トップ議会情報・議員の発言2016年第2回6月定例会 議員発言 >一般質問・中原ひろみ議員


2016年6月9日 本会議 一般質問 中原ひろみ議員

  ●核兵器禁止条約の締結へ踏み出すとき
  ●熊本地震の教訓を生かそう
  ●地域経済を元気にするために
  ●公共施設の見直しは市民とともに
  ●サッカー球場整備について
  ●障がい者差別解消法を実効性あるものに

 日本共産党市会議員の中原ひろみです。市会議員団を代表して一般質問を行います。
 最初に九州・熊本地震で亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。一日も早い復興を祈るものです。
 また、4月28日沖縄県うるま市で元海兵隊員により殺害遺棄された女性の無念と沖縄の怒りに連帯し、核兵器も基地も原発もない社会を願い質問に入ります。


●核兵器禁止条約の締結へ踏み出すとき
(中原ひろみ議員)
 「ふたたび被爆者をつくるな」この被爆者の叫びが世界を動かしつつあります。昨年の国連総会では核兵器を非人道的兵器として禁止し、廃絶することを求める決議「核兵器の人道的結果」が初めて採択されました。 そうしたなか4月 広島市で開催されたG7外相会合に出席した外相らが慰霊碑に献花し、資料館を訪れました。続く5月27日にはオバマ氏が現職アメリカ大統領として初めて被爆地広島を訪問するという被爆者と被爆地の願いにこたえる前向きの一歩が踏み出されました。
 これらの動きを受け、被爆者と核兵器廃絶日本NGO連絡会など市民団体が発表した「核のない世界のための行動を求める市民声明」は、@被爆者の声に耳を傾け、いかなる核兵器の使用も壊滅的で非人道的な結末をもたらすという認識をもってほしい。A人類を破滅させる核兵器は人道的見地からも法的・政治的見地からも使うことは許されない。B全ての核保有国と「核の傘」の下にある国々は、核兵器に依存した安全保障から脱却し、核兵器のない世界のための法的措置となる核兵器禁止条約の交渉開始にむけた議論に参加すべき、と呼び掛けています。
 しかし、G7外相会合が採択した「広島宣言」では、「原爆投下による極めて甚大な破壊と非人間的な苦難を経験した」との表現となり「核兵器は非人道的兵器」との表現が消えてしまいました。核兵器使用を「非人間的」とする表現は、その人の性格によっては使うこともあり得ると受け止められます。
 被爆地で開催されたG7の外相会合で「非人道的」との表現が消えたことは、「核兵器が人類と共存できない」との認識からの後退ではありませんか、市長の見解をお聞きします。

(市民局長)
 G7外相広島宣言には、「核兵器は二度と使われてはならないという広島及び長崎の人々の心からの強い願いを共にしている」という文言が盛り込まれています。また、外務省の報道官は記者会見において、宣言の「非人間的」という言葉の翻訳についての質問に対し、宣言は被爆の実相と原子爆弾の投下の悲惨さを踏まえ、「核兵器のない世界」の実現を訴えるものであるとの説明をされています。
 こうしたことから、日本政府を含むG7各国が、核兵器の非人道性を踏まえ、核兵器廃絶に向けた国際的な動きを前進させる取組を進めていただくことを期待したいと思います。


(中原ひろみ議員)
 安倍総理はオバマ大統領の広島訪問について「核兵器のない世界に向けて大きな力となる」と述べていますが、日本政府は国連に加盟する193ケ国の約7割にあたる137ケ国が賛成している「核兵器禁止の国際交渉開始を求める決議案に「棄権」という恥ずべき態度を20年も連続で取り続けています。さらに、5月上旬、ジュネーブで開かれた「核兵器のない世界」を実現するための「法的措置」を検討する作業部会においても、日本政府は、「段階的アプローチが現実的」などと主張し、世界の核兵器廃絶を求める願いに背を向けています。このような核保有国の代弁者というべき日本政府の姿勢は根本的に改めるべきです。市長の見解をお聞きします。同時に、オバマ大統領が「私の生きている間は核兵器廃絶は実現できない」と演説されたことは核兵器廃絶を緊急の課題としている被爆者の願いに背くものです。被爆地の市長としてオバマ氏の演説をどのように受け止めておられますか。

(市民局長)
 オバマ大統領の演説については、「粘り強い努力によって、大惨事が起きる可能性を低くし、保有する核の根絶につながる道を示すことができる」と言われている点、すなわち、被爆者の「こんな思いをほかの誰にもさせてはならない」という核兵器廃絶を願う切なる思いを受け止めていただいた上での決意表明こそが重要であると考えています。
 国連公開作業部会においては、日本政府は、核兵器廃絶を進めるためには、核保有国と非核保有国との協力や、核兵器の段階的な削減が欠かせないとの主張をしています。これは、オバマ大統領の広島訪問後に、岸田外務大臣が、「核保有国と非核保有国が協力しなければ結果につながらず、引き続き、現実的、実践的な取組を続けていかなければならない」と述べられたことと軌を一にしています。
 本市としては、こうした発言は、日本政府が核保有国と非核保有国の橋渡し役として、「核兵器のない世界」に向けた取り組みを行うことを表明したものであると受け止めており、日本政府には、核兵器禁止条約を含む法的枠組みの議論が早期に始まるよう国際社会で主導的な役割を果たしていただきたいと考えています。


