検討を行っているところです。
引き続き、中学校の次には小学校でも実施できるよう、検討を進めてまいります。