トップ議会情報・議員の発言2014年第3回9月定例会 議員発言 >一般質問・近松さと子議員


2014年9月24日 本会議 一般質問 近松さと子議員

  ●被災者支援に全力を
  ●土砂災害対策の抜本的見直しを
  ●高齢者施策推進プランについて
  ●国保料について
  ●非婚のひとり親支援について
  《再質問》
  ●自力避難者の支援


●被災者支援に全力を
(近松さと子議員)
 8月20日未明に広島市北部を襲った豪雨により、救助活動中の消防隊員も含め74名のかたが犠牲になられました。家屋の損壊も全半壊 軒、甚大な被害がもたらされました。これまでの土砂災害の中で、最も被害の大きな惨事となりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被害にあわれたみなさんに心からお見舞い申し上げます。日本共産党は、災害救援募金とボランティアを呼びかけ、相談活動に取り組み、被災者支援に全力をあげています。
 あれから、1か月がたちました。「生活が一変し、無我夢中であっという間にすぎました。」と多くの被災者が語られます。家が壊された、避難勧告がでている、土砂災害の防止対策がとられるまで不安だなど、さまざまな状況の中で、避難を余儀なくされています。それぞれ市が用意した住まいや避難所、自力で借りたアパートや親戚の家などで慣れない生活を送りながら、いつ家に帰れるのか、家族それぞれの今後はどうなるのか不安は尽きません。くよくよ考えまいと気持ちを抑え込み、毎日をやり過ごしていると苦しい胸の内を語られます。
 こうした被災者の気持ちに寄り添い、生活再建の支援に全力を尽くし、再び災害をおこさない防災対策をもとめて質問を行います。

@復旧:復興の基本的な考え方を聞きます。
●復旧・復興
(近松さと子議員)
 復旧・復興は、災害対策や住民の生活再建を基本にすえ、この間の災害の経験と教訓を生かして、そのあり方を考えるべきです。生活再建については、阪神・淡路大震災以降、住民の運動が、個人への金銭補償はしないという国の重い扉をこじあけて、住宅再建の支援金を支給する被災者生活再建支援法が制定され、その後300万円へと増額させました。
 大規模半壊以上という条件や金額が不十分で、自宅の再建につながらないことから、自治体が国の制度を補完して、被災者の生活再建を支える役割を果たしています。2007年の中越沖地震では新潟県、2009年の兵庫県、今年も京都府が独自の制度を実施しました。
 市長は、記者会見で、「これからは被災者1人1人の生活再建が重要になってくる。被災者にどんな悩みがあるか、問題解決に向けた支援をしていく。前例がなくても制度を充実させたい」と述べ、本市独自に被災者支援に重点を置いて取り組んでいく考えを示しました。
 広島県にもはたらきかけ、市として独自の支援制度をつくるべきではありませんか。そして、広島方式と呼べるような住民本位のくらしとまちづくりの復興ビジョンをしめしていくべきではありませんか。

(市長)
 近松議員からのご質問にお答えします。「被災者支援について」のうち、「復興ビジョン」についてのご質問がございました。
 一昨日、宮崎議員へご答弁した内容と一部重複いたしますが、お答えします。
 被災地域の復旧・北郊に当たっては、今回の災害で生じた様々な問題を解消しながら、そこにお住いの方々が引き続き安心、安全に暮らせるまちづくりをいかに進めていくかという観点に立って、全体ビジョンを描く復興のまちづくりの検討を進めていく必要があります。
 このため、被災地の住民の不安を払拭し、避難勧告地域の住民の方が自宅での生活再建のめどが建てられるよう、9月5日に策定・公表した応急復旧計画については主に避難勧告地域にお住いの皆様を対象にした町内会など小規模単位の「意見交換会」を昨日から開催し、応急復旧計画や砂防事業の概要などを説明したうえで、個別相談に応じる時間を設けるなど取り組みを開始したところであります。
 また、災害に見舞われたすべての市民の皆様が、一刻も早くこれまでのような暮らしを取り戻すことができるよう、生活再建のための各種支援策をきちんと情報提供し、それをもとに自らの生活プランを考えて頂き、そこで生じたニーズを丁寧にくみ取って、ここに応じたきめ細かな支援を行っていきたいというふうに考えております。
 こうした取組と並行して、災害に強い街づくりを目指し、まずは、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定を進め、危険箇所を明らかにすることが必要でありまして、指定された区域においては、地域ごとの有効な避難方法の検討や身近な避難場所の確保など、自助、共助による安全なまちづくりを進めていきたいと考えています。
 さらに、基盤整備としては、砂防堰堤の整備により、土石流が直接市街地を襲うことのない状態を作り出すことを前提に、避難路としてどのような道路を整備すべきか、山から流れ出る水をどのようにして安全に処理するかといった具体的な絵姿を検討していく必要がありまして、これらについてはすでに作業に着手したところであります。
 今後、国、県の砂防堰堤の計画等と調整を図りながら、まちの将来を見据えた復興の全体像をできるだけ早く取りまとめ、年内には市民にお示ししたいと考えています。
 その他のご質問については、関係局長から答弁いたします。