(中原ひろみ議員)
 今年の平和宣言は、広島市が目指している2020年までに核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」の実現にむけ、核保有国と日本政府に対し、「核抑止」から脱却し「核兵器禁止条約の国際交渉を始めるべき」と被爆地の強い意志を示す内容にすべきではありませんか。お考えをお聞きします。

(市民局長)
 平和宣言は、現在検討しているところですが、核兵器禁止条約については、平成24年以降、毎年、言及しているところであり、今年の平和宣言においても、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて取り組む際に、心に刻むべき、軸に置くべき基本的考え方を中心に訴えることになるものと考えています。


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●熊本地震の教訓を生かそう
(中原ひろみ議員)
 熊本地震では余震と本震で連続的に震度7の揺れが発生し、被害の大きかった熊本県益城町や南阿蘇村は地震により新たな断層が動き出しました。私は5月末に被災地にいき地震の巨大な破壊力と断層の怖さをこの目に焼き付けました。
 広島市地域防災計画では、今後30年以内に南海トラフで70%程度の確率で地震が発生するとしています。専門家は日本中に発見されていない断層があるとし、どこでも大きな被害出ると警告するなか5月には海上保安庁が南海トラフで、これまでの震源域の外側にも強いひずみが溜まっていると発表しました。これらの事実を踏まえ、今一度、巨大地震の発生を身近に引き寄せて考えることが必要です。
 南海トラフで地震が発生した場合、沿岸部は津波からの避難が命を守るうえで重要です。市は公共施設や民間高層マンションの所有者と災害時の浸水時緊急避難施設の協定を交わしていますが、最近はオートロックのマンションが増え、「いざ避難」というときにドアは開くのかと心配する多数の声を聴きます。どのようになっていますか。現時点の指定数とそのうちオートロックマンションの割合と数をお答えください。

(危機管理担当局長)
 本市では、津波などによる浸水時の避難体制の充実を図るため、地域の自主防災会や区役所、消防署が連携して公共施設や民間施設のうち、鉄筋コンクリート造等の構造要件などを満たす施設の管理者と協定を締結し、現在、517施設を浸水時緊急退避施設として指定しております。このうちの約4割の219施設がオートロックのマンションとなっております。
 このオートロックのマンションについては、あらかじめマンションの管理組合等と地元自主防災会の間で開錠方法を協議し、協定に明記しており、避難者が任意の部屋番号を押して、応答した居住者が開錠を行う方法により避難者を受け入れていただくこととしております。


(中原ひろみ議員)
 また「避難場所がわからない」との声もあります。災害種別で違う指定緊急避難場所を一人残さず周知徹底させるためには、高齢者や障害者などにも配慮したきめ細かな取り組みが必要ではありませんか。いかがお考えですか。例えば、マグネットにその地域の避難場所を一目でわかるように記入し、冷蔵庫などに張り付けておけば、スムーズな避難につながるのではないでしょうか。 現在、市としては、どのような取り組みをすすめておられるのか伺います。

(危機管理担当局長)
 本市では、市民自ら指定緊急避難場所を確認できるよう、本市ホームページのほか、広報紙「ひろしま市民と市政」6月1日号の区版や、自主防災組織に配布します「自主防災ひろしま」などあらゆる機会を捉えて市民への周知を図っております。
 また、本市では、市民が適切な避難行動がとれるよう、危険箇所や指定緊急避難場所等の地域独自の情報を町内会単位でわかりやすく盛り込んだ訓練を通じて避難経路や指定緊急避難場所を具体的に確認していただくことにより、市民への周知を図っているところでございます。
 今後は、市民のみならず、2020年の東京オリンピックの開催を控え、外国人旅行客が増加することが予想されますので、国からの要請に基づき、外国人旅行客に対しても指定緊急避難場所の周知を図るため取組の充実に努めていきたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 熊本地震の避難者は最大時には18万人を超えました。避難所となっている熊本市内のある小学校には800人の受入れ者数をはるかに超える1400人が避難し、自家用車での車中泊や路上での避難生活を余儀なくされる事態となりました。避難者に水や食料が届かない、ましてや温かいもの、野菜も食べられず体調を悪化させる人が増え、車中泊によるエコノミークラス症候群による災害関連死の発生など、非人間的な避難生活が大きな課題となりました。
 自らも被災しながら地域の婦人会会長として避難所の運営に携わってきた方にお話しを聞くことができました。1000人もの被災者に届けられたのはたった10ケのおむすび。その後1000ケのおむすびが届いたが、賞味期限切れだったといいます。
 小学校に備蓄されていた物資は毛布が20枚、アルファ米が50個など、とても1000人に対応できる量でなく、物資輸送を申し入れても道路が寸断し物資は届かなかったというのです。拠点施設にいくら物資が備蓄されていても、いざというときに使えないのでは意味がないと強調されました。熊本地震から学ぶならば、災害時に拠点施設から物資を移送する計画は「机上の空論」だということです。広島市の地域防災計画では南海トラフ巨大地震における避難者数は当日で約26万人、一か月後でも約65000人としていますが、地域防災計画で定めた指定避難所で、全て収容可能ですか。