(健康福祉局長)
 被災者の多くの方が生活再建のステップに入って行かれる中、今後は、被災された方々に、地区ごとの復旧の進捗状況や見通し、生活再建のための各種の支援策をきちんと情報提供し、それをもとに自らの生活再建プランを考えていただき、そこで生じたニーズを丁寧にくみ取って、個々に応じたきめ細かな支援を行っていくことにしております。
 住家の被害を受けた方に対する支援としては、ご指摘の被災者生活再建支援金のほか、災害見舞金や今議会で無利子にすることを提案しております災害援護資金貸付金などがあります。さらに、今後の義援金の配分において、被害の程度に応じた追加配分が見込まれるところです。
 そのため、今後、義援金の配分の動向も踏まえながら、住宅を含めた生活再建のための課題は何か、その解決のためには何が必要かを十分に検討し、必要に応じ対応を行っていきたいと考えております。


(近松さと子議員)
 また、鳥取西部地震では、鳥取県の当時の片山知事が、ダム建設を凍結させて被災者支援の予算をねん出したといいます。この際、土石流危険渓流がある二葉山へのトンネル工事など不要不急の高速道路計画は、県と一緒に見直し、財源をつくるべきではありませんか。

(道路交通局長)
 このたびの豪雨による災害の対応について、本市の最優先課題として取り組むことは当然のことですが、将来の広島市に欠かすことのできない都市基盤として、従来から取り組んでいる重要な事業については、引き続き、着実に進めていくことが基本であると考えております。
 高速5号線の整備につきましては、このような本市の重要な事業の一つであり、引き続き、広島高速道路公社が中心となり、県市も協力しながら、早期完成に向けて着実にステップを進めていきたいと考えております。


A被災者支援の拡充を
●り災証明 
(近松さと子議員)
 家が壊れている、インフラが復旧しない、避難勧告が解除されていない、土砂災害の防止対策がとられるまで不安だなど、さまざまな状況の中で、被災者は、いろいろなところに身を寄せておられています。
 応急復旧計画の住民説明会では、「砂防ダムの整備までは完全に安全とはいえない。それまでは怖くて元の家に住めない」という声が、多くの住民からあがりました。国と県は、来年度末に砂防ダムを整備する計画といいます。
 こうした住民の気持ちを受け止め、いつまで避難しなくてはならないか、今後、住民が、どこでどのように生活を再建したらいいのか、国をはじめ県や市が、見通しを示すべきです。
 今回のり災証明発行の対象については、全壊・半壊といった家屋の状態で家に住めるかどうかではなく、実際に家に住めないため避難を余儀なくされている人へも、り災証明を発行するべきですが、いかがですか。

(消防局長)
 り災証明は、震災、風水害その他これらに類する災害によって被災したことを証明するもので、災害による死傷者、建築物およびその他の物件について、その事実が確認できる場合に限り行うものです。
 しかしながら、り災証明の対象とならない場合であっても、インフラが復旧しないなどにより、自宅に住めない方については、仮住宅に入居できるようにするなどの支援を行っているところでございます。

●自力避難者の支援
(近松さと子議員)
 Nさんは、災害後、避難所の学校に一晩避難しましたが、家族が多いので避難所生活を続けることもできないと判断して、敷金礼金で50万円近くを払い、7万8千円の民間賃貸住宅に入居しました。「家を直しても、この先帰れるのか。家のローンも支払いながら、同じ金額の家賃を払わなければならない状況は、負担が重くいつまでもつかわかりません。」と話されました。
 子どもの受験勉強ができない、持病がある、夜勤があるなどの理由で避難所生活と両立できないため、自力で避難している人は少なくありません。
 自力で民間賃貸住宅に入居して、避難している人がどのくらいいるのか数や状況をつかんでおられますか。

(指導担当局長)
 自力で民間賃貸住宅を確保され避難されている被災者の方々につきましては、現時点では数や状況を把握できておりません。
 しかし、今後は、こうした被災者の方につきましても、義援金の申請等に伴い入手した情報を活用し、把握に努めたいと考えております。


(近松さと子議員)
 市は、公営住宅に続いて、今、民間賃貸住宅を借り上げ、無料で入居できる支援策をすすめています。家具・什器など生活必需品などの支援もおこなわれています。東日本震災では、自力で避難した民間賃貸住宅を仮設とみなし8万円まで家賃補助をおこなっています。市の支援が間に合わず、自力で避難した人にも他の被災者と同様に支援をおこなうべきではありませんか。

(指導担当局長)
 現在、市として民間賃貸住宅を借り上げ、仮住宅を提供するという支援策を実施していることから、自力で民間賃貸住宅を確保されている方を同様に支援するということは、仕組み上難しいものがございます。
 しかしながら、個々に状況をお聞きし、被災者支援の公平性といった面で配慮する必要がある場合は、どのような対応が可能か検討したいと考えております。