(危機管理担当局長)
 本市では、広島市に影響を及ぼす地震の中で、避難者数が最も多いとされる南海トラフ巨大地震により想定されます避難者数約26万1千人のうち、阪神・淡路大震災の際に指定避難所に避難した避難者の割合を基に、指定避難所への避難者数を約17万2千人としております。
 指定避難所については、居住している小学校区内で避難ができることを基本に、各小学校区で1箇所以上、小学校等を中心に全体で212施設を指定しています。
 この212施設の収容人数は約21万5千人で、想定している避難者すべてを収容することが可能でございます。
 なお、熊本地震では、天井や窓などの非構造部材の損傷が原因で避難所としての使用ができなかったとの報道もあったことから、本市では、今後、指定避難所の非構造部材の点検を行うことといたしております。
 万が一、本市が想定した避難者より多くの避難者が指定避難所に避難しなければならないという事態になれば、必要に応じて近隣の公民館等の公共施設を指定避難所として開設することを考えております。


(中原ひろみ議員)
 指定避難所に備蓄されている物資は一日分だけ、しかも、すべての生活避難場所に備蓄されていません。いつまでに備蓄を完了させるのですか。

(危機管理担当局長)
 本市では、212か所すべての指定避難所へ非常食や毛布などの生活必需品を備蓄することとしておりまして、昨年度までに186か所の整備を完了し、残り26か所については、今年度13か所、来年度13か所整備し、全て完了することとしています。

(中原ひろみ議員)
 万一、想定を超える避難者があった場合は、どう対応するのですか。

(危機管理担当局長)
 物資の備蓄量については、広島市に影響を及ぼす地震の中で、避難者数が最も多いとされる南海トラフ巨大地震により、全壊または半壊により継続的な避難が想定される約12万1千人を対象に備蓄することとしております。
 万一、想定を超える避難者があった場合には、食料等の緊急調達及び供給協力に関する協定を締結しております、イズミやマックスバリュ西日本などの企業から調達することとしております。


(中原ひろみ議員)
 また、医療ストッキングや簡易ベッド、マット、パーテーションなど災害関連死の予防につながる物資の備蓄も必要です。いかがですか。

(危機管理担当局長)
 医療ストッキングは、着用方法を謝りますと、皮膚のかぶれや菓子の虚血などの合併症を発生する恐れもあり、医師や保健師など医療従事者の適切な指導の下で使用する必要があるため、避難所で診察や健康相談を実施する際、医療従事者が持参しまして、必要な避難者にすすめることとしております。
 また、簡易ベッドやパーテーションなどは、8.20豪雨災害の対応を踏まえまして協定を締結した事業者から、段ボール製のベッドや間仕切り等を調達することとしております。
 

(中原ひろみ議員)
 安田学園は地域の要望に応えて避難所の指定を受けていただいていますが、敷地が狭いため備蓄倉庫を置くことができず、地元から不安の声が出ています。このような状況では安心して避難できませんが解決策があるのか伺います。

(危機管理担当局長)
 安田学園への備蓄倉庫の設置については、学園の敷地が狭く設置が困難なことから、今年度、隣接します本市の公園内に倉庫を設置することとしております。


(中原ひろみ議員)
 巨大地震が発生すれば長引く避難生活とならざるを得ません。長引く避難生活における被災者の健康を維持するには栄養面に配慮した食事の提供が不可欠です。
 熊本市では、被災者の炊き出しに学校の給食調理室が使えなかった事を悔いておられました。ガス漏れ事故を防ぐため都市ガスは止められてしまったのです。力を発揮したのはプロパンガスでした。広島市の防災計画では、給食施設を被災者炊き出し用に使用しなければならなくなった場合は、学校給食と被災者炊き出しとの調整を図るという対策が明記してあります。
 広島市でも都市ガスの学校給食室が多数ありますが、災害時に都市ガスが止まっても、プロパンガスに切り替えて、被災者に温かいものを提供できるよう給食調理室の再整備を検討しておくべきではありませんか。

(危機管理担当局長)
 災害時に被災者に温かいものを提供できる体制の整備の一環として、都市ガスが止まった場合に備えた、給食調理室の再整備をしてはとのご質問ですが、災害時の避難所における熱エネルギー供給方法に関する問題ですので、私の方から答弁をいたします。
 災害時の避難所における熱エネルギーの供給方法として、プロパンガスを活用することについては、復旧への対応は比較的早いものの、ボンベの設置場所や転倒防止措置などの安全対策に課題があることから、これらの課題に適切に対応できる方策を含め、今後、慎重に検討してまいります。


(中原ひろみ議員)
 熊本地震では28,000棟が全壊・半壊し、犠牲者の多くが崩れた建物による圧死でした。改めて住宅の耐震化の必要性が見直されています。広島市が2月に発表した建築物耐震改修促進計画では、5年後の平成32年までに約8,100戸の耐震化を行い、住宅の耐震化率を現状の86%から90%に引き上げるとしています。しかし、過去7年間の実績をみると、年平均で0.57%しか耐震化されていません。このように低い耐震化率では目標の達成は危ぶまれます。市はどのようにして目標達成される考えですか。耐震補強工事が進まない原因をどう分析されていますか。

(指導担当局長)
 住宅の所有者が耐震補強工事を実施されない理由としては、補強工事には一般的に相当の費用を要することが一因にあると考えられます。
 そのため、本市では、これまでの耐震診断補助制度、耐震改修設計補助制度に加え、本年度から、戸建て木造住宅の耐震補強工事に要する費用の一部を補助する制度を開始したところです。
 また、個人資産である住宅の耐震化を促進するには、何より所有者の耐震化に対する意識の高まりが不可欠と考えています。
 本年度は、熊本地震の影響によるものか、昨年度に比べて耐震診断補助の申込件数が大きく増えています。
 こうした市民意識の高まりを受け、補助制度の周知に努めるとともに、各種セミナーの開催等により一層の市民の意識啓発を図り、目標の達成に向け耐震化を促進してまいります。