●義援金
(近松さと子議員)
 今回、若い人を中心にボランティアが集まり、支援の募金もたくさん寄せられました。ボランティアに参加した学校の先生たちは、土砂の中から少なくないランドセルが出てきたので、子どもたちにランドセルの支援もおこなったそうです。全国から寄せられた義援金の第一次配分手続きが始まりました。
 義援金の総額と第一次分の予算と対象者数を示してください。
 そもそも、義援金は、本市独自に配分のあり方を決めることができます。募金してくださった方の気持ちを汲んで、被災者に行き渡るようにすべきではないでしょうか。
 対象を従来の家屋の全壊半壊から床下の土砂被害まで拡大しましたが、配分のあり方にさまざま声が寄せられています。
 壊れたアパートの借家人は義援金の対象ですが、アパートの大家であるAさんは住んでいないので義援金の対象となりません。高齢のため息子の家に世話になっているという方は、自宅が壊れましたが、住民票を息子の住所に移しているため対象にならないといわれました。こうした事例をどのようにお考えですか。
 また、八木3丁目のAさんの自宅は無事ですが、家は山際の最先端にあり、周辺が土石流で流されて、唯一の生活道路も壊されました。捜索活動も長く続き復旧も遅れています。 応急復旧計画の中では、関係機関が対応を検討するカテゴリーCにあたります。自宅から遠い社宅に半年間という期限で避難することになりましたが、家財道具も持ち出せず、知人から中古品を譲り受け、量販店でとりあえず買い、最低限のものを揃えました。
 自宅の損壊はないが、実際家に住めず、応急復旧計画で帰る見込みが示されていない被災者へ支援の手を広げるべきではありませんか。

(健康福祉局長)
 本市に寄せられた義援金は、昨日の段階で約18億円となっております。
 本市義援金の第1次配分については、床下への土砂流入の被害を受けられた方まで対象となっており、対象世帯は最大5,000世帯との見込みの下、一世帯当たり定額5万円の配分で、総額は最大2億5千万円となっております。
 今後の配分については、改めて配分委員会において、その取扱いが検討され、配分方法が決定される予定ですが、その際には、義援金に関する様々なご意見を踏まえつつ、公平性の原則のもと、その内容について検討される必要があると考えております。

●生活保護の被災者
(近松さと子議員)
日本弁護士会の会長も避難所を見舞い、記者会見では、生活保護の打ち切りにならないようにとくぎを刺されました。
 国の通知にあるように、義援金は、臨時的・慈善的な性質をもつことから収入認定されないと理解していますが、いかがですか。
 また、見舞金については、自立更生計画を作成し、被災して困難な状況を改善するために使うとともに、今後の生活のために預託もできるとしています。被災した受給者の要望や状況に沿って、自立更生計画を作成し避難をしている特別の事情とみなし、保護打ち切りにならないようにすべきですが、いかがでしょうか。

(健康福祉局長)
 被災者の生活保護の取扱いについては、東日本大震災の際に出された国の通知において、義援金や見舞金などが世帯の自立更生に充てられる場合については収入認定しない扱いとされており、本市でも、このたび被災した世帯について、この通知に準じて取り扱うよう既に各区に周知徹底しております。


●災害時の障害者への対応
(近松さと子議員)
 本市は、障害のある人など災害時に避難が困難な人を対象に名簿に登録して支援する災害時要援護者避難支援の仕組みをつくってきました。
 今回の被災地域で、この事業に登録している要援護者は、何人だったのでしょうか。また、被害の状況をどのようにつかんでおられますか。

(健康福祉局長)
 このたびの豪雨災害における避難勧告・避難指示があった地域の災害時要援護者避難支援制度の名簿登録者数で申し上げますと、安佐南区では八木、緑井、伴、山本地区などで119人、安佐北区では可部、高陽、白木地区などで319人です。
 このうち、避難所に避難された方は少数でしたが、残りの方については、災害発生後、区の職員、自主防災会や民生委員児童委員などが連絡を取り、全員の無事を確認しています。


(近松さと子議員)
 広島市全体では、対象者約2万人に対して登録者は4,000人にすぎません。今回、亡くなった障害者の方は、50代の妻が同居しているため対象とならず、名簿に登録されていませんでした。原則、75歳未満の同居人がいれば登録できないなどの要件が厳しいのではと指摘されていますが、どのようにお考えですか。

(健康福祉局長)
 本市では、災害時の避難支援は迅速が第一であることから、世帯の中に避難支援者たりうる方がいる場合は、その方に依頼することを原則としつつも、そうでない場合は、隣近所の方で避難支援者たりうる方を確保することとしているところです。
 ところが、そうした隣近所で避難支援者になる方については、隣人のお世話をするとしても、その世帯の困難度が高いものでなければ理解が得難いというような現状がありまして、そのため、現在のような世帯要件を設けているところです。
 こうしたことから、世帯要件の見直しについては、当面、世帯要件で対象から外れる方でも実質的に避難支援ができないと申し出られた方については柔軟な対応を行いながら、今後、避難支援者をいかに確保するかという課題解消に向け、他都市の対応状況を調査するとともに、関係者のご意見をうかがいながら、検討していきたいと考えております。


(近松さと子議員)
 知的や精神の障害のある人たちは、避難している生活でストレスをためこみ、パニックに陥ったり、病状が悪化したりするケースが心配されています。避難所にいた障害者の50人中、40人が、病気を悪化させているという報道がありました。
 これまでの災害の教訓から福祉避難所が義務付けられていますが、知的・精神など障害者の利用はどのような状況でしょうか。

(健康福祉局長)
 このたびの豪雨災害において、安佐南区内に3か所の福祉避難所を設置し、14名の方の受入れを行いました。これらの方は、皆、高齢者とその介助者でした。

 
(近松さと子議員)
 被災地の安佐北区や安佐南区は、市立の総合リハビリセンター1か所しか障害者施設が避難所として登録されていません、これも利用がなかったことの一因ではないでしょうか。どのように認識されていますか。

(健康福祉局長)
 安佐南区及び安佐北区の福祉避難所が13か所ございますが、このうち、障害者施設が1施設しかないことが障害者の利用がなかったことの一因ではないかとのご指摘ですが、福祉避難所は、高齢者や障害者を区分せず、福祉的な配慮が必要な状態にある方を受け入れる施設となっており、直接の関係はないものと認識しております。


(近松さと子議員)
 今回の災害に合われた障害のある人たちの数や状況をつかんでおられますか。
 訪問しての相談や支援、実態調査を障害者団体が協力したいと申し出られています。ぜひ、力を借りるべきです。

(健康福祉局長)
 被災された障害者の人数の集計という事はおこなっておりませんが、避難指示・勧告地域内の障害者については、災害発生後速やかに、広島市身体障害者福祉団体連合会などの各種障害者団体や障害福祉サービス事業所が電話等により会員や利用者の被災状況の確認を行っております。
 また、安佐南区及び安佐北区を中心とした市内の委託相談支援事業所が連携し、避難所を巡回して相談業務を行うとともに、民生委員等の関係機関からの情報提供に基づく自宅訪問を行っています。
 さらに、本市においても、災害時要援護者の安否確認を行うとともに、保健師により、避難所での相談対応や、区及び精神保健福祉センター等で把握している支援が必要な在宅障害者の訪問を行っております。
 こうした様々なチャンネルによる状況把握により、例えば、施設入所が必要であることがわかった場合には、事業者に連絡を取って利用調整を行うなど、障害者の実情に応じた支援を行っているところです。
 今後とも、関係者としっかり連携して取り組んでまいります。


●給食室の活用を
(近松さと子議員)
 災害救助法では、避難所での食事が、被災者の栄養や健康維持に役立つものでなければならないとしています。しかも、3食が毎日おなじような弁当や菓子パンが続いています。
 災害後、白衣をきた給食調理員が、避難所で被災者に豚汁やカレーライスの炊き出しをしている様子が、マスコミに大きく取り上げられました。被災者のために自分たちになにかできないかと有志が集まり、ボランテイアとしての取り組みでした。住民からはありがたいという言葉や高校生からは「なつかしい」という反応が返ってきました。避難先となる学校には、給食施設があり、調理員がいます。温かい汁物などは、被災者や避難者を励ますことは間違いありません。
 今後、学校の給食室を災害救助の観点から、活用していくよう検討されてはいかがでしょうか。

(健康福祉局長)
 学校が避難所となった場合の給食施設の有効活用については、衛生管理や安全管理などの面で問題が生じないようにする必要がありますので、今後、関係部局と十分協議していきたいと考えております。


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●土砂災害対策の抜本的強化を
(近松さと子議員)
 八木3丁目の県営住宅の自治会役員さんは、「火災の避難訓練は行ってきたが、土砂災害の危険があるとは知らなかった」といわれていました。今度の大災害が起きるまで、自分たちが住んでいるところが土砂災害の危険があると知りませんでした。
 国の『災害対策基本法』は、『市町村は、住民の生命、身体、及び財産を災害から保護する責務がある』と定めています。台風、豪雨,地震など自然災害は防ぐことはできません。しかし、防災対策をおこなうことで、そこに暮らす住民の生命や財産を守り、町の破壊を最小限にすることはできます。
 急こう配の斜面が長く続く山々に囲まれた広島県は、土砂災害危険個所数で、全国最多の3万1,987か所にのぼります。崩れやすい斜面のすぐそばまで住宅が、建つようになったことも被害を大きくする要因と指摘されています。

 @今回、土砂災害に対する備え・防災体制がどうだったのかが問われています。
●警戒区域の指定
(近松さと子議員)
 15年前の広島市などでおきた死者32名を出した6・29豪雨を教訓に、土砂災害防止法が制定されました。これに基づいて、広島県が避難計画の策定や宅地開発や建物の制限も可能になる土砂災害の「警戒区域」「特別警戒区域」の指定をおこなうことになっています。本市にある6,000カ所の危険カ所に対して、1,800余りの警戒区域の指定を終えたという状況です。八木、緑井は、調査はすんだというものの、指定されていませんでした。
 今回の災害に見舞われた地区で、土砂災害の危険カ所だとされながら「警戒区域」「特別警戒区域」の指定がされていなかったのは何か所でしょうか。

(下水道局長)
 このたびの災害で特に甚大な被害が生じました八木地区、緑井地区と可部東地区、三入南地区、桐原地区および大林地区におきましては、広島県が338箇所の土砂災害危険箇所を指定しております。
 また、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域及び特別警戒区域の指定は、可部東地区の56箇所であり、その他の地区については未指定となっております。
 土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域の指定箇所は、その調査の精度が違い単純な比較はできませんが、土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域の指定箇所の差で申しますと、282箇所となります。