(中原ひろみ議員)
 三原市は、行政主導で強力に推進しなければ住宅の耐震化は進まないとして、今年度から広島市の2倍にあたる60万円へと補助額を増額しています。
 また、寝室など長く過ごす部屋の、すじかい補強など住宅の一部を補強する簡易工事も補助対象にすべきではないでしょうか。

(指導担当局長)
 住宅の所有者の中には、地震に対する危険性を理解されていても、住宅全体の耐震補強への費用負担が困難な方や、単身世帯のため大規模な工事を望まれていない方などがおられるのではないかと推測されます。
 他都市では、こうした方々のため、住宅全体の耐震補強工事よりも安価で簡易な方法として、住宅の一部を耐震補強する場合や室内に「耐震シェルター」などを設置する場合に対する補助制度を設けている事例も見られます。
 本市では、地震から市民の生命を守るために、地域の実情に応じて、どういった支援策が効果的かという観点から、このような事例を参考として検討してまいります。


(中原ひろみ議員)
 市内には宇品体育館など耐震性がない防災拠点施設が10か所もあります。平成35年までの取り組みでなく前倒しで早期に耐震化を進めることが必要です。いかがお考えですか。

(危機管理担当局長)
 午前中の木戸議員のご質問に市長がご答弁しましたとおり、防災拠点施設の耐震化については、平成35年度までに耐震化率100%にすることを目標として、現在取り組んでいるところですが、このたびの熊本地震を踏まえ、今後、耐震化のスピードを更に加速していきたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 さらに、熊本地震では世帯数105戸の御船町営団地の、のり面が地滑りを起こす危険があるとして、現在も長期の避難指示が出されています。全戸が「全壊」と同じ扱いで「生活再建支援金」の支給対象となりますが、300万円の支援金では転居できないと住民は苦慮されています。振り返って、広島市は崩壊の危険性がある大規模盛土団地を公表されましたが、公表すれば終わりでなく、具体的な地盤調査と対策が必要ではありませんか。どうされるのか伺います。

(指導担当局長)
 現在、公表している大規模盛土造成地マップは、平成13年までに造成された大規模盛土造成地を表したものです。
そのため、早急に、宅地造成等規制法の改正により、地震時における盛土等の崩壊防止に係る基準が定められた平成18年までに造成された大規模盛土造成地を抽出する調査を実施し、その調査結果を活用して、市民一人一人が宅地を巡る災害についてみ時間問題であることを認識し、日ごろから、擁壁に変化がないか、水路が閉塞されていないか等の点検が行われるよう、市民の防災意識の向上を図りたいと考えています。
 合わせて、地盤調査等により造成地の危険性を把握する調査に速やかに着手し、その長さんの結果、盛土の崩壊等の危険性が高いと認められた造成地については、所有者への擁壁の補強等の指導等を行うとともに、国の制度を活用した支援策についても検討したいと考えています。


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●地域経済を元気にするために
(中原ひろみ議員)
 安倍政権は、国民が安心して働き、希望通り結婚し子育てができ、将来に夢や希望を持つことができる、魅力あふれる地方を創生する」として地方創生を打ち出しました。しかし、地方から「安心して働く」場や「結婚し子育てができる」環境をうばったのは誰でしょうか。農業を破壊し、福祉を削り、合併推進などで地方を切り捨ててきた、歴代自民党政治に原因があると言わざるを得ません。
 真に地域経済を再生させ人口を増やすためには、@国保料の引き下げや子どもの医療費補助制度の完全無料化、市独自の奨学金制度の創設など、社会保障制度の充実で市民生活の安定と展望をつくりだすこと、A企業誘致や公共投資の巨大開発に頼るのでなく、地域に根付いた中小企業や農家などを元気にし、地域内再投資力を高めることが基本だと考えますが市の認識をお聞きします。

(市長)
 中原議員からのご質問にお答えします。「地域経済を元気にするために」のうち、「社会保障制度を充実させ、中小企業や農家などを元気にすることが基本であると考えるがどうか」についてのご質問がございました。
 地域経済が持続的に発展するため、また人口減少に歯止めをかけるためには、社会保障制度の充実によって市民生活の安定を図ることはもとより、中小企業や農業者など様々な主体が、地域において生き生きと事業に取り組むことによって活躍できる社会をつくっていくことが重要であると考えております。
 地域経済の持続的発展を図るためには、地域の住民が豊かな生活を享受できるよう、ヒト・モノ・カネ・情報の循環が必要であるとも考えております。
 こうした認識から本市では、本市と近隣23市町が共同して、圏域経済の活性化と圏域内人口200万人超を目指す「200万人広島都市圏構想」を実現するために策定した「広島広域都市圏発展ビジョン」において、圏域内の全ての住民が豊かな生活を享受できるよう、「ローカル経済圏」の構築を図っていくこととしております。
 このため、本年4月に広島広域都市圏産業振興研究会を立ち上げ、その中で自動車をはじめとした基盤産業について、圏域内の中小企業からの部品調達等を促進することによる循環や、農林水産業について、圏域内の農水産業者が生産する産品の学校給食での活用等を通じた地産地消による循環を作り出すための具体的な施策の検討を行うことといたしました。
 今後は、この研究会を中心として、モノづくり中小企業や農水産業者の圏域内での生産拡大や消費拡大に努め、23市町と連携してヒト・モノ・カネ・情報の循環の創出に取り組んでいきたいと考えております。