(近松さと子議員)
市は、県に対して警戒区域の指定をはたらきかけるべきではありませんか。

(下水道局長)
 また、9月3日に広島県において、八木、梅林、緑井小学校区の130箇所についての土砂災害防止法に基づく基礎調査結果が公表されました。
 本年度末の「警戒区域」及び「特別警戒区域」の指定を目指して事務手続きが進められることから、本市として指定に当たっては、避難場所の再調整等の事務が生じることにはなりますが、警戒区域等の指定に向けて消防局、区役所と連携し、積極的に協力してまいります。 


(近松さと子議員)
 今度の災害をうけて、広島県は、あらたに土砂災害危険個所の警戒区域の指定にむけ、事前に基礎調査結果を公表しました。
 すでに、急傾斜地警戒区域に指定されている緑井保育園をはじめ、避難所になっている緑井小学校の体育館や緑井留守家庭子ども会のある場所は、土砂災害警戒区域となる予想がだされました。
 また、土砂が流入した安佐北区桐原のつちくれの家や、全壊した安佐南区の八木園などの障害者の施設も同様に警戒区域の予想が示されています。障害者が作業をしている時間だったら、大変な被害がでるところだったと施設の関係者は、口を揃えて言われました。
 あらたに警戒区域として予想されるエリアの学校や保育所など福祉・教育施設を把握して、緊急点検などを行い災害の防止に向けた対応を考えるべきではありませんか。

(健康福祉局長)
 広島県が公表した土砂災害警戒区域党の指定が予想される区域にある福祉施設の扱いについてですが、高齢者福祉施設で申し上げると、今後、その区域内にある民間等の施設を抽出し、その上で、これらの施設については、大雨等で土砂災害の危険が高まった場合の避難誘導方法などについて、事業者に改めて確認し、また、避難訓練の実施についても必要に応じ指導するなど、利用者等の安全確保に向けて早急に対応したいと考えています。
 また、学校や保育所などについても、同様に児童等のより一層の安全確保に向けて適切に対応することにしております。


●砂防ダム
(近松さと子議員)
 さらに、砂防ダムの不足というハード面の遅れも被害を拡大しました。広島市の土砂災害危険渓流2,400か所のうち砂防ダムが整備されているのは、294か所、整備率は12.3%にしかすぎません。県内6,000か所ある危険か所の砂防ダムの整備年数は、「333年かかる」と県は答弁する有様です。国へは、毎年、砂防ダム建設の要望をしていましたが、間に合いませんでした。中国地方整備局太田川河川事務所によれば、今年度の直轄砂防事業は、23億円です。国も県も予算や人員不足が大きな原因です。
 国は、「国土強靱化」という掛け声のもと、「高速道路や新幹線のネットワークの着実な整備を図る」としていますが、災害列島日本で「国土強靱化」というなら、抜本的な防災対策こそ必要です。
 財政・人的体制の強化を含め、国が総力をあげて土砂災害の防止対策を強めるようもとめていくべきではありませんか。

(下水道局長)
 次に、土砂災害防止対策ですが、砂防ダムの整備については、国において9月19日に安佐南区八木地区、緑井地区、山本地区及び安佐北区可部東地区で24か所、県において、安佐北区大林町、可部町等で7か所の緊急砂防事業に着手されることを発表されました。
 本市としても「安心・安全なまちづくり」を目指すうえで、緊急砂防事業による整備は極めて重要なものであり、その推進に全面的に協力するとともに、所要の予算確保に向けて、国及び県に強く要望してまいります。
 あわせて、土砂災害特別警戒区域における移転者に対する税財政上の支援措置(融資:住宅金融支援機構、補助金:住宅・建築物安全ストック形成事業等)の拡充についても、引き続き国に要望してまいります。 


A避難勧告など警戒避難体制について
●避難勧告
(近松さと子議員) 
 今回、午後3時過ぎから土砂災害の被害が多発しましたが、実際に住民に避難勧告が出たのは、午前4時15分以降で、災害発生から1時間以上も後となり、すでに最悪の事態に陥っていました。
 今、これまで降っていた雨量のデータを基準としてきた避難勧告の目安の見直しを含めて、検証部会が立ち上がりました。
 内閣府は今年4月に、深夜の土砂降りであることや空振りを恐れ、避難勧告が遅れた昨年10月の伊豆大島の土石流災害をうけて、「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」をしめしました。
 本市は、これまで、このガイドラインについて、どのような検討されていたのでしょうか。

(消防局長)
 本市では、本年4月8日に内閣府から「避難勧告等判断・伝達マニュアル作成ガイドライン(案)」が示されたことを受け、これを踏まえた地域防災計画の見直しを行うため、「避難対策等検討会議」を6月に設置し、8月5日に第1回の会議を開催して検討に着手してまいりました。
 会議では、夜間・早朝における避難方法や災害種別ごとの避難勧告等の判断基準の検討を行っていたところです。


(近松さと子議員)
 専門家は、最近増えているこうした豪雨のような「非常に狭い範囲で急に強い雨が降り続くような雨の降り方だとこれまでのような実際降っている雨量のデータから警報を出す方法や避難勧告は間に合わない。これまでの考え方を変える必要があるのではないか」と指摘していますが、どのように認識されていますか。
 自治体は、勧告を発令しても「空振り」になれば、住民の避難行動に結びつかない、夜間や休日に職員を招集するコストの問題があるため、躊躇する傾向にあります。コストは、国に負担ももとめ、住民へは、防災意識の向上に役立てるという観点から理解をえることも必要です。
 避難に援護が必要な人たちの安全を確保するためにも、本市の避難勧告発令基準の見直しをおこなうべきだと思います。

(消防局長)
 このたびの豪雨災害における一連の初動対応については、避難対策等検証部会において検証しているところであり、避難勧告等の判断基準についても、その検証結果を踏まえ、必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。


●防災対策に障害者の声を
(近松さと子議員) 
 今回の災害でも障害者への対応への課題が指摘されています。
 本市の防災会議は、女性団体の代表を入れましたが、障害者の代表は入れていません。これまで、そのことを求めると、日頃から障害者施策を所管する部局が、意見を聞いているので、防災会議に反映できるという答弁でした。「私たちにかかわることを私たち抜きで決めないでほしい」これは障害者権利条約の基本的な考え方でもあります。
 あらためて、本市の防災会議に障害者の代表を加えるべきだと思いますが、いかがですか。

(消防局長)
 本市の地域防災計画は、障害者団体との意見交換を経て策定される障害者計画を踏まえて、見直しを行ったいることから、防災対策に係る障害者の意見は反映されているものと考えています。


●安全の責任
(近松さと子議員)
 これまで、避難するのかどうかの判断を行うのは、個々の住民の置かれている状況によって異なるため、身を守ることは自分の責任であるとして「自助;共助」が強調されてきました。東日本大震災時の「釜石の奇跡」など住民自らの判断により生死が左右された経験は、少なくありません。
 しかし、多くの住民が自治体の避難勧告によって避難するかどうか判断しているのが実態です。災害時の情報伝達や避難誘導を誤れば、甚大な被害を招くことを肝に銘じなくてはなりません。市は、住民の安全に重い責任があることを改めて認識する必要がありますが、いかがですか。

(消防局長)
 市は、基礎的自治体として、住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関する計画を作成し、実施する責務があります。
 このたびの土砂災害において、地域防災計画の定める手順に沿って行った一連の避難対策については、避難対策等検証部会において、議員ご指摘の情報伝達や避難誘導を含めて検証を進めており、その結果を計画に反映していきたいと考えております。

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●高齢者施策推進プランについて
(近松さと子議員)
 来年から3年を期間として取り組まれる高齢者施策推進プランの計画について検討がおこなわれています。
 先の国会で成立した医療・介護総合法により、高齢者の医療や介護は、「時々入院、ほぼ在宅」といわれ、在宅への移行が強調されました。しかし、在宅での介護は、制度始まって以来の大改悪になりました。要支援といわれる軽度者は、新しい総合事業に移行し、自治体裁量の事業となったのです。
 7月末、新しい総合事業のガイドラインがしめされましたが、要支援1,2と介護認定を受けた高齢者の訪問介護や通所介護は、現行相当の専門サービスを限定的におこないます。新しくサービスを希望する人から、介護認定を受けずにチェクリストだけで、可能なかぎり住民同士の助け合いのサービスBなどに移行するようにもとめています。予算の上限を設けて抑制し、安上がりの体制づくりをすすめています。
 そこでは、高齢者を盛んに「サービスの受け手から担い手として活躍する」として、ボランティアに駆り立てようとしています。こうしたボランティア頼みで、受け皿が整えられるのか、地域の偏りも生まれるのではないかと危惧されていますが、どのようにお考えですか。

(健康福祉局長)
 「新しい総合事業」は、国が示したガイドライン案によれば、現在サービスを提供している訪問介護事業者や通所介護事業者に加えて、NPO、ボランティアなど多様な主体が実施することにより、要支援者等が選択できるサービス・支援の充実を図るものとされております。本事業に加入する事業主体の数は、高齢者人口の高など地域の状況によって差が生じることはあると考えられますが、仮に新たな事業司主体の参入が少ない地域があった場合でも、現在サービスを提供している訪問介護事業者等によるサービス提供が可能であることから、そのことがただちにサービスの低下につながるものではないと考えております。
 しかしながら、新しい総合事業の趣旨を踏まえれば、地域の実情に応じて、できる限り多様な主体が本事業に新たに参画することが望ましいということから、本市としては、それを促すための方策を今後検討していきたいと考えております。