(中原ひろみ議員)
 私たちは、市民から集めた税金が、外部に流れ出すのでなく有効に地域の中をまわり、地域の発展が促進される地域循環型の施策として、地場の建設関連業者の仕事を増やす住宅リフォーム補助事業の実施を提唱してきました。中古住宅流通・リフォーム市場規模は今や20兆円、国も推進する政策です。広島市があえてやらない理由はありません。市の創生総合戦略に組み込むべきではありませんか。市の考えをお聞かせください。

(経済観光局長)
 本市では、住宅リフォーム補助制度については、災害に強い都市構造の形成や、日常生活を営むのに支障がある高齢者や障害者の居住環境の向上を図ることを主眼において、住宅耐震改修やバリアフリー回収といった補助制度を設けており、その実施により、一定の経済的効果があると見込んでいるものです。
 今後も、この仕組みを守っていきたいと考えています。


(中原ひろみ議員)
 広島市は連携中枢都市として23市町の経済を牽引する役割を担いましたが、地域経済の主役は中小企業です。広島県内では中小企業が99.8%を占め、従業者数でも78.6%を占めています。これら中小企業に仕事と雇用を増やすことが地域の活性化には不可欠です。北九州市をはじめ、新潟市など、大企業が多く進出している政令市を含む8都市が「中小企業振興基本条例」を制定し、中小企業とともに地域経済の発展をはかる意思を明らかにしています。広島市でも小規模企業、中小企業振興の施策を一層推進するために具体的な施策を進める土台となる「中小企業振興基本条例」の策定を進めることが必要ではありませんか。お考えをお聞きします。

(経済観光局長)
 議員ご提案の中小企業振興条例の制定については、中小企業団体をはじめとする経済界の意識の共有と気運の醸成を図りながら検討する必要があると考えており、広島県中小企業家同友会における事例研究等の状況や他の関係団体の意見も踏まえながらしっかりと検討していきたいと考えています。


(中原ひろみ議員)
 地域経済を考えるときTPPの問題は重要です。広島県が発表したTPPの県内農林水産物への影響試算によると、県内の柑橘類として全国で首位の生産額を誇っていたネーブル、八朔はオレンジ自由化以後、生産額が減っています。市は、総合戦略で農林水産業総生産を79.3億円から85億円に増やす目標値を掲げ、担い手を育成し、圏域内の農業の活力向上で、地場産農産物の消費拡大に取り組む」としていますがTPPにより野菜、果物、牛、豚など農林水産物の8割以上の関税が撤廃されれば、食料自給率のさらなる低下は避けられません。遺伝子組み換え食品やBSEなど安全性への不安もあります。また、市の公共事業や物品・役務の契約を小規模なものも含めて外国企業にも開放する可能性があり、自治体の経済対策にも重大な影響が及ぶことが考えられます。地域経済に深刻な打撃を与えるTPPは地方から反対と声を挙げるべきだと考えますがいかがでしょうか。

(経済観光局長)
 TPP(環太平洋連携協定)が発行された場合の地域経済への影響でございますが、まず、本市及び周辺市町に集積している自動車産業等の輸出型ものづくり産業にとっては、輸出が拡大するなど、国際競争力の強化や域内生産、雇用の維持に寄与すると考えられます。
 一方、確かに、農業では小規模な農家、特に畜産農家などへの影響が懸念されているところです。そこで、本市としては、まずは状況を的確に把握することが必要と考え、現在畜産農家などを訪問し、聞き取り調査を実施しています。こうした調査結果を踏まえ、その対応策について、国・県に要請していくもの、本市独自で実施できるものを整理しながら、これらの農家が今後も持続して経営できるよう努めてまいりたいと考えています。
 国においては、昨年11月にTPPの影響に関する国民の不安を払しょくする政策の目標を明らかにした「総合的なTPP関連政策大綱」を定め。これに基づき農林水産業の体質強化や経営安定・安定供給のため対策を具体化していくこととしています。今後とも、こうした国の動向にも注視しながら、必要に応じて国への要望も行ってまいりたいと考えております。

(中原ひろみ議員)
 一昨年4月の消費税率8%への引き上げが予想以上に家計消費を落ち込ませ、2015年7月発表の国民生活基礎調査では過去最高の62.4%が「生活が苦しい」と答えました。大企業が活躍しやすい環境をつくれば、いずれは家計に回るとしたアベノミクスの失敗です。労働者の実質賃金は5年間減り続け、2人以上の勤労者世帯の可処分所得は30年前の水準に逆戻りしています。しかし、安倍総理はこれほどまでの経済の落ち込みを「想定外」の一言で終わらせ、サミットの席では世界経済に責任を転嫁するなど、無責任な態度に批判が相次ぎました。消費税増税は、家計消費を冷え込ませ、地域経済に打撃を与え中小企業の経営を困難にし、倒産・廃業においこみます。税収を増やすなら300兆円を超す内部留保をため込む大企業や富裕層に、減税せず、まともな課税をすべきです。
 安倍総理は消費税率の10%への引き上げを2年半延期すると発表しましたが、市として消費税率引き上げは、延期でなくきっぱり中止すべきと国に声を上げるべきです。答弁を求めます。

(財政局長)
 法人課税については、平成28年度の税制改正において、法人実効税率が20%台に引き下げられたところですが、これが目的とするところは、企業の収益力を高めることにより国内投資や賃上げを促し、これにより、デフレを脱却し、日本経済を再生することにあるとされています。
 また、消費税率の引き上げは、消費税法の一部改正法第1条によると、「社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から行う」こととされています。
 本市としては、これら、地方の自主財源の確保に資する面もある税制改正が、適切に実施される必要があると考えています。