 
(近松さと子議員)
 介護予防といいながら、ボランティア頼みで介護の質が落ち重度化していくことになれば、地域で安心して暮らすこと自体がおびやかされていきます。
 今年4月、東区で孤立死されていた高齢の夫婦は、行政の制度を利用していませんでした。区の高齢福祉の担当者は、新聞の取材に対して、「役所もかかわりようがない」と答えています。近所付き合いもなく、町内会の役員さんは、どうかかわればよかったのかと心を痛められていました。
 本市は、高齢者の孤独死や孤立死を防ぐため、地域で見守り体制をつくるとしています。白島地域では、「気配りネット」という名の見守り体制が準備されています。当初、市から見守り体制づくりを提起された住民からは、どこまで責任は持てばいいのか、住民の情報を知らせてくれるのかなど様々な意見が出されました。
 支え手を気くばりさんと名づけて募集していますが、チラシには、「気くばりさんは、何かあっても責任を負うものではありません」とわざわざ、但し書きしています。気軽にと呼びかけますが、どれだけの住民が気配りさんに手を上げてくれるのかと心配の声が上がっています。
 町内会や地域包括支援センターでは、個人情報などもあり、おのずと関わり方に限界があります。福祉サービスを受けていないまた、見守りネットに入っていない高齢者の支えを、どのように考えておられますか。
 東京都港区では、二つの区にふれあい相談員をおいて、高齢者のサービスを受けていない一人暮らしや高齢者世帯を訪問し相談事を受ける事業をおこなっています。こうした地域で孤立している高齢者の支援に、市の相談員を置く事業について、検討されてはいかがでしょうか。
 まず、行政がしっかりと責任をもって、高齢者を支える体制をつくって、それから地域やボランテイアに支援してもらうという仕組みづくりに取り組むべきではありませんか。

(健康福祉局長)
 本市では、昨年度から、様々な地域団体等が行っている高齢者の見守りに関する情報を集約し、地域包括支援センターがこれらの活動のコーディネーターとなって連携を強化しながら、地域全体で高齢者を支え合う仕組みを構築するためのモデル事業を実施しています。
 本市としては、このモデル事業の仕掛けを通じ、地域コミュニティを再生し、隣近所が日頃から周囲の人に関心を持ち、何らかの異変が生じた場合においては、民生委員や地区社会福祉協議会などがその情報を的確に把握し、また確認することができるような状況をつくり出していきたいと考えております。
 今後とも、ご指摘の東区のようなケースも含めまして、地域で孤立している高齢者に対しどのように対応していくかについて、地域の皆様とともに検討を重ね、地域ごとの具体的な取組、さらには全市的な波及につなげていきたいと考えております。

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●国保料について
(近松さと子議員)
 「年金額は減り続ける中、消費税の8%増税に加え、国民健康保険料の値上げは頭にくる」
 今回、市の計算ミスで国保料が、9万世帯へ過大請求されていたことが発覚しました。一世帯あたり、3万5千円に上る値上げになっていたといいます。11月に正しい料率で計算した納付書をあらためて加入世帯に送るといいますが、それまで過大請求された保険料を払わなくてはいけないのかという怒りの声が寄せられています。
 払わなければ、20日後に督促状、50日後に催告状、コールセンターから納付呼びかけ、その後は滞納の延滞金がついて、差押えという対応をするのですか。市のミスで請求された保険料の支払いについて、こうした対応をとることは、市民の気持ちを逆なでするものです。即刻、中止するべきですが、どのようにお考えですか。

(健康福祉局長)
 算定誤りがありました国保料については、新たに納入決定通知を行うまで、すなわち10月納付分までは、現在の保険料が有効であり、それを前提に諸手続きが行われることになりますが、本市が任意に行っている催告書やお知らせセンターからの納付の呼びかけについては、被保険者の心情に配慮して、新たな納入通知書をお送りするまではおこなわないこととしております。
 また、延滞金については、算定誤りを公表した9月以降納付されなかった場合でも、新たな納入通知書をお送りするまで生じることはありません。また、多く請求していた保険料が、差押えの対象になることもないと考えております。


(近松さと子議員)
 本市の3割、17万世帯が加入する国保制度は、文字通り市民の命綱です。国が財政責任を後退させるなかで、これまで、広島市独自の政策をおこなってきました。保険証の取り上げを中止した実績は、全国から模範にしたいとして視察がひっきりなしでした。
 しかし、この間の国保行政は、窓口での一部負担減免制度を後退させ、差し押さえで市民の生活を追い詰める、低所得者や多人数世帯に負担を強いる算定方式の変更もやむなしとしてきました。
 こうした「国保料が高すぎて払えない」という市民からの声に背を向け、「市民の命綱は、本市が独自に守る」という立場を投げ捨てる中で、市民の重い負担も仕方ないという意識が、こうした過大な値上げを見逃すことになったのではありませんか。
 これから、県単位化など広域化の動きも強くなってきますが、広島市が「国保は市民の命綱だ。本市独自に守る」という立場にたたないかぎり、市民の命も健康も守れなくなることを厳しく指摘します。

(健康福祉局長)
 本市では、今年度から算定方式を変更するに当たり、保険料が大幅に増加する世帯が生じることが見込まれるため、非課税世帯を中心に激変緩和措置を講じました。さらに、当初賦課後、激変緩和措置対象外の世帯でも、税額控除が考慮されなくなったことなどにより、大幅に保険料が増加するケースがあるという実態がわかりましたので、追加の激変緩和措置を検討することとしました。
 このように、本市では被保険者の負担にできる範囲で配慮したいとの思いで取り組んできたところです。
 今回の事務処理ミスは、保険料算定の基となる保険料率を算定する際、国から補填のある法定軽減額の控除を漏らし、その結果、本来より高い保険料を付加したというものであり、こうした初歩的な事務処理ミスによって、多くの市民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことに対し、改めて深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。


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●非婚のひとり親支援について
(近松さと子議員)
 最後に、非婚のひとり親への寡婦控除のみなし適用についてお聞きします。
 昨年12月、最高裁大法廷の決定をうけて、子どもの遺産相続についての民法が改正されました。それは、法律上結婚している男女間の子どもに対して、結婚していない男女間の子どもの相続分が半分であるという民法の規定は、憲法違反であるという判断によるものです。子どもに自ら選択する余地のない事柄で、その子に不利益を及ぼすことは許されないのは当然です。これにより、親が結婚しているかどうかにかかわらず、子どもへの遺産相続は平等になり相続差別は解消されました。
 実際に、非婚のひとり親は、さまざまな不利益を被っています。結婚して、離婚・死別などでひとり親が寡婦(夫)になった場合、所得税・住民税の課税に寡婦控除があり、軽減されます。しかし、同じひとり親でありながら、非婚の場合、税制上の寡婦控除が適用されず、そのため保育料などの負担が軽減されません。
 厚労省の調査で一人親世帯のうち未婚世帯の割合は、2011年に7.8%で増加傾向にあります。この比率で推計すれば、本市でも100世帯以上ということなります。
こうしたことを放置してはおけないと市に裁量のある保育料や市営住宅家賃などへ寡婦控除のみなし適用をおこなう自治体が増えています。
 政令市では、岡山市が、17年前から実施し、今年からは、仙台市、川崎市など、来年横浜市が予定し、半数を超えます。本市でも、まずは保育料からみなし適用をおこない、同じように負担を軽減をすべきだと考えますが、いかがですか。

(こども未来局長)
 非婚のひとり親世帯に対して、寡婦(夫)控除をみなし適用してはどうかという議論等がある事は承知していますが、非婚のひとり親世帯に対する寡婦(夫)控除の適用は、税制改正で対応すべきものと考えており、国としても所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討を行うとされています。
 また、それがなされない段階においては、みなし適用による保育料の軽減とそれに伴う財源措置を講じるよう、国に対して大都市民生主管局長会議を通じて要望しております。
 こうしたことから、本市としましては、今後も、国の動向等を注視してまいりたいと考えております。


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《再質問》
●自力避難者
(近松さと子議員)
 今回の災害で小学生、中学生の子どもさんもなくなられました。家族を亡くされた子どもさんもたくさんいらっしゃって、学校の先生たちや保育士さんたち、留守家庭子ども会の指導員さん、それぞれがそういう子どもたちの心を受け止めて今頑張ってらっしゃいます。それから、被災者の皆さんの様々な支援についても、市の窓口の職員さん、昼夜を問わず奮闘されていることには敬意を表します。
 しかし、防災、高齢者福祉といった問題に、自助・共助を強調しすぎて、公助が忘れられてきたのではないか。そのことを指摘したいと思います。
 そして、住民意見交換会のことを市長も説明をされました。国と県の担当者、市の消防署の方、住宅の方、生活課の方それぞれ被災者を全面的に支えるために住民の意見交換会に参加されています。
 私も昨日行ってまいりました。その中でも砂防ダムのことが一番市民の方は心配されていましたので、そのことが議論の中心課題になりましたが、やはりインフラが整備されても自分たちの生活が将来どうなるのか、たちまち今どうしたらいいのか困っていらっしゃる。特に自力で避難されている方が、そういう声を昨日もあげられました。個々の人に合わせて検討するというのですが、相談したら、市営住宅もある、民間の借り上げたところもあるからそこへ引越せと言われてるんだというんです。
 こういう、市のやり方に被災者を合わせるという状況、本当にこのまま黙って放置していいと思われるんでしょうか。ちょっとこのことを一点お聞きしたいと思います。

(都市整備局指導担当局長)
 借り上げ民間賃貸住宅のあっせんを今行っております。これにつきましては被災者の公平性に配慮して、住宅の規模であるとか家賃、そういったことに関して一定の基準を設けております。
 自力で民間賃貸住宅に入居された方からのご相談につきましてはここに住宅、それから契約等に関する状況をお聞きしたうえで、公平性といった観点からどういうふうな対応が可能かという事を検討したいというふうに考えております。

(近松さと子議員)
 東日本ではもう既に家賃補助などはおこなわれているんです。市長も、ひとりひとりの事情を聞いて寄り添うと言われました。前例にとらわれずにやると言われたのですから、もうこれは遅れている分野になるんじゃないですか。
 今困っていらっしゃる、損壊した家がある、住宅ローンを払わなくちゃいけない、その上に、自力で避難した住宅の家賃も払わなくちゃいけない、もう三重苦に見舞われているんですから、この方たちをすぐに救済していただきたいと思います。以上です。

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トップ議会情報・議員の発言2014年第3回9月定例会 議員発言 >一般質問・近松さと子議員
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