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●公共施設の見直しは市民とともに
(中原ひろみ議員)
 広島市が発表したハコモノ資産の更新に関する基本方針では、全ての公共施設を同じ規模・仕様で維持するには、現在の経費の1.8倍にあたる474億円が必要で、年間で203億円が不足するとしています。この基本方針をうけ今年度に策定される公共施設等総合管理計画では目標とする削減額があるのか伺います。

(企画総務局長)
 本市の公共施設等総合管理計画は、施設の更新量の削減ありきで数値目標を設定し、一律に削減を進めようとしているものではありません。
 施設ごとに、その特性、市民ニーズ、利用実態など様々な要素を考え合わせながら、効率的で、かつ、市民の満足度の高いサービスを提供できるよう、その処理方針を検討していく中で、施設数や施設規模が減少するもの、より大きく減少するもの、場合によっては増大するもの等があり、結果として全体の更新量が減少するといった計画にしていきたいと考えています。


(中原ひろみ議員)
 税金で整備した公共施設は究極的に住民のものです。公共施設の統廃合は地域社会に甚大な影響を将来にわたって及ぼす課題であり、自治体と住民が責任をもって自己決定すべきものです。市が一方的に管理基準を決めて、機械的に説明し、市民に押し付けたのでは深刻な行きづまりに陥るだけです。
 市が示した基本方針を見ると@「同様の所室」「規模が類似」したものは廃止する。A利用しやすい場所に移転するB民間移管・集約化・他の自治体の利用などの基準で見直すC公民館・集会所の再整理などと述べられています。
これらの基準をもとにして、だれが、どこまで踏み込んだ内容の公共施設管理計画を決めるのですか。

(企画総務局長)
 公共施設等総合管理計画では、「ハコモノ資産の更新に関する基本方針」を踏まえ、本市において、施設類型ごとに、@その機能・サービスをどうするか、Aどういった場所に配置するか、B複合化や集約化など、財政状況を踏まえた更新量調整のための工夫などの具体の方針を示すことにしています。


(中原ひろみ議員)
 公共施設をどうするかは地域のまちづくり、住民の自治計画として位置づけ、市民とともに考えることが必要ですが市はどうお考えですか。具体的な公共施設の見直しを行うまでのスケジュールと、利用者である市民の意見はいつ聞かれるのかお聞きします。

(企画総務局長)
 本年度中の策定を予定している公共施設等総合計画において、ハコモノ資産の施設類型ごとの方針をお示しします。
 その後、この方針を踏まえつつ、ここ具体の施設ごとに、耐用年数、利用見通し等を勘案したうえで、更新、複合化、集約化、廃止等といった処理方針を決定し、逐次実施していくことになります。
 公共施設等総合管理計画の管理過程において、これまでのハコモノ資産の取組と同様に計画案を市民や市議会にお示しし、これに対するご意見を頂きたいと考えています。 
 また、ここ具体の施設ごとの処理方針を決定する際においても、地域住民や利用者からご意見を頂き、納得度の高いものにしていきたいと考えています。

(中原ひろみ議員)
 さいたま市では、ハコモノ三原則(新規整備しない・建て替えは複合施設に・床面積を60年間で15%縮減する)と決め、住民参加型のワークショップを2012年から開催し、住民の理解と意欲を高めています。
 浜松市は、逆転の発想により廃止を決めて地域住民にどうするかを率直に提案しています。全庁的な資産経営推進会議を通じて「施設評価(案)」を公表し、廃止対象となった施設をどうするのか関係団体・利用者から意見収集を行い、「廃止は出来ない」と主張する場合は、その理由の説明責任を所管課が担うやり方で進めています。
 相模原市は、マネジメント検討調整会議という全庁的な体制で情報を共有しつつ多機能化・複合化の取組を進め、2013年からは公共施設の保全や活用を図る事業に用いる公共施設保全基金条例も創設されています。
 広島市でも公共施設保全基金の創設を検討すべきではありませんか。

(企画総務局長)
 議員ご提案のような基金は、年間の収支見込みを上回るような財源が現にある場合に、創設ができる仕組みであると考えています。
 本市において現在策定中の公共施設等総合管理計画は、現下の財政状況を踏まえつつ、将来の財政需要を見越した上で、持続可能な施設体系の再構築を目指すこととしているものです。
 まずは、このようなしっかりとした計画を策定することを優先したいと考えます。


(中原ひろみ議員)
 他都市では、公共施設の統廃合というマイナスのイメージを一転させ、地域社会の再活性化に必要な公民協働の取組に発展させる構えで取り組まれています。広島市も他都市に学び、住民自治の原則に立ち返り、拙速でなく粘り強い取り組みにすべきです。
 市民ニーズ、地域の要望にこたえるなら、単なる統廃合でなく施設を充実させていく計画も持つべきです。どうお考えですか。

(企画総務局長)
 「ハコモノ資産の更新に関する基本方針」においては、目標の一つとして、「市民満足度の高いサービス提供が可能な施設体系の再構築」を掲げています。
 この目標の達成に向けては、市民の需要を的確に把握し、市民の需要が高いと考えられる機能・サービスを追求し、その向上を図ることが必要であると考えています。


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●サッカー球場整備について
(中原ひろみ議員)
 サッカー球場の整備場所について、3月にサンフレッチェ会長から「運営が困難な広島みなと公園は使わない」との発言がなされ、整備場所の決定は先延ばしとなりました。その際、発表された「旧市民球場跡地への整備案」は、行政に費用負担を一切、求めないという、おもいきった内容でした。この提案を市はどのように評価されていますか。サンフレッチェ提案の整備案を含めた候補地決定への話し合いは行われたのでしょうか。整備場所の決定にむけた解決の糸口があるのか。現在の検討状況、いつ結論をだされるのか伺います。

(市民局長)
 先程、定野議員のご質問にお答えした通りでございますが、繰り返しになりますけども、ご答弁申し上げます。平成28年3月3日に、サンフレッチェ広島から旧広島市民球場跡地を候補地とするサッカースタジアム建設案が提案された後、5月13日と6月3日に追加の資料が公表され、現在、この内容について検証しているところです。
 サンフレッチェ広島の建設案では、まず、施設の規模については、サッカースタジアム検討協議会の提言である3万人よりも少ない2万6千人の収容人数とされていますが、過去10年間の日本代表戦は、3万人未満のスタジアムでの開催は94試合中4試合、A代表に限ると1試合のみであることや、西日本の3万人収容規模のスタジアムでは、過去10年間でA代表戦を含め6試合行われていることなどから、サンフレッチェ広島の建設案では、国際大会誘致の可能性は低いものと考えています。さらに、昨年、サンフレッチェ広島のホームゲームで入場者数が3万人を超えた試合が2試合あることから、2万6千人では入場できない観客が多く出ることになります。
 また、施設の内容については、敷地いっぱいにスタジアムを配置することになるため、観客の滞留場所や同線確保が困難になることや、現在の旧広島市民球場跡地よりもイベントスペースが狭いコンコースの使用で、しかも市民イベントであっても、現在は無料のところ、1回あたり100万円の使用料を徴収するにもかかわらず、現在の年間75万人を大きく上回る100〜150万人の集客を見込んでいることなどの不明な点があります。
 さらに、概算事業費についても、積算内訳が示されていないこと、規模の大小に関わらず共通に要する費用があるにもかかわらず、一席当たりの建設費単価に座席数を掛け合わせた比例計算で事業費を積算していること、また、過去5年間で建設コストが約30%高騰しているにもかかわらず、これが反映されていないこと、屋根の形状等の特殊工法に係る経費や地下埋設物の移設経費も反映されていないなどの問題があります。
 このほかにも、借入金のある状態での県または市への寄付を提案されていることや、運営する特定目的会社が、本来県または市に納付すべき収益を借入金返済に充当するスキームとなっていることなど、依然として実現可能性に疑問があることから、引き続き検証が必要であると考えています。


(中原ひろみ議員)
 さて、サッカー球場の整備場所を検討する場合、サンフレッチェの意見を聴くのは当然ですが、実現可能性調査のなかに、みなと公園を抱える地元の意見も尊重すべきです。これまでどのように宇品地区の声をくみ上げてこられたのですか。
 日本共産党市会議員団が昨年の暮れに実施した宇品海岸・西地区への「サッカー球場の場所を考える1000人アンケート調査」では、8割が「反対」という結果でした。
 アンケートには次のような意見が述べられていました。一部を紹介します。
 「小中学生のサッカー練習、老人クラブのグランドゴルフ、家族連れがボール遊び、自転車の練習などなど、地域に愛される憩いの場になっている。子供たちが安心して凧揚げなどで走り回っている姿を見ると、この公園をなくしてはいけないと思う。」「みなと公園があるから越してきた」という方もありました。
 他にも治安維持への要望とともに、環境悪化を危惧する意見が多くありました。内港埋立地に大型ショッピングセンターが出店、周辺にも各種大型専門店が開店し、地域外の人の流入が増え、不法投棄・不法駐輪・駐車などが発生しており、個人が特定できる優秀な防犯カメラをとりつけて取締を強化してほしい。広い道路が出来て若者の暴走バイクで迷惑している。パトカーとのイタチゴッコでは解決しない。宇品地区にほしいのはサッカー球場ではなく街路樹だとの声です。これらの意見に対し、対応を求めておきます。
 アンケートで見えてきたのは、みなと公園が宇品地域にとっておおきな存在となっているということです。みなと公園を候補地とするなら、物流関係者の理解だけでなく、宇品地区住民の日常生活の安心・安全、まちづくりの視点でも検討すべきです。
 市が実施した交通実態調査の結果とその解決策によると、来場者1万8,000人の場合は公共交通を拡充するほか、みなと公園以外に930台分の駐車場を郊外に確保するとしています。自動車交通量の増加による渋滞、市民生活への影響は避けられません。すぐにでも地元に説明して意見を聴くべきだと考えますが、いつの時点で説明し、地域の声を聞くのですか。
 それとも、サンフレッチェが「使用しない」と宣言した広島みなと公園への整備案は白紙になったと理解していいのでしょうか。

(市民局長)
 サッカースタジアムの建設候補地を早期に決定するためにも、これらの疑問を解消するための事務レベルでの協議を行い、双方の案について共通認識を持ったうえで、建設的な議論のできる4者会談の場を設けたいと申し入れているところであり、文書でのやり取りは行っていますが、話し合いは行っていません。
 こうした中、6月3日付の久保会長からの書簡において、県、市、商工会議所の3社に対して26項目の質問が質問が出されており、この書簡の中で、3者からの回答を踏まえて4者会談をより具体的で実りあるものにしたいとの提案を受けていることから、今後、早急に回答できるよう作業を進めたいと考えています。

 広島みなと公園については、広島県が中心となって港湾関係者との意見交換を行うなど、物流拠点として円滑な交通を確保するための意見をお聞きしているところです。
 また、地元住民の方々の意見をお聞きすることについては、本年4月の実現可能性調査報告書のとりまとめ後に行うよう準備していたところですが、3月になって、サンフレッチェ広島の案が示され、5月、6月と追加で資料が公表されたことから、実現に至っていません。今後、町内会長等と調整のうえ、報告書の内容やこれまでの経緯について説明する場を設けるとともに、サンフレッチェ広島の案についても情報提供するよう考えています。

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●障がい者差別解消法を実効性あるものに
(中原ひろみ議員)
 2016年4月より施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」は、障害が有ることを理由とした差別を禁止し、誰でも暮らしやすい、平等な社会参加を目指しています。「禁止」という強い表現でなく「解消」という消極的な表現に国の姿勢が表れているとの声もありますが、障害を理由とした差別をなくそうとする法律が日本で初めて誕生したことは大きな意義のあることです。しかし、差別解消法が施行されたからと言って、自然に障害のある人たちに対する差別がなくなるわけではありません。障がいのある人たちが差別を感じる場面を一つでも減らしていく具体的な手立てこそが必要です。
 今年、全国精神保健福祉会連合会の家族会が、障害者権利条約が実感できるようにしてほしいとの願いから実施された「交通運賃に関するアンケート」では、回答者の65%が、身体・知的障害者と同じようにしてほしいとの声を出されています。
 というのは現在、身体・知的障害者には適用されているJRや飛行機など広域運行の交通機関に対する交通費運賃割引制度や自立支援医療に必要な医師の診断書の無償化が精神障害者にだけないのです。福祉制度の対象から精神障害者のみを除外することは差別ではないでしょうか。市の見解をお聞きします。

(健康福祉局長)
 本市としては、障害の種別により制度の適用が異なっていることは、障害者支援施策を実施する上で適切ではないと考えています。


(中原ひろみ議員)
 早急に国に対し、解決が図られるよう要望するとともに、市独自でも知的・身体と同様に交通費運賃割引制度の支援が受けられるようにする考えはありませんか。精神障碍者保健福祉手帳の交付者数もお聞きしておきます。

(健康福祉局長)
 本来、身体・知的・障害の制度との格差の解消については、国において全国統一的に適用されるべきものであり、市が単独で措置すべきものではないと考えます。このため、従来より広島県市長会や大都市衛星主幹局長会議などを通じて国に要望しており、今後も引き続き、あらゆる機会を捉えて働きかけてまいりたいと考えております。
 なお、精神障害者保健福祉手帳の交付者数は、平成27年度末現在で、13,344人となっております。 


(中原ひろみ議員)
 広島市では精神障害者も対象にした障害者公共交通機関利用助成制度により、例えばパスピーを利用する場合であれば、年間3,000円の交通費補助が行われています。それでも、通院やディケア、福祉的就労などの日常生活に係る交通費が大きな負担となっています。アンケートでは精神障碍者を支えてきた家族も高齢化し、年金も減り経済的な支援が弱まるなか、交通費を家族に負担させる負い目を少なくしたいとの切実な声もありました。市が実施されている障害者公共交通機関利用助成制度の補助額の引き上げを検討すべきではありませんか。お考えをお聞きします。

(健康福祉局長)
 広島市障害者公共交通機関利用助成事業は、公共交通運賃の各種割引制度と合わせて本市が独自に3000円を助成するもので、障害者への支援として適切な助成内容となっていると認識しており、現時点で助成金額の引き上げを検討する予定はありません。


(中原ひろみ議員)
 障害者差別解消法は、行政に対し一人一人に合わせた柔軟な対応、合理的配慮を義務としています。京都府ではこの4月から施行された「障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らしやすい社会づくり条例」に基づき、義足や人工関節を使用されている方、内部障害や難聴の方、妊娠初期の方など援助や配慮を必要とすることが外見からはわからない方が援助を得やすくなるよう西日本初の「ヘルプマーク」の無料配布を開始しています。
 「ヘルプマーク」は平成24年10月に東京都が導入したものと同じもので、赤字に白いプラスとハートがデザインされています。連絡先や助けてほしい内容のメモを添えてカバン等に付け周囲の理解や手助けを得やすくするものです。駅や商業施設などで声をかけてもらうなどの配慮が容易にできるようにと取り組みが始まりました。広島市でも検討されてはいかがでしょうか? また、全国で統一したマークになるよう国にも「ヘルプマーク」の普及を求めてはいかがですか。

(健康福祉局長)
 「ヘルプマーク」は義足を使用している方、内部障害の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からはわからない方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることにより、援助を得やすくするよう、東京都において作成されたマークです。
 東京都は、「ヘルプマーク」の全国的な普及を図るため、各自治体に向けて、作成・活用するよう依頼しており、本年4月から、京都府が東京都と同じ「ヘルプマーク」を作成・配布しています。
 一方、東京都とは別のマークを作成・活用している自治体もあり、広島県では、山口県が作成した「サポートマーク」に賛同し、本年1月から、県内の障害者団体に周知を図っています。
 本市としては、この種の取り扱いは全国的に統一することが重要であると考えており、「ヘルプマーク」の導入や国への働きかけについては、市民の認知度や他都市の取組等を見極めながら研究していきたいと考えています。


